いじわるマーメイド
学生時代の同級生に色白美人がいた。髪の色が天然の茶色で、まるで外国のお人形さん。
夏の暑い日に、斜め座りしている様は人魚姫の様でもあった。なんとも美しい。
美人は我がままだと聞くが、我がままでも美しさ故許されてしまう…なんともうらやましい限りだ。
しかし、美人にはいじめっ子も多いのだろうか…。
そう。この色白美人は、とんでもないいじめっ子だったのだ!!
ターゲットを決めて、仲間の一人に意地悪をする。
本人は、いじめをしていると言う意識はない。ゲームなのだ。誰かを仲間はずれにして、笑いものにし、悲しんだり泣いている様を見て楽しんでいる。飽きると別のターゲットに移るのだ。
そして、美人のいじめの一番の特徴は、徹底的にはいじめない。いじめ過ぎて自分から離れて行かない様にする。離れそうになったら、とても優しく一番の親友くらいに仲良く接するのだ。
なぜなら、離れてしまったら、次のターゲットに飽きたときにいじめられないからだ。なんともずる賢く意地汚い。
私は、この美人のターゲットになったときに、元来お一人様の性分なので一人でいる事を楽しんだ。
だから、美人の目的の楽しみが果たせなかったのか、次からターゲットにされることはなかった。良い機会だったので、仲間から外れた。
美人であるが故に、作り出された性格なのか、生まれ育った環境が許してしまった性格なのか。どちらにしても迷惑な人である。
歳を重ねると内面の美しさが外見に出てくると言う。この美人がどのように歳をとって行くのかちょっと見てみたいものだ。
だが、せっかく仲間から抜けたのだから、今後の平穏な生活のために関わり合いになるのはやめておこうと思う。