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長編小説のSS雑多置き場  作者: 糸のいと
■潜入騎士の『愛してる』には裏がある
4/10

潜入騎士 86話おまけSS【ここからここまでキスをして】

端的に言うと、丸出し事件の当日夜です。

86話↓

https://ncode.syosetu.com/n3358ii/86/



 夜。レヴェイユを一人にできない関係上、新しいホテルでも、同室になってしまった二人。ちなみに、ツインルームだ。


「じゃ、お疲れさん。おやすみー」

「おやすみ~……しません!」

「なんだよ。今日は、殴りすぎたから眠いんだけど」


 人を殴っておねむのクロルくん。


「今日は、その、しないのかなぁって~」

「しません。おやすみー」

「ぇえ!? ここのところ毎日してたのに~」

「毎日じゃねぇし、語弊しかない。大体、シてたんじゃなくて、されてただけだろが(こっちの身にもなれや)」

「むー?」

「……俺はブロンブロックが憎い。する側を担うという発想が一切ないなんて、本当に悔やまれる」

「?」


 ゲスい。


 するとレヴェイユは、もそもそとベッドを抜け出し、こそこそとクロルのベッドに忍び込む。


「おい、ハウスだ、ハウス」

「私のハウスはいつもココ~」


 レヴェイユは「ふふっ」と笑いながら、勝手に腕を動かして腕枕を作製。力が強い。ごろんと寝転がってハウスした。


「ん~、クロルだいすき」

「狭い。暑い。あっちいけよ」

「ヤダ。ご褒美が欲しい」

「お前……性欲強すぎじゃね? 無理、今日は疲れた」


 レスの夫婦みたいな会話だな。


「……やだ。今日がいい。絶対、今日。ご褒美くれなかったら、明日からのんびりソワールに逆戻りしそう~」

「普段からのんびりじゃん」

「それ以上にのんびりよ。なめくじレベル」

「なめくじソワール……それはマジで勘弁してほしい」


 やけに食い下がるな、と思った。でも、彼女の髪が一部分だけ短いのを見て、「あぁ」と納得がいった。


「はいはい。じゃあ、ご褒美な」


 ぽふんと彼女を枕に沈めて、足下に置いていたランタンをベッドに近付けた。


「やだ、明るい」

「満遍なく埋めたいから、灯りが必要。で、触られたのは、左? 右?」

「えっと、右のここから、ここまで」

「は!? ここ!? ……へー? ふーん? そっかー、ここからここまでかー。へー……」


 『あの変態野郎。もう十発殴っておけば良かった』と思うくらいには、ここがココだった。


「俄然、やる気出た」


 そうして、三分どころか六十分。「だいすきぃ」と呟きながら寝てしまった彼女の、『右のここから、ここまで』は、キスマークで埋まっていた。


「はいはい。おやすみ、レーヴェ」


 ろうそくの火を消して、今日も同じベッドに沈んで眠った。



 

おまけのおまけ


「あっつ! 狭っ!」

「暑いぃ~。へろへろ」


 クロルとレヴェイユは朝起きて、同時に言った。


「「ダブルルームにしない?」」


 結局、大きいベッドの部屋に変更してもらった。トリズが「だから言ったのに~」と、にやにやしてた。








案外、やきもちを妬く美形

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