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追放された聖女のその後

作者: 山田 勝

https://ncode.syosetu.com/n5721hx/の「聖女を追放した国のその後」の対になる作品です。


この話でも通じるように書きましたが、もし、宜しければお読み頂ければ嬉しいです。

「はん。お前は世界の不幸を一身に背負っているのか?もう、いい。婚約破棄だ。聖女の職を辞任しろ。王城から出て行け!」


「殿下、この国は私の結界で守られています。私の結界がないと魔族が押し寄せてきます国が崩壊しますわ」


「ええ、新しい聖女はおるわ。侯爵令嬢のエリザベートだ。彼女を次の婚約者の内定がきまっておる」


 私はモニカ、聖女であるから、この国の王太子の婚約者に指名された。

 私には秘密があって、私はこの国に結界を張って魔族が侵入できないようにしていたのよ。


 それに私は転生者、前世の記憶がある。こんな国なんて出て行っても困らないわ。


 私の言っていることを信じない王太子なんて、こちらから願い下げよ。


 私が結界を張らなくなったら、すぐにこの国は崩壊する。

 急いで逃げなければ、



 案の上、魔物達が国に押し寄せた。


 ドドドッドドドドッド

「いやーーー魔イノシシの大群が来た!」

「こっちは目つきの悪い角の生えた兎がレタス畑を荒らしているぞ!」



 国は阿鼻叫喚、長いこと、魔物を見たことのないこの国の人々は慌てふためいた。


「フフフ、いい気味」


「おや、お嬢さん。この森で迷っているのですか?私はあの馬鹿王子が、ゴホン、失礼、あの国の王太子が追い出した聖女を探しているのですが、おや、その手の甲の紋章は、真の聖女様ですね。是非、我国においで下さい!」


「ええ、まあ、いいわ(ポッ)」


 森で声を掛けた貴公子は、王子様だったのよ。

 王宮に招かれた私はのびのびと異世界の知識を生かして、発明もしたわ。


「な、なんと、眼鏡にツルを付けることとを思いつくとは、素晴らしい!」


 この国の眼鏡はドイツ人の偉そうなおじいさんがつけるようなレンズだけだったので、前世の眼鏡のあり方を教えたら、喜ばれたわ。


「これはウメといって干すといいのよ」


「何と、すっぱい。疲れたときに丁度いい」

「すごい、素晴らしい聖女様」


 ワッショイワッショイと、まるで、私の生まれた村の大根を持って踊るお祭りのように、私の人生は華やかさを彩った。



 ☆☆☆10年後


 私はこの国の王子様と結婚し、王妃にまでになった。だけど、満ち足りない。何かが足りない。


「どうしたんだい。ハニー、浮かない顔をして、悩みがあったら、僕に話してごらん」


「どうして、あの馬鹿王子は、落ちぶれた姿で、現れて、戻って来てくれと言わないのよ!私は今更もう遅い!と言うはずだったのに、ウエエエンエエン」


 私は夫の胸の中に飛び込んだ。


 そして、夫は、あの国のその後のことを、いろいろ教えてくれた。


「何ですって、あの馬鹿王子のいた国が、魔害獣の食肉一大産出国になっただと、それに、私の結界が無くなったおかげで、魔族の使節団が来訪、交易が始まる。角娘が一代ブームだと。国は小さくなったが、国力は前よりも高いかもしれないだと!舐めてんのかボケ」


「私の結界がないと魔族が押し寄せてきます」と言ったけど、交易で押寄せて来て、ウハウハになったのかよと私は悔しがる。


 しかも、

 私の代わりに聖女の地位を奪ったエリザベートが、魔族系の種族と仲良く会談、エリザベート様くらいの聖女様がちょうどいい。後は聖魔法が強すぎて気後れするだと、


 ウムム、しかも国民に人気、魔害獣と戦った王妃様と画家や吟遊詩人に大人気だと、チキショウメ!



「ハニー、どうしたんだい。僕はいればあの馬鹿王子改め馬鹿王の統治する国はどうだっていいじゃないか」


「キャ、あなた、そうよね」


 そう、幸せは、人それぞれだ。誰かと比べて、幸か不幸か決めるなんて、愚かしいことね。



 ☆☆☆更に20年後


 私が国を出てから30年たったある日のこと。


「母上、僕は聖女との婚約は嫌です。陰気くさくて、世界の不幸を全部背負っているつもりの頭がおかしい女です。よって、卒業パーティで、断罪し、追放しました。代わりに、こ・・・え、母上、どうして、僕の後ろに回って、きっちりホールドするの?ねえ、何で母上は腰を落しているの?母上、落ち着いて下さい」


「おりゃあああああーーーーーーーーー」


 私は息子に前世の記憶にあった。ジャーマンスープレックスなる技を掛けた。


「もう、いいんじゃ、ボケ、そうゆうのはもういいの!ウエエエエエン!」


 私の魂の叫びは王城に木霊した。


最後までお読み頂き有難うございました。

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