聴き込み
某都市の中心部を少し外れたとこに荒くれ者達が集まる街がある。
いつも悲鳴と喧嘩の掛け声が聞こえ常識ある者は誰一人として近づく事は無い、そんな街に依頼を受け潜入する男女がいた。
「ねぇ、本当にこの街なの?絶対にハメられてるって」
男性の腕にしがみつき周りに怯えながら、2人は街には入る。
「どんな理由があろうと依頼を受けた以上行くしかないだろ」
「あんたがお金欲しさで依頼内容詳しく聞く前に受けるのが悪いんじゃない」
「あん時はお前も賛成してただろうが今になって」
「おうおう、ここらじゃ見ない顔だな」
柄の悪い男が詰め寄る。
男は態度を変え真剣な顔をして柄の悪い男に質問する。
「すまない、少し人捜しをしていて、この佐藤 香槻と言う男性を探しているのだが」
写真を見せる。
柄の悪い男は少しほくそ笑み、周りの男と目を合わせ指示を出す。
「ここらじゃ見たことないな」
「そうか他を当たるとすか、すまないな手間をかけた」
2人は後ろを向き去ろうとすると肩をつかまれる。
「おっと、手伝ってやったのに何もなしかよ」
「はぁ、手伝い?何か情報をくれたり、探しすのを手伝うならまだしも、自分の記憶をたより何も役に立てないやつが何を言いてるんだ?」
「まぁまぁ、そんなこと言わないでくださいよ」
男はニヤリと笑うと男の仲間が二人を囲うように広がり、手に武器を持つ。
「何のつもりだ」
「俺はただ手伝いした報酬が欲しいだけなんだけど、どこぞのカップルさんはココのルールもわからずに来て、手伝いをたのんだのかな~?」
「めんどくさい奴らだ、いくら欲しい?」
「いや、こんなことで俺達はお金は要らねぇ、ただ少しお隣のお嬢さんを俺達に貸してくれればいいんだよ」
男が手に持つバットを振り上げる。
「面倒な奴だ」
隣の女性が前に出て、回し蹴りで男の顔を吹き飛ばす。
「何が起きた?」
男の仲間たちは一瞬の出来事に状況を把握するまでに少し時間がかかる。
「お前、俺の仲間に何をした!」
「何って、ただ蹴り飛ばしただけですけど」
何かおかしい事しました?と顔を変える。
「お前ただの女じゃないな、全員でやっちまえ!」
「おいおい、レディー一人にこんな大人数で寄ってたかって、発情期だとしても程々にしてもらってもいいかな?」
今度は男性が前に出て複数人の男たちを一人一人殴り蹴り飛ばす。先ほどほかの者たちに命令していた男以外は全員、気絶して道に倒れる。
男は腰を抜かし立てなくなっていた。
「お前ら、何者だ俺らに手を出してただで済むと思ってるのか?!」
「はぁ、いかにも小物って感じの回答だな、まぁいいお前の持ってる情報すべて吐いてもらえるか な?」
「死んでも吐くもんか」
呆れた顔で、ため息をつく。
「綾ちゃん、ここは私に任せて」
女性が男性の肩に手を置き前に出る。
「綾ちゃんが優しくしてる間に情報をはけばいいのに、まずは手出して」
女性は笑顔で男に手を見せるように指示すると、男は拒否をするが、無理やり手を掴む。
「うん、指はちゃんと五本あるね、それじゃあ始めるね」
笑顔で言葉の最後とともに相手の指を一本ずつ折っていく。
五本全部折り終えると、ナイフを取り出す。
「次は関節一つずつ落としてくね」
「まってくれ、情報全部言うからやめてくれ」
男の悲痛な叫びは、女性には届かなかった。
ナイフを振り上げ一つ一つ関節から切り落としてく。
親指から中指の上から二個目の関節を切り落として次に行こうとしたとき
「雪、もうやめろ」
綾の言葉が止まる。
「なんで、まだ片手残ってるよ」
「そいつ、失禁してるぞ」
「うそ」と呟き絶望した目で確認して急いで男から離れる。
「なんで、もっと早く教えてくれなかったの」
「いやお前が夢中で気がつかなかっただけだろ、それに俺は他の奴らから情報もらってたし」
頬を膨らませ可愛く、綾に怒る。
「まぁいいや、この服汚れたし、新しいのにしよ」
勢いよく服を脱ぎ捨てる。
脱いだ体には、新たな服が装着されていた
「どこに着替えを隠し持っていたんだよ」
「それは企業秘密」
同じ会社だろとツッコミを入れる。
「情報聞けたなら早く行こう、ここの奴ら汚くて早く帰りたよぉ」
「さっきの奴から佐藤 香槻の情報は手に入ったから、ここから遠くないからすぐ終わるさ」
綾と雪は先に進む。