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彼女はつれない女王様!  作者: 桐一葉
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プロローグ




『あぁ……、桜が綺麗ね』



母様は、虚ろな目で遠い過去に想い馳せ……静かに涙を流していた。


桜の花びらがひらりひらりと舞い落ちて、淡い月の光が降り注ぐ、静かな夜のことだった。



『母様、悲しいの……?』



『………………』



母様は、何も答えてくれない。


遠くを見て、誰も見ないで……私も見ない。


母様……泣かないで、泣かないで。


私がずっと側にいるから。


母様がずっと笑っていられるように、私が側にいるから。


だから笑って、母様。








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