名も無き村の、ダンジョンマスター
タルト(ピクシー)を助けたケンスケ。直ぐ側の小部屋程の洞窟にて現状把握中である。
「さっき少し使ったけど、ナオシ草自体はクエストをクリアできる量あるけど、タルトは奥の里に行きたいんだよね。」
タルトは小さな首を縦に振り、当たりだと合図する。
だけど、現在は回復呪文は自分だけしか使えない為、名も無き村へ帰還し、3、4体のPTにした方がいいと思ったケンスケである。
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名も無き村、ローズへ報告しようとしたら、彼女が近くに居ないことに気がつく。近くのリザードマンの門番曰く
(今は、ダンジョンコアとダンジョンマスターが居るから、粗相の無いようにしたい)
様子を見に行くと、ローズと、もう一人が居た。
恐らくアルケニーの類いだろうか。二人共に気がつくと、アルケニーが話掛けた。
「あら、この子たちは知り合いかしら?あたしはアネッサ。裏の洞窟のダンジョンマスターよ。」
「男の方がケンスケで、妖精の方は・・・誰だ?初めて見る顔だが?」
アネッサは近くの洞窟の管理者のようで、相談しに来た見たいだと言って居たが、タルトは初めて見ると言われて・・・。
「タルトよ。無理もないけど。」
アネッサは「自分の管理するダンジョンに勝手に住み着く他の種族が迷惑だから、間引いて」とギルドへ言おうとしたら、ローズが居たからまず言おうと会話の最中に中断されたとしてジト目で睨み付けた。
数刻程したら、ローズが駆けつけてきて、言い放つ。
「今は、足手纏いだ。守りが脆い。特にな。」
そう言って、村の東側を指差し、建物らしき物を見つめ、続けて、
「ケンスケだけは、良いが、タルトはあそこで鍛えた方が良い。」
「何故そう思う。まさか装備か?」
ローズは腕を組み、うなずいて
「そうだ。あそこなら、魔法を使うモンスターや人に良い装備か素材が手に入ると聞いた。」
その後、ギルドへ行き、本登録カードを二人共にもらい、宿の家へ向かった。