第三.五章 第一話
急遽、閑話を挟むことにしました
この章では、『令和日本神話』シリーズの主人公である東城洋介と秋津悠斗が主役になります
『シン・マクロス』ロスの読者の皆様も、是非楽しんでいただければ幸いです!
2017年12月23日、千葉県某所、秋津文彦邸。秋津家はクリスマスパーティーの準備をしていた。
「あれ、親父。母さんは?」
悠斗が二階の自室から降りてくる。
「ああ、なんか日教組のクリスマスパーティーが長引いてるんだと」
「家族より仕事か」
「どうやら次の組合幹部に内定しているから、顔を広げているんだろう」
「くだらね」
「わしも、色々思うところはあるんだけどな。聞く耳持たないわ」
「別れるつもりないの?」
「俺は、秋津英子個人については好きだからな」
と、少しかっこいいセリフを言ったその時、文彦の携帯が鳴った。数分間、通話した後…。
「東城さん、今日は来られないって」
「え、マジかよ」
「洋介君は来るらしいけど」
東城洋介は、秋津悠斗の高校の先輩である。
「なら良かったけど、洋介先輩のお父さん、何かあったの?」
「防衛省から呼び出しだって」
「休日なのに、何があったんだろう…」
翌日夜、呼び出しの内容を伝えに、東城幸一一等海佐本人がやってきた。
「え、南南興に!?」
「はい、防衛駐在官として、急遽赴任することになりまして」
「でも今、護衛艦やまとの艦長ですよね?」
「それが、南南興の駐在官が難病にかかってしまったようで、退官することになったんです。それで、その穴埋めで私が行くことに」
「なるほど…、なかなか大変そうですねえ」
少し、気を遣うような言い方をした文彦だったが…、
「いや、文彦さん。勘違いしないでいただきたいのですが、私は左遷だと思っていませんよ」
「まぁ、確かにここ最近、政府は南南興との関係を深めようとはしていますが…」
「自分で言うのもおこがましいですが、恐らく防衛省、というより荒垣(防衛)大臣は、エリート街道の私を駐在官にすることで、関係を強めるアピールをしようとしているのでしょう」
「なるほど」
「確か秋津さんは、楠木大統領と何度か会ったことがあるんですよね?」
「そうですよ。非常に聡明な女性です」
「まだ21歳なのに、荒垣大臣としっかり渡り合うんですから、相当な方だと思います。私も、南南興赴任を楽しみにしているんです」
「それは何より」
「それはそうと、提案がありましてね」
「はいはい」
「うちの洋介、来年から受験期じゃないですか」
「確か、防衛大学校を志望しているんでしたっけ?流石は東城さんの息子さん」
「有難う御座います。それでですね、突然ですけど明後日から南南興に連れて行きたいと思いましてね」
「おう、いいじゃないですか」
「それで、良ければ悠斗君もご一緒に、と思いまして」
「え、良いんですか!?」
「私たちの仲じゃないですか。それに、荒垣大臣から聞きましたよ、あなたが悠斗君を南南興に短期留学させたいって言っていたって」
「荒垣さん(笑) やっぱり憎めませんねえ」
「どうしますか?」
「では、お言葉に甘えて。うちの悠斗を頼みます」
「お任せください。沙織さんには、大臣から話が行くと思いますの。悠斗君にとっても、実りのある留学にします」
その直後、帰宅した悠斗も、東城幸一から短期留学の件の話を聞き、その場で快諾した。




