ヲタクちゃん
アニメ好きな知り合いがいた。
ご本人曰く、ヲタクではないとのこと。
「私はヲタクじゃないから!!」と完全否定していた。
ヲタクでいることに引け目があったのかも知れない。好きな物を否定しなければならないのは、ちょっと可哀そうだった。
でも、休日には自分で描いた絵を持って展示即売会に行くのが楽しみなのだそうだ。ちょっとだけ見せてもらったら、素人目で見てもプロ並に上手かった。
「これ、高く売れるんじゃないの?」と言ったら、うれしそうにニコニコ笑っていた。
さらに、展示即売会では、自分で作ったアニメのキャラクターの服を着るのだそうだ。
絵を描いて、自分で服を作れてしまうなんで器用だ。ある意味才能だろう。
好きなものに、才能を使えるのだからうらやましいことである。ヲタクは文化だ。自ら認めても良い気がした。
このヲタクちゃんは、アニメの以外にも、男性ボーカルグループの熱烈なファンでもあった。
コンサートに行くときには、この男性たちの髪型や服装など格好を真似て成りきっているそうだ。
ある朝、ヲタクちゃんの前髪が寝ぐせの様にぐちゃぐちゃになっていたので
「寝ぐせすごいね。寝ぐせ直し用スプレー貸してあげようか?」と言ったら、
「寝ぐせじゃないから!!」と言われた。
どうやら、前日コンサートに行ったらしく、うまく決まった前髪なのでそのまま来たらしい。
それはどうも失礼致しました(汗)
ヲタクちゃんは寝ぐせと間違えられた事に腹を立て、他の知り合いたちに「寝ぐせじゃないのに、寝ぐせと言われた」と言いまくっていた。かなりのご立腹のご様子であった。 ごめんね。気合いをいれて真似したこだわりの髪型とは知らずに…。でも、ツバメの巣の様な寝ぐせに見えてしまった。。。その魅力が分からずにごめんね。
ヲタクとは、アニメに限らず、好き過ぎてその情報を一早く掴みたい者たち。知識を深め同じ仲間たちと語り合い、集ったりと、楽しくやっている。仲間になりたいとは思わないが、そんなに一心になって好きな物に打ち込めることは、さぞかし楽しいだろうとうらやましく思う。
ヲタクは莫大な経済効果をもたらしているのだから、今後もその勢いで、自ら好きな物を否定せず、好きなだけ追い求めて頂きたい。
自らを痛いと開き直ってしまう方法もあるようだ。
私は、寝ぐせとセットしてある髪を間違わない様に気をつけよう。。。