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ひとびと  作者: はちみつ
はちみつ日記
7/100

ゴロピカお嬢様

 友達だったお嬢様の話。

この方、ご実家が自営業を営まれているそうで、かなりのお嬢様だ。

 確かに、持ち物や服装、ちょっとした小物に至るまでさりげなくおしゃれで上等品を持っていた。ネットで輸入品を安く手に入れた物とは明らかに違って、品が良かった。

 一緒にご飯を食べに行っても、カフェに行っても、彼女が選ぶお店は、私にはとても敷居が高いところや、ここでご飯が食べられるのか?と思いもつかないが実は高級店と言うお店ばかりだった。私はこのお嬢様に、雑誌で特集される店をいくつもさらりと教えてもらった。

 友達の記念日にもお祝いを欠かさない。相手の一番欲しいと思っているプレゼントを前々から用意して喜ばせる気の利く人だ。


 だが、このお嬢様は一つだけ欠点があった。

 お嬢様の気に入らない人の欠点を言いまくるのである。

 実は、この気に入らない人とは、お嬢様と似た人や同じタイプの人たち。

 お嬢様にとっては、似た人や同じタイプの人が嫌なのだ。

 類は友を呼ぶや同質結集ではなく、反発してしまうらしい。

 さらに、嫌だと言う本人の前では平然としていて、陰で言っているから困りものだ。陰口だ。


 仕事の愚痴や人間関係の愚痴だったら仕方ない。このストレス社会の中では、愚痴をこぼすなと言う方が酷かも知れない。

 しかし、陰口ほど聞いていて嫌な事はない。

 うっかり「その人も何か事情があったんじゃないの?」と言おうものなら「そんなことはない!!」と切り返されて、語義を荒げさらに陰口が長くなる。

 すっかり聞き役になってしまった私には、お嬢様のおっしゃる陰口の内容もエスカレートして行った。

 これはまずい。お嬢様は私を信頼して話してくれているのだが、私は呆れて聞いている。でも、お嬢様の前では物わかりが良い人の様に、お嬢様のおっしゃることを肯定してしまうので、私は裏切りものなのである。

 私は、この裏切り者の役割をするのが嫌になってしまった。

 お嬢様のことは嫌いではない。でも、裏切り者の自分が嫌なのだ。

 では、お嬢様のおっしゃる嫌な人を嫌と思えば良いのか?

 それはありえない。私は私の思いがある。でも今後、陰口は聞きたくない。どうしたら良いかと悩んでしまった。

 悩んでいると、楽しかったはずの、お嬢様とのランチやお茶が苦痛になって来た。

 自然といろいろ理由をつけてお誘いを断る様になった。お誘いがかかりそうな日に予定を入れるようになってしまった。


 お嬢様は、どちらかと言うと敏感な方であった。

 だから、私の行動を早い段階から察知して、おかしいと気がついていた様だ。


 数カ月後、お怒りの連絡があった。

 お嬢様が嫌な人の陰口を言う時の様に、私に烈火の如く雷が落ちた。


ゴロゴローピカピカッドドーン!!


  裏切り者に雷が落ちたのである。

これを境に、私とお嬢様は連絡を取らなくなった。


  今頃、どちら様かに私の陰口をおっしゃっているかも知れない…。

 もしかしたら、私もお嬢様に似ているのかしら…。

 自分を見直そう(泣)

 人の陰口は言わない様にしなければ…。

 おや!?では、ここまで書いて来た話はどうなるのか(笑)

 これだけいろいろ書いてしまったからやっぱり似ているのか。

 これを機会に自分を正そうか。

 性格改善計画開始かな…。


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