表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

探せ!ハレルヤ

ある所におっちょこちょいだけど明るくお喋りが大好きなモンスターが居ました。彼の名はハレルヤ。シャイニーシティで暮らしており、チーム「ソーラーソウル」に所属している自称「太陽の子」です。


「お祈りは済ませたし、オヤツも持った。今日も笑顔はピカピカ!さて!タイチョーに呼ばれてるし、行こうっと!」


今日は何やらチームの隊長に呼ばれて、出発の支度を終えた様子。扉を開けて部屋を出たハレルヤは、ザッザッと砂岩の道を進んでいく。


「来てくれたか、ハレルヤ。」


「タイチョー!要件ってなあに?」


不思議そうにハレルヤが聞くと、隊長はふふふ…と笑いながら答えた。


「お前宛に依頼が来たんだ。ほら。」


「ボク宛に依頼?なんだろう?」


隊長から依頼書を受け取ると、ハレルヤは読み始めた。


「えーと…何々?」


[指名:ハレルヤ]

依頼内容:失せ物探し

・タイトの森で落とした指輪を探してほしい!

依頼主:ももどき


「ボク宛の依頼は久々!落とし物を探すんだね?すぐに行ってくるよタイチョー!」


「気をつけて行けよ!いつも通りソーラーシップに乗るんだぞ!」


隊長の言葉に頷き、ハレルヤは走って建物から出ていった。


しばらくしてソーラーシップの発着場に着いたハレルヤは、船員らに挨拶をし、ソーラーシップに乗り込んだ。


「ハレルヤか。今日は依頼が来たって訳だな?」


「そうなんだよ。ボクを指名した依頼!落とし物をタイトの森まで探しに行くんだ〜」


「なるほどなぁ。じゃあ出発するぜ!」


ハレルヤを乗せたソーラーシップは動き出し、凄い勢いで緑の生い茂る森へ飛んでいった。


数十分後にタイトの森へ到着し、ハレルヤはソーラーシップから降りると、船員らにお礼を行ってから森の中へ進んでいった。


「んー…もう少し奥の方にありそうだね。このままどんどん進んでいこうっと!」


しばらく森の中を進んでいると、地面に指輪が落ちていた。


「あ!これで間違いなさそう!依頼書に付属していた写真と同じ指輪!」


指輪を拾おうとすると、後ろから怒鳴り声が聞こえてきた。


「なんだお前は!ここはオレの縄張りだぞ!」


後ろを振り向くと、そこに居たのは乱暴なモンスターの「オーガン」だった。


「あーごめんね。ここに指輪を落とした人が居るから、それの回収に来ただけなんだよ。これ拾ったらすぐ帰るから許してね。」


「何をバカな事を言っている!オレの縄張りにあるモノはぜ〜んぶオレのものだ!オレのものを奪うヤツはくたばれ!」


オーガンはそう言うとハレルヤに殴りかかってきた。


「わわーっ!争い事は好きじゃないんだけどなー!?」


「うるせぇ!さっさとくたばってしまえ!」


オーガンのパンチをサッと躱しながら逃げるハレルヤ。しかし突然立ち止まり、オーガンの方を向くと顔を思いっきり光らせた。


「ギャアッ!目が!目が見えない〜!」


突然の強い光をもろに浴びて目を開けられる者は居ない。ハレルヤは隙を突いて走り出し、オーガンから距離を離していった。


ハレルヤはソーラーシップのある所に到着し、船員達に依頼を達成した事を伝えると、ソーラーシップに乗り込もうとした。


「逃さねぇぞ…」


後ろを振り向くと、怒り心頭のオーガンがすぐそこまで来ていた!


「お前を殴り飛ばしてその指輪はいただくぞ…!」


「しつこいなぁ…これは、ももどきの落とし物!縄張りにあったからって、自分のものにしたらダメだよ!」


ハレルヤの正論にカチンと来たのか、オーガンはハレルヤに襲い掛かった!


「ハレルヤ!乗れ!」


船員の言葉に頷き、ハレルヤは素早くソーラーシップに飛び乗り、ソーラーシップはすぐさま動き出した。


「待てぇ!いつか必ずくたばらせてやるからなぁ!」


大声で叫ぶオーガンをよそに、飛び立ったソーラーシップの中で、ハレルヤは冷や汗をかいていた。


「まさか野良のオーガンの縄張りに指輪が落ちてるとは思わなかったなー…」


その言葉を聞いた船員はしばらく何か考え、口を開いた。


「とりあえずこの事は隊長さんに報告しておいた方がいいと思いますよ。」


「そうだね。とりあえずタイチョーに依頼とこの事を報告だー!」


ソーラーシップはシャイニーシティへ向けて飛んでいった。


数十分後、隊長の元へ戻ってきたハレルヤは野良のオーガンに襲われた事を話した。


「報告ありがとうハレルヤ。…実はね、このオーガンは最近チーム(ソーラーソウル)でも話題になっているんだ。民間人や旅人が襲われて、討伐対象になっているオーガンが居るとね…。」


「討伐対象かぁ…。」


ハレルヤは少し悩み、とりあえず依頼された指輪を依頼主に渡しに行く事にした。それを聞いた隊長も頷いた。


「きっと依頼主のももどきさんも喜んでくれるよ。いってきなさい。」


「はーい!いってきますタイチョー!」


しばらくして、ももどきの家を訪ねたハレルヤは、ももどきに指輪を渡した。


「ありが(とう)…ももどき嬉しい。」


ももどきは指名依頼をこなしてくれたハレルヤに感謝の言葉を伝え、ハレルヤを見送った。


その後、隊長からオーガンの討伐はこちらでしておくから、ハレルヤは依頼が来るまで自由に過ごすようにと伝えられた。


「うーん…あのオーガンは悪い事をしてるけど、討伐するってのも可哀想なんだよなぁ…」


ハレルヤは考えながら自分の部屋へ戻り、ハンモックに飛び乗った。


「疲れたし、今日はぐっすり寝るとしようっと!」


ハレルヤはそう言うと、すやすやと寝息を立てて眠りこけた。


一方その頃、隊長は頭を抱えながら書類を整理していた。


「野良モンスターが最近凶暴化している…このままでは…」


何か嫌な予感を感じている隊長をよそに、ハレルヤはぐっすりと眠っていた。

今回の小説の主人公「ハレルヤ」は葉篭はるばるさんの応募したキャラクターです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ