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その一、はじまりはじまり


佐藤芹香、二十一歳。

一番下に来る学歴として短大卒業見込み、今年めでたく公立保育園の保育士に採用され、意気揚々としていた暖かい春の日。小遣い稼ぎに友人に頼まれたちょっとアレな原稿を執筆中、ぴぃんぽぉぉおんと嫌な感じに間延びした玄関の呼び出し音がなった。


「さぁアンタの親父がトンズラして残した借金、耳揃えて返して貰おうか」


 ――まさに晴天の霹靂だった。


 五つの時に他所に女を作って夜逃げした馬鹿男に思い付くばかりの罵詈雑言を心の中で喚きながら、逃げる事……三秒。五階の窓から飛び降りるふりして一階下のベランダに隠れようとした……はずだった。


 しかし、世の中そうは上手く行かないらしい。足場にしようとした配水管が割れて、あたしはまっ逆さまに落ちた。いや待て虚言だから! 本気で死ぬ気は無かったから! そんな言い訳なんて何のストッパーになる訳もなく、頭から落下するあたしの身体。真横にはポケットから飛びだした携帯電話が同じスピードで落ちていくのが見えた。なんてリアル万有引力!


 どくん、と心臓が張り裂けたかと思う位の衝撃があって、最後に映ったのはさくらさくらさくら。そのまま意識はブラックアウト。




 そして目覚めた先は、



 ――異世界でした。








2010.04.28

 

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