美味しい料理と紫パジャマ
今回から、文字数が2000から2500の一定になりますー。
現在俺は紅魔館のキッチンで夕ご飯の準備をしている。
魚は姿作りにして高級料亭にも負けない感じに仕上げた。その際イトウは白身魚だったゆえに薄く切った、理由は白身魚の身は弾力が強く、次に野菜を適当な大きさ、まあ、いってしまうと一口サイズとやらに切り、大きなフライパンに投入し炒め、味噌を入れて味付けをする。
そして、お味噌汁を造る。
味噌は人里で買った白味噌を使用。そして、出来上がった味噌汁を少し掬い口に移し飲む。
「ん、こんなもんか」
余った野菜でお浸し系の物を作り
、炊きたてのご飯をお椀に入れて完成。
味の保証は射命丸さんや霊夢がしてくれている。
両名とも俺の料理を美味しいと言ってくれたので、おそらく大丈夫だろう。
「すいません、咲夜さん。ちょっと運ぶの手伝ってもらえませんか?」
俺が料理していた後ろにいた咲夜にお願いをする。
「わかりました。では私はお味噌汁を運びますね」
と咲夜さんは和やかに笑い、味噌汁を持っていった。
残りも相当の数だが、まあ、風を使えば難なく運べる。
意識を集中させ、風を操り料理を浮かせる。
そして、両手が空いているのは勿体無いからイトウの姿作りを持ちレミリア嬢、フラン、美鈴さんのとこへ運んでいく。
料理を机に置いて、自分はどこに座ろうかと迷っていたらフランが隣の席に座って!と言い、そこへ座ることにした。
そう言えば、机に座っている人の中に知らない人がいたから急遽、もう一人分の料理を作ったけど誰だろう?
「凄いわね。この料理、本当に貴方が作ったの?」
とレミリア嬢が言うのでとりあえず頷いた。
「ほら、冷めないうちに食べろよ」
そう促すと皆、料理に手をつけた。
次々と口に料理を運ぶ五人。
料理を口に運んでは咀嚼し、頬を赤く染め、んん~!と言っているフラン。
右に同じのレミリア嬢。
咲夜さんは、隠し味とかを探りながら料理を味わっている。
美鈴さんはバクバクと料理をかき込んでいる。別に急がなくてもいいんだが。
そして、名前も知らない、紫パジャマの人は小さな口を開けて普通に食べていた。その姿はまるで小動物のようで可愛い。
あと、その人には目の下に大きなクマがあって、服装、肌の色から見て、何かあっちの世界にいた俺と同じ臭いがした。別に性格が捻くれてるってわけではなくて、引きこもりって感じが似ていた。
「楓香お兄ちゃん料理上手いんだねっ!」
とフランが言う。
「私より料理が上手いなんて何か女として負けた感が……」
と咲夜さん。
「本当に美味しかったわ。どう?私のとこで料理長として働かない?」
「遠慮する。あと言ったはず、住むとこが決まったって」
「それじゃ、仕方ないわね」
とレミリア嬢。
「この料理、むしゃ!美味し、はむはむ!、いですね。手が、パクパク!止まりません!「食べながら喋らない」へぶっ⁉」
と、食べながら話していた美鈴さんは咲夜さんにナイフで刺され、一時的に昇天した。
「初めましてかしら。突然ごめんなさい。私は紅魔館にある大図書館の魔法使いのパチュリー・ノーレッジ。よろしくね。貴方の料理美味しかったわ」
あ、はい、ありがとうございますと何故か畏まってしまった。
そして、夕食が終わり、全部片付け、俺を入れた六人で話していた。
「ふーん、貴方妖怪の山に住むことになったの。しかも、文の家」
「知ってるのか?」
「ええ、彼女の新聞読ませてもらっているわ」
へぇ、そうなんだ。
後で射命丸さんに聞いてみよ。
「ねぇ、お兄ちゃん。明日も来る?」
ふと、フランが上目遣いで聞いてくる。
「ごめんな、それはわかんない」
というとしょぼんとしたので頭を撫でてやるとえへへと表情を綻ばせた。
「じゃ、そろそろ帰りますね」
ええ、いつでも来なさいと言われ、紅魔館をあとにした。
空を飛ぶ。
肌に当たる風が気持ちいい。
そういえば、飛ぶ時っていつも手から風を噴射していたけど、足からでもできるんだろうか。
試しに足に意識を集中して風を集める。
そして、噴射すると一気にバランスを崩し、落ちそうになる。
ふう、危なかった。
うーん。どうすればいいのか。
……足の裏に車輪があってそれを回す感じで進めばいいんじゃないか?お前、あっちの世界でインラインスケートとか、スケートボード得意だっただろ……
あ、なるほど。
それのイメージなら行けるかもな。
早速、足の裏に車輪をイメージし、実際に風で車輪を作る。
すると足の裏から物凄い音が聞こえてくる。
上手くいったみたいだ。
試しに走る。
景色が流れていく。中々の出来と言ったとこだな。機動性もあるしいいんじゃないか?
……ああ、予想以上の完成度って感じだな……
そうか。
んじゃ、とりあえず帰るか。
射命丸さんにご飯作らないといけないし。
早速、さっき作った……そう言えばなんて名前にしようか。
風の車輪。違うな。
ウィンドホイール。何かかっこ悪いな。
……ウィンドギアっていうのはどうだ?……
おっ、いいなそれ。
じゃ、決定で。
というわけで、ウィンドギアを発動させ、トップギアまで上げて一気にスピードを上げる。
あっという間に居候先へ着いた。
予め渡されていた合鍵を使って、家に入る。
っと、材料は何があるかなと。
あ、魚だ。
鮎か。いいね。ソテーにするか。
バターも……あった。
おっし!気合い入れて作るか。
フライパンにバターをひき、魚を焼く。
バターの良い臭いが鼻に付く。
黄金色に焼けた魚を見て思わずよだれが出る。
うん、中々の出来だな。
これなら射命丸さんも満足してくれるだろう。
仕事で疲れてるだろうから、美味しい物を食べさせてあげたい。
さて、あとは待つか。
一時間後、夜の十一時。
玄関のドアが開いた。
やっと帰ってきたか。しかし、射命丸さんのただいまと言う声に続いて、お邪魔しますという声が聞こえた。
楓香お兄ちゃんって料理お兄さんですねww
俺も料理できるようになりたいです