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第二話 秀路、異世界に立つ

 こんばんはー。暁海洋介です。1週間経って予定通り投稿します。どうぞ。

 気が付くと見知らぬ建物の中で椅子に座っていた。どうやら転生に成功したらしい。ちょうど机に向かっている状態で寝ていたのでちょいと肩や腰を伸ばすと凝っていたらしく少し痛かった。うん。俺は生きている。間違いなく生きている。その喜びを噛みしめていると机の上に一通の手紙があるのが分かった。開けて中身を見てみる。

「この手紙を読んだということは無事に転生に成功したということじゃな。さっそくだが、今、お主がいるところは転生前にワシが言った通り、当面の拠点として用意しておいた工房じゃ。工房には魔力で動く工作機械と炉がある。それからこの世界で主に利用される素材の収まっている倉庫も工房に併設しておいた。倉庫は出入り口部分だけが隣接し、坂を下りた先に収納部があって素材ごとにある程度分別して収納できる構造になっておる。収納できる量はワシと転生前に話をしている時にお主が作りたがって頭に描いておった規模のものを作るのにはちと足りんが、最低限必要な量は入るようにしておいた。すでに素材も一通り入っておる。工房の二階にはお主が寝泊まりしたり、食事を摂ったりするための場所を設けておる。あとはお主の記憶やらお主が転生前に集めておった書物に書かれていたことやこの世界の事などをまとめた事典、遠出をする際に使うこの世界の地図などを並べた書斎もニ階に作っておいた。そうそう。忘れておったが、この世界の言語は元居た世界と異なるので、誰かと接触しても支障がないようにしておいたぞ。ワシの頼みを聞いてくれた礼じゃ。やってほしいことを進めながらでも構わん。存分に使ってお主の望みを叶えるがよい。それではよい人生を送りなさい」

 ふむ。まずは工房の中身が言われた通りになっているかの確認だな。何があるか分かってないと動きようがない。すぐに与えられた工房の中を回る。魔導工作機械(魔力で動くからそう呼ぶことにした)と炉もちゃんと動くし、倉庫の中の素材は簡易のインベントリに入っていて確かに機関車一両と工房のそばに広がる空き地を一周できるだけの線路が作れるだけの量がある。

 その空き地はそれなりに広い。北関東の田舎にあって昔通っていた大学のキャンパスぐらいはある。空き地のそばに建つ工房とは対照的にバカでかい。しかも空き地の北側には池がある。まあ、空き地を出てしまえばどこまで広がっているのか分からないくらいの森が広がっているのでコンパスとか道しるべを作るようになるまではあまり森の奥まではいかないようにしないといけないけど。

 ニ階に上がって自宅部分も見たけど、キッチンとかベッドも割としっかりしているうえに風呂も完備しているので快適だ。でも、便所はウォシュレットじゃなくて一般的な駅に見られるような普通の水洗式便所だったのはがっかりした。

 そうそう、書斎の本はみんな日本語とは違う言語だったのに、読めないと心の中で思っていたら日本語に書面が置き換わっていた。どうやら神様の言った通りに読めない言語を自動的に翻訳するスキルを付けてくれていたようだ。スキルのオン・オフ機能もある。これなら読み書きの勉強もできるし、確かに人と接触して問題はないだろう。


 一通り工房兼自宅を見て回った後、書斎でさっそく勉強を開始。蒸気機関車の事も大事だが、まずはこの世界の事を知る作業と魔法の習得を目標とする。魔法は使いこなせば一人でもいろいろと大掛かりなものが作れるようになるし、モンスターを従えるための魔法は神様が言うには初期段階で覚えているらしいけど、仕組みを知っておくことでより効率的に使えるようになるだろうから最優先で覚えていくことにする。

 そうしていきなり昼間から手当たり次第、本を読み漁って最初に覚えたのは火魔法だった。書斎にあった工学系魔法大全なる本を見つけて読んだ結果、人差し指を伸ばした先からバーナーのようにして行使できる魔法を見つけたからだ。手持ちの魔導工具の中にもバーナーはあるけど、あれは魔石で動くものらしく、倉庫に備蓄してある予備の魔石数を見たらちょっと心もとなかったのでさっそく覚えることにした。


「よし。いっけえ。燃え盛れ(フレーネ)!」


 本の通りに唱えるとすぐにものすごい勢いで火が噴き出す。思ったより簡単じゃないか。予想以上にあっさり覚えて拍子ぬけてしまうな。

「あれ。ひょっとして工房の魔導工具って大半は要らないんじゃ……」


 なーんて思ったけども一分くらい経つと気絶してしまった。いわゆる魔力切れが起きたんだろう。こりゃあやり過ぎると危ないな。いくら神の創った俺専用の住処でも外に居れば無防備だからな。万が一気絶したあとに森からモンスターやら盗賊やらが現れたら対処のしようがない。気を付けないと。

 その後も火魔法を練習することにした。また魔力切れで気絶しないようにするために自分の魔力とかステータスの類って見れるのだろうかと考えてまた書斎を漁ったら鑑定魔法のやり方を見つけた。……本当は魔法の本を読むときにうっかり工学系魔法大全ばかり読んでいて基本魔法教典があるのを忘れてしまったのである。痛恨のミスだ。まあ、時間はあるので気を取り直して、基本魔法教典に従って練習する。

 もちろん一回魔法を行使するたびにこまめに鑑定魔法で残り魔力を確認してから反復するのを忘れない。この本には鑑定魔法のほかに火・水・木・土・風・光・闇の基本魔法が書かれている。人間が持ちうる魔力についても書かれていて、練習量の分だけ大きくなる。増える量は年齢とともに落ちるものの、加齢によって減るわけではないらしい。

 ちなみに鑑定魔法の結果、俺は人間でいえば五歳に当たるエルフであることが分かった。まあ、長寿と言えばエルフだもんなあ。神様が言うには見た目は人間と大して変わらないらしい。実際、転生したあとの姿を工房を一通り探索した時に鏡で確認したしな。

 ただ、耳はエルフらしい尖った耳ではなく、人間の耳に近い感じだった。個人的には笹穂耳を期待したんだけどね。まあいい。変に自分の見た目が変わり過ぎてもびっくりするだけだし、まあいっか。

そうして基本魔法を覚える作業をして腹が減ったら工房ニ階の居住スペースにある食糧庫から適当に食材を用意(食糧庫にはこの世界で採れる食材が約一週間分入っていた)して食事をとり、また練習をするというルーチンワークをしばらくこなしていたけども。


「そろそろ、自分で食料をとりに行かないとなあ……」

 とうとう五日ほどすぎて食料がなくなり始めたので、基本魔法のおさらいも兼ねて森を探索することにした。


(うまく狩りができるといいけど……)

 魔力はバーナー魔法であれば半日はぶっ通しで放ち続けられるようになった(数値的言えば最初の時点では100しかなかったが気がつけば2000くらいまで達していた。計算が合わないように感じられるがどうやら基礎魔法を覚えて連日練習した結果、最適化されていたらしく一分間持たせるのに最初にぶっ放した時の40パーセントの力で済むようになった)。まあ不安もあるけど、この世界で生きていくと決めた以上やらねばならない。書斎で狩りの仕方や後処理の方法、この周辺に生息するモンスターの情報などの載った本と森を探索しながら従属魔法の載った本とをリュックに積んで食料を求めて出発した。


 いかがでしたか。ゴールと経由地は見えているけどどうルートを汲むかまだまだ悩みながら書いているのでいろいろ文章が変なところもあるかもですが、ある程度話が進んできたら序盤部分から少し改訂を入れて整えていく予定です。ちゃんと完走できるまで応援のほど、よろしくお願いします。

 それではまた次話でお会いしましょう。

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