表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ほ~むらん☆倶楽部  作者: 姉村一男
隠し球の章
13/37

見まわすと、雑草まじりの土のグラウンドが広がっていて

 見まわすと、雑草まじりの土のグラウンドが広がっていて、

「ここは多摩川の河川敷どす」

「……!!」

 薫は身震いした。多摩川といえば野球だ。

 関東有数のこの川の両岸は公営の野球場が数千面あり、少年野球、クラブチーム、一般の草野球が毎日使い、週末になれば応援も含めて二十万人がつめかける。薫も中学時代はここで練習した。昭和のころはさらにプロ野球の夜見百合(よみゆり)ジャイアンツ、採用ホエールズ、吉報HAMファイターズが練習場を置いていて毎日がテーマパークのようだったという。

 けれどこの一角はバックネットもマウンドもない。

 左右が一〇〇メートル、奥行きが七〇メートルくらいの、四角いフィールドに見える。

 白塗りが剥げかかっている四角い鉄枠(幅七メートル、高さ二.五メートルくらい)が向かい合うように敷地の左右に置かれていて、見ているとなんとなく白黒のボールをそこに蹴りこんで得点王を目指したくなってくる。つまり……

「ここって……昔のサッカーグラウンド?」

「そうどす」

 漢字で「削靴」と書くサッカーは、平安時代に貴族の蹴鞠から派生し、渡離振(ドリブル)蹴戸(シュウト)などにより東西の護居(ゴヲル)をめざす競技だ。靴底に鉄のトゲをつけたスパイクシューズが「土を削る靴」削靴(サックヮ)と呼ばれてスポーツ全体の名前になり、歴史上、何度かブームになった。

 最後のブームは平成初期、プロサッカーリーグができて野球の人気を奪うかと思われた。

 だが一九九三年、日本代表チームが意外な逆転負けをするという「悲劇」があって一気にファンが離れた。

 そのころ作られた古いグラウンドが日本全国でここだけに残っているのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ