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ひとびと  作者: はちみつ
はちみつ日記
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14/100

棒をふりふりチーパッパ

小学生の時の教師の話。

 この教師は男性だ。

 教師のお気に入りの棒があり、授業中は肌身離さず持っていた。

 長さは1mくらいだったと思う。

 教師は、棒をいろいろな事に使った。

 社会の授業では、歴史上の登場人物の真似に使い、戦の説明では刀に見立て、反対運動ではデモ隊の先頭の武器として使い、棒のお陰で臨場感あふれる授業になった。

 だが、一番使用頻度が高かったのは、児童を威嚇することや教師の怒りの発散だった。

 教師の気に入らない事があれば、机を思い切り叩く。

 教室中に、机と棒がぶつかりあった独特の鋭い音が鳴り響く。

 叩いた衝撃音と教師の怒りに驚き、泣きだす児童もいた。

 さらに、教師はもう一度叩く。教師はなぜか2度机を叩いた。

 

 この教師は「体罰は愛情だから、必要だ」と言っていた。

 実際、本当に殴ることはなかったが、殴るふりは何度もやった。やられた児童はその度に泣いていた。

 当時は、本当に殴ったり、叩く教師もいたから、ふりだけでは体罰にならない、児童を恐がらせるだけだと思っていたのだろう。

 でも、ふりと叩くことの心に受ける痛みは同じである。体の痛みを感じないだけだ。

 だから、ふりでも立派な体罰である。体罰は愛情ではない。犯罪である。

 体罰教師は、その後も体罰を続けていた。棒叩きも相変わらず行なわれた。


 小学校を卒業してから、20年以上過ぎた。

 つい先日、あの教師を見かけた。

 様子がおかしかった。挨拶するのを遠慮してしまう程、痩せて青白い顔だった。

 棒を振り回していた頃の恐い面影が殆ど消えていた。

 後に聞いた話しによると、メンタル面が病んでしまったそうだ。


 そういえば、この教師は「人を殴ると殴った方も同じくらい傷つく」と言っていた。

 だから、机を叩いたり、殴るふりをしたことが心の傷になって、メンタル面に出たのだろう。相当な回数の体罰を行なっただから、きっと心の傷も重傷に違いない。

 良い病院や医師が見つかって快方に向かう事をお祈りしよう…とは思わない。

 自分で起こした行為の結果だから、自力でなんとかして頂こう。

 チーチーパッパ チーパッパ 私のガッコの先生は棒をふりふりチーパッパ。

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