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ひとびと  作者: はちみつ
はちみつ日記
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ロウソクと自家発電

 今年も、もうすぐキャンドルナイトの日がやって来るのだそうだ。

 キャンドルと言えば思い出す、小学生の頃の話。


 私の幼い兄弟が、不思議な置物を持って帰ってきた。

 大きさは、正露丸の瓶と同じくらい。紫色の塊だった。形は、男の子が屈んで歯を食いしばるような表情をしていた。尻の部分にはロウソクの紐の様なものがついていた。

 駄菓子屋のクジで当たったのだそうだ。

 駄菓子屋の親父曰く、このロウソクに火をつけると、面白いことが起こるからやってみろとのことだった。

 兄弟は、すぐにでも火をつけてどんなことが起こるのか試してみたい様子だった。

 しかし、小学生が火遊びをするには親の許可がいる。我が親はとても厳しかったので夏の花火以外は、火遊びなどとても許可してくれる人ではなかった。

 だが、面白いものならばどうしても見たい。兄弟で協力しあってなんとか親を説得した。

 なかなか首を縦に振ってはくれなかったのだが、どうしてもとお願いする私たちに、とうとう根負けして「夕飯と宿題が済んだらやっても良い」と許可が下りた。

 夕食を急いで食べ、宿題をさっさと済ませた。

 兄弟が親に紫色の男の子を見せ、尻の紐に火をつけると面白いことが起こると説明をした。

 親は、本当はやりたくないのだが渋々といった表情で、巨大な灰皿を用意して、尻の紐に火をつけた。

 すると、ものすごい勢いで尻の紐から茶色の塊が出てきた。30秒くらい続いた。灰皿が茶色の塊でいっぱいになった。その光景は、まるで紫色の男の子が厠で用を足している姿そのものであった。

 私と兄弟は、腹を抱え大笑いした。駄菓子屋の親父が言った面白いこととは、これだったのだ。本当に面白かった。

 しかし、何事にも厳しかった我が親は、この光景がお気に召さなかった。兄弟に「下品だ。ロクでもないものを買ってきた!!」と言って雷を落した。兄弟は泣いてしまった。私も協力して説得した以上、逃げるわけにはいかない。兄弟と一緒に雷の稲光の元に正座をし説教を受けた。


 毎年キャンドルナイトと聞くと、あの紫色の男の子と兄弟とともに稲光を直撃で受けた我が家のキャンドルナイトを思い出す。非常に苦い思い出である。

 しかし、あの稲光を逐電しておけば、半日分くらいの我が家の電気量は賄えるのではないかと思う。

 頭の良い方、世の中に溢れている稲光を逐電する装置を開発して頂けたら、少しはエコな社会になるのではないだろうか。

 早急に開発して頂ける様にと願う。

 

 あの紫の塊は本当にロウソクだったのだろうか。実は花火だったのだろうか?それとも、私がしらぬ別のものだったのだろうか?

当時は、駄菓子屋の親父のロウソクという言葉を信用してしまったが、今でも真相を確かめてみたいと思う。


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