↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ほ~むらん☆倶楽部  作者: 機関車上田
シュアなバッティングの章
16/37

「………………ハァ」「王乃さん?」

「………………ハァ」

「王乃さん?」

「すみません、帰ります。日本人なのに信じられんと思うでしょうが、あたし野球キライなんです」

「――!」

「好意で草野球に呼んでくれたのはわかりますが……すみません」

 歩き出そうとすると、道に飛び出したエゾシカのごとく円佳が前をふさぐ。

「待って」

「円佳さん……?」

 バットを持ち、今までにない凛とした顔。

「言葉では引き留めません。これを見てください」

「なんですか……」

 円佳が左打者の構えをした。

 薫は驚愕する。

「!? その構えは――」

 自然な感じで立ち、ややクローズドスタンス(左打者の場合、右足をホームベース寄りに置くこと)にして、左耳のあたりで持ったバットを後ろに四十五度くらい傾けている。

 ま、まるでこれは、

「アキレス腱を断裂しても長打にこだわりつづけて通算歴代三位の五六七本塁打、一九八八年には四〇歳でホームラン・打点の二冠を取った〈不惑の大砲〉、惜しくも二〇二三年に亡くなった門川博実(かどかわひろみ)の構えじゃないですか……!?」

 日本の学校ならどこでも、雨が降れば体育の授業は視聴覚室でかつての大野球選手の映像を見る時間になる。薫がそのときに見て戦慄した怪物バッター門川博実と、いま目の前にいる心堂円佳は、まるでコピペのように一致していた!

 バットを振るとまたすごかった。高く上げた右足が地面につくやいなや爆発的スイング! 門川の伝説のスイングスピードはバットがボールをかすめると摩擦で焦げたにおいがしたといい、さすがにその域ではない円佳だが、身長一五〇センチ台前半のやまとなでしこがこんなに強く振れるなんて! そんな女子を薫は他に一人しか知らなかった。

「あなたは一体……!?」

「『ほ~むらん☆倶楽部(クラブ)』です!」

「ほ~むらん倶楽部?」

「あいだに☆(しろいほし)入れるの忘れないで」

「あ、はい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。