メディアの力
地元の食事処の話
家族でやっている、こぢんまりとした食事処。
休日にちょっと買い物に出かけて、昼飯を済ませるのに調度良い店だ。
メニューは、定食屋の品が一通りある。値段は相場だ。
休日でも込み合っていることはなく、注文してさっと食事を済ませ会計する。
定員がちょっと無愛想な感じはするが、お一人様の私にはその無愛想な感じがプライバシーを守ってくれている様で心地良かった。
味もなかなかイケている。何を注文してもハズレることはなかった。
ある日、この店のある商店街がテレビで放送された。
商店街だから、番組のポイントは食の店だった。
あの店も「うまい評判の店」の一店舗として紹介されていた。
放送後の週末、買い物をしていつもの様に食事を済ませようと、あの店に行った。
行列ができていた。
今までこんなことはなかったのに、テレビの影響だろうか。
よく見ると、テレビで放送された他の店もみんな行列だ。
いつもは閑散としている街が、込み合っている
駐車場に県外ナンバーの車が沢山あった。
それでも、この店の料理が食べたくて、昼時を避ければ行列も解消するだろうと思い別の用事を済ませて出直すことにした。
15:00過ぎに改めて行ってみた。
行列は解消していない。
諦めて、近くのファミレスで食事を済ませることにした。
お一人様のファミレス。都会ではなんてことないのだろうが、田舎では未だに「お一人ですか」と怪訝そうな表情を隠した営業スマイルをされる。
少し居心地が悪い。さっさと注文した料理をかき込みファミレスを後にした。
あの店が恋しくなった。
テレビの影響はいつまで続くのだろうか。
味はなかなかだったから、このままリピーターが増えて込み合ってしまうのかな。
気軽にいける好きな店だったのだが、暫くは行けないと思うと余計に行きたくなる。
店のためには行列ができた方が良いのだろうが、あの静かでちょっと無愛想な心地良い雰囲気はなくなってしまったのだろうか…。
かなり寂しいが、行列が解消されて、落ち着いて食事に行ける事を祈って、暫く待とう。




