表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
南興の赤星  作者: KKKI
第一章
8/63

第一章 第五話

 夏休みに入り、沙織は芽美とこのみの三人で、お忍びで東京へと旅立った(このみは帰省目的)。

 三人が出発した夕方、大統領本邸では、子供たちの楽しい声が聞こえていた。

「こうして、家族団欒できるのは久しぶりだなあ。沙織が居ないのは珍しいが」

「確かに。俺がしくじって以来、こうして集まってなかったな」

正興とその長男:正顕が話していた。

「まぁ、あの頃に比べたら、今の方が悠々自適に暮らせて楽しいけど(笑)」

「全く、お前というやつは自由人過ぎるわ(苦笑)」

「子供たちのお世話をして、妻のみならず愛人たちとも暮らせて、こんな幸せなことはない」

「(大きな溜息)」

「おいおい親父、そんなクソデカ溜息つかなくてもいいだろ?一応頼まれた仕事はちゃんとやってるわけだし」

「まぁ、それはそうだがなぁ。くれぐれも、また悪評立てられないようにしろよ」

「分かってるって(笑)」

「(はてさて、正顕のやつは、本当に分かっているのか、甚だ疑問だな)」

先に言っておくと、正興の心配は杞憂に終わる。前回の失脚で程々懲りたのか、正顕は愛人を2人より多くすることは無く、また、妻も愛人たちも平等に愛したことで、彼女たちも不満を殆ど持たずに、これ以降も過ごすことになる。

「おじいちゃん、スイカ割って~!」

正顕の長男:正清(6歳)が、妹:麻璃亜(4歳)も連れて、正興に近づいてきた。

「よーし、久しぶりにやるかの」

そう言って正興は、目隠しをして、木刀を持って、意気揚々とスイカ割りに向かったのだった。


 一方その頃、東京に着いた沙織たちは…。

「お邪魔しまーす!」

「こんにちは~」

「パパ、ママ、ただいま~」

沙織と芽美は、森田このみの家に泊まることになっていた。

「ようこそいらっしゃい。疲れたでしょう。ささっ、2階に上がって荷物を置いてきてください」

現役農水大臣の森田正好が、家の中を案内した。

「流石、東京の高級住宅街は違うわ…」

「そうね…。何か、ちょっと幻想的かも」

「沢山ライトが付いていて、奥の方にはいっぱい高層ビルが建っていて…」

「流石に南興島でも見られないよね、こんな光景」

暫く部屋でゆっくりしていると、数人森田家に入ってきた。

「文彦さんに悠斗君、いらっしゃい!」

「おうおう、お帰り、久しぶりだろう東京は」

「はい、やっぱり落ち着きますね」

「このみ姉貴、これプレゼント」

そう言って、秋津悠斗が手提げ袋を渡してきた。彼はまだ中2ながら、身長170センチで、スタイル抜群のイケメン少年である。

「これ、欲しかった漫画!」

「ああ、どうせ南南興じゃあまり手に入らないだろうと思って」

「有難う!いくらしたの?その分払うよ?」

「いいよいいよ、これは俺の気持ち」

「そんな、悪いよ…。じゃあせめて、私が東京居る時に、お茶奢るよ」

「あ、じゃあ、お言葉に甘えて…」

「ふふっ、身長も高くてイケメンになってきたけど、可愛いね(笑)」

「な、なんだよ…(と言って、顔を赤らめる)」

そこに、沙織と芽美も1階に降りてきた。

「あら、秋津さんでしたっけ」

「そうですそうです。あの時以来ですな」

「はい、お元気そうで」

「はは。おい、悠斗。挨拶しな。この方は、南南興の楠木大統領の二の姫様だぞ」

そう言うと、沙織は少し照れた顔をした。

「は、初めまして、秋津悠斗と申します!」

「こちらこそ初めまして、楠木沙織と言います。これから宜しくお願いしますね」

「お願いします!」

これが、楠木沙織と、後に『保守党の風雲児』と呼ばれる秋津悠斗の、運命的な出会いであった。

(補足)

先に言っておきますが、沙織と悠斗が男女の関係になることはありませんが、それなりにお互いにとってなくてはならない関係になります。どうぞ、これからの展開をお楽しみください。


また、この場を借りて、秋津悠斗他諸々のキャラを派遣してくれた、とや松氏に感謝の意を表します。

「これからも共にいい作品作ろうな!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ