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停止  作者: 田中
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1話

その日世界は進むことをやめた。

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やあ、俺は鈴木 太郎。訳あって殺し屋をやっている。

…ああ、殺し屋と言っても映画なんかで出てけるような拳銃をバンバン打ったり、ほんのちょっとでも吸えば死ぬような凶悪な化学兵器を使ったり、自分の拳が武器とかそんな強靭な肉体を持っている訳じゃない。


じゃあ、お前は何を使うのか?そう思っているかもしれない。まだこの世界の設定を知らない君たちにはちょっとずるい回答かもしれないな。


正解は超能力だ。この世界は…まあ、超能力を持っていても不思議じゃない世界なんだ。まあ、この世界についての詳しい説明は後々していくから今はその事だけ覚えておいてくれ。


さて、話の続きだ。俺の超能力についてだ。俺は時間を止めることができる。特別なことはしなくていい。ただ「時間よ止まれー」って思うだけで気がついたら止まっている。停止時間は基本的に限界はなく、俺が「時間や進めー」って思えば時間は停止をやめる。俺以外の者は動くことができないし能力を使用した際の負荷なんかの制限もない。自分で言うのもなんだがこの世界では最強の能力だった。


そんな超すごい能力、略して超能力を持っていたからか、ある日俺にスカウトが来た。もちろん殺しのだ。殺しなんて当然初めてだし今後もするつもりがから当然断るつもりだった…だったのだが、殺し屋として働くことに俺は快く承諾してしまった。


…いや、そんな汚物を見るような目で見ないでくれ。億なんて額を見せられてしまったのだ。しかもそれが前金でほんの数%の額だと言うのだ。こんなの引き受けるしかないだろう。


そんなこんなで俺は殺し屋になった。仕事は単純な者だった。超能力を悪用している者…まあ犯罪をしている者を殺すと言う仕事だった。


更生の余地とかないのか…と俺も最初は思った。だが蓋を開ければとんでもないクズの集まりだった。


殺人に快楽を覚えているやつだったり、そもそも殺すことを悪いと思っていない奴だったり、殺した数が4桁を超えるようなとても全年齢のサイトじゃ載せられないような内容の事をしでかす文字通り桁違いの奴らばかりだった。


頭のネジが一本どころではない十本くらい捩じ切れてる奴らばかりなので更生何て綺麗事じゃ解決できないと身にしみてわかった。


まあ、そんなこんなでクズを殺す事に躊躇が無くなった俺は記念すべき…ではないか100回目のターゲットをいつも通り殺した時の話だった。


…いや殺す話だ。


ターゲットは貝塚 (かいづかまさる)


貝塚の能力は…面倒くさくて調べていない。時間を停止させて毒を飲ませる作業になっていたので面倒くさかったのだ。どうせ苦労なく勝てるので、20回あたりからいちいち調べなくなってしまっていた。


いやはや慣れというのは怖い。


時間を停止させ貝塚に毒薬を飲ませるまでは良かった。いつも通り仕事が終わり時間を進め毒がまわるのをまつ。そのはずだった。


「…よし、時よ進めー」


だが秒針の針は進まない。言い間違いか?と思いもう一度唱えてみる。


「…あれ、時より進めー」


だが何も状況は変化しない。何も変わらず停止し続けている。


「…時よ進めっ!すすめ!進め!すすめぇ!進めっェ

ェェェェェェェ!!!!!!!!…………」


何回も何回も、大きく力強くどんな風に言っても何も状況は変わらない。時計を見ても秒針がカチッ…カチッっとなる事はない。


鳥のせせらぎも道路を走る車の騒音も何も動かない無機質で違和感だらけの世界のままだ。


「………………」


少し経って冷静になって俺は気づいた。その日世界は活動を停止したのだと。


























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