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浪人生の青春
「うっ、噓だ....」
俺こと篠田陽は18歳となったその日、京都大学に落ちた。
一か月後
桜が満開を迎え新入生が大学に迎い入れられる中、俺は駿英予備学校池袋校へと迎い入れられた。
リクルートスーツを身に着け、満面の笑みを浮かべる女学生2人を見ながら列車に揺られ池袋駅に到し、気分を落しそうなるも「もう落ちたんだ!これから頑張ればいいんだ!」と切り替え、顔を上げる。警備員さんの爽やかな挨拶に会釈で応え、校舎に勢いよく入る。荒ぶる息を抑えて階段をあがり、教室の前に立つ。
「落ち着け、昨日考えてきただろ。とにかく第一印象が大事だ。とりあえず隣の席のやつに挨拶をするんだ。」
気持ちを整え、勢いよく扉を開け、栄光への一歩を踏み出し、席に着く。
「一年間、よろしく!」
そう明朗快活に言った刹那、気づく。隣のやつが明らかに堅気の風貌でないことに。