前例無き提案。新たな仲間
オモチャの兵士と泥のゴーレム、つまりマッドゴーレムが相変わらず打ち合っている。
小声でタルトが、
「これって隙だらけな気がしない?」
「マッドゴーレムが今、邪魔だな。何とかならないかな。」
「でしたら私に任せて。丁度いい魔法があります。」
シエラだ。今は、一時的にいるが本来は渡し人の近くで世話をしているらしい。
「氷の短剣」
寸分違わずマッドゴーレムに命中し、凍結した。
すると、オモチャの兵士(これが名前らしい)が、凍結したマッドゴーレムを持っていた短剣で叩き始めた。
「ム?テゴタエチガウ、ケズレル。」
今の内にステータスを見よう。
オモチャの兵士 LV3
HP100/140 MP10/10
ATK:24
DEF:20
SPD:18
INT:18
スキル
「二段斬り」
「コンバットソウル」
どうやら終わったようだ。
「サッキノハ、オマエタチノカ?」
オモチャの兵士が話掛けた、ゲージは味方ではないと示しているが。
「あたしはしてないけど、隣のメイドがしたわね。」
「ソウカ、勝チ目ガナサソウダト思ウ。ダカラ降伏スル。」
・・・あれ?
「仲間の契約がしたい。どうすればいい?」
オモチャの兵士は、腕を組もうとして届かない。
「魔力ヲ認識スル。テヲツナゲ。」
「分かった。」
腕を握手するように掴み、魔力を流す。
「認証完了、区別ノ為、名前ノ要求ヲスル。」
「お前の名は、ジェット。」
「ジェット。イイ名ダ。キニイッタ。」
この際、ジェットに聞いておこう。
「そういや、ここから出るには何処に行けば良いんだ?」
「ム?北ニイケバ、ポータルガアル。モットモ、渡シ人ニ話サナイトナ。」
次は北へと移動を開始した。新たにジェットを仲間にして。




