第三章 第十二話
改進党本部を出た沙織と奈穂は、そのまま南西へ向かった。途中で、勝村美桜を車に乗せてから、代官山へ向かった。
「お姉ちゃん、雑誌とかに撮られたりしない?」
「大丈夫よ、あの金正運でさえすっぱ抜かれなかったんだから。一応、ちゃんと対策しているし」
改進党本部を出るとき、沙織と奈穂は変装をしてから車に乗り込んでいた。
「あ、いたいた」
「ああ、あの子ね」
沙織は、運転手に先に帰るように指示してから、車を降りた。
「初めまして、青空坂34・2期生の小平菜央美です。いつも同い年の美桜ちゃんと仲良くさせてもらっています」
「こちらこそ初めまして、楠木沙織です」
「高宮奈穂です。宜しくね」
「宜しくお願いします。突然なんですが、もう一人連れてきたんですけど、大丈夫ですか?そろそろお手洗いから戻ってくると思うんですけど…、って来た来た」
そう言って現れた少女に、奈穂は驚いた。
「あれ、萌恵ちゃん!?」
「あっ、奈穂ちゃん!?」
「「わ~!久しぶり~!」」
そう言って、奈穂と萌恵はハグをした。
「あれ、お知り合い?」
沙織が聞くと…。
「知り合いも何も」
「実は…」
「「従姉妹で~す!」」
これは、菜央美も知らなかったらしく、驚いていた。
「あ…、すみません、お恥ずかしいところをお見せしました。改めまして、奈穂の従妹の宮川萌恵です。美桜ちゃんと菜央美ちゃんと同じく、青空坂の2期生です。宜しくお願いします」
「楠木沙織です。宜しくね」
「じゃあ、とりあえず移動しましょ」
ここからは奈穂の先導で、とある喫茶店に移動した。
「へえ、國學院に通っているんだ」
「はい、中学からそのまま上がってきて、今は大学一年です」
「ということは、美桜ちゃんと菜央美ちゃんの4つ上か」
「そうです~」
「グループの中では、美桜ちゃんはどんな感じなの?」
「それが、グループの中では一番下の学年なのに、結構リーダーシップがあって、いつも助かっているんです」
「ふふっ、やっぱりお父さんの娘ね」
喫茶店に移動している途中で、沙織は、美桜が自身の異母妹であることを、萌恵に話していた(菜央美には、会う前に、沙織の許可を得て美桜から伝えられていた)。
「それでも、先輩メンバーには、菜央美と一緒に甘えに行ったりしているんです。それがまた可愛くて」
「ちょっと、萌恵ちゃん…」
「美桜ちゃん、ごめんごめん(笑)」
その後は、五人で他愛もない女子トークを繰り広げた。
「沙織さん、いつか他のメンバー達と一緒に遊びに行っていいですか?」
「勿論!あと、もし興城でコンサートやりたいのなら、大歓迎だからね」
「有難う御座います!コンサートできるように、精進します!」
そう言って、菜央美、美桜、萌恵と別れ、ホテルへと戻ったのであった。




