その後の話
そして、これが今の俺達だ。
「じゃあ、診察に行ってくるね」
「気をつけてね。行ってらっしゃい」
芽衣子は、街で働いている看護師だ。
今日は、昼から出勤で出掛けて行った。
『にゃあ』
「ご飯だなオッケー」
俺は、虎太丸にご飯をあげる為に20キロのエサ袋を開ける。
「芽衣子がいなくなったから出てきていいよ」
『『『にゃあ、にゃあ、にゃあ』』』
「つうか、前から思ってたんだけどよ!一族住ますって約束したけど、飯ぐらい自分で用意しろよ。何だよ、この数」
『ふざけるな!隣人からの慰謝料で何とかなるだろう。それに、向こうから金貨を持ってきている』
「はぁーー?そんなんじゃ追い付かないんだよ!わかる!何匹かわかる?」
『たった、20万ぽっち。全盛期に比べたらたいした事ないだろう』
「はぁーー!全盛期っていつだよ?人間に残飯もらってた時期か?キャットフードが糞高いのに、まずいとかもっとランクあげろとかふざけてんのか?虎太丸」
『ふざけてるのはお前だ!勝手に、虎太丸などと名をつけて、あのおばさんの前で呼びやがって』
「おばさんって何だよ!ふざけんなよ」
こうして俺は、20万匹の猫を育てる事になった。
トイレをしないのがせめてもの救いだ。
ただ、こいつらは死猫。
飯を食ったら仕事に出かける。
帰ってくるのは、明け方だ。
飼っているけれど、俺が傲慢で自己中心的な人間になったら容赦なくプロパテュースを呼ばれるのはわかっている。
だから、俺は今日も世界や周囲の事を考えて生きている。
そこの君も傲慢や自己中心的な人間にならないように気をつけて。
死猫はいつも君達を監視している。
そして、どこからともなく今日も……。
『プロパテュース、飯の時間だ』
最後まで、読んでいただきありがとうございます。
家にいる猫からヒントを受けて書きました。
色んな事がある世の中。
色んなものを抱えているけれど、誰にも言えない人、言っても何もできないと言われた人。
色々な事があると思います。
本当に死猫がいたら、あいつを食べさせて欲しい。そう思いながら書き上げました。
皆さんにも、一人や二人そんな人物がいるのではないでしょうか?