表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/32

7 俺の弟妹たち

俺の名前は三条 紅紫。

俺にはとってもかわいい弟妹達がいる。

とってもかわいい、なんてただの身内贔屓かな。と思うかもしれないが、これはそんなことじゃない。

第三者視点から見てもかわいいのだ。

まさに国宝級だな、と心の中でひそかに思っている。

こいつらは俺の誇りだ。


二人共学校からいろんな奴に、告白されていると聞いたが大丈夫なのだろうか。

とっても心配だ。

もし二人が恋人を作ることになったとしたら、まずは履歴書を提出してもらって、探偵に素行調査、俺との面談、等々としかるべき手続きを取ってもらわないといけなくなる。

さて、俺の弟妹にふさわしい人間は世界中に何人いるんだろうな?


再三いうが俺の弟妹達は最強だ。

二人なしじゃ、俺は生きていけない体になってしまっている。

それほどまでに二人との時間は依存性が高い。

藍と黄とは、一度もけんかをしたことがないくらいに仲がいいと俺自身自負している。


だけど最近気になることがある。

俺の妹がちょっとだけ冷たい気がするのだ。

小学生の頃ははあんなに「紅紫お兄ちゃん♪」ってかわいく言っていたのに、高校になってからは「紅紫兄!」と少しだけとげのある言い方になってる気がする。

これが反抗期ってやつなのかもしれない。あれ?……ちょっと涙出てきたわ……。

それもそれで可愛いからいいんですけどね!


そして、それに加えて、自分の武器の使い方を理解したのか、と思われる時がたまにあるようになった。

その武器とはもちろん、藍自身の優れた容姿だ。


何かしてほしいことがあったら、いつの間にか俺の近くに寄ってくる。

そして俺に向かって上目遣いをしてから、目をときめかせて「お兄ちゃん。お願い」と言うのだ。

そんなことをされてはどんな男だって落ちてしまうだろう。

もちろん俺も実際に堕ちてしまった。

あんなの耐えれるわけねーだろ……。あざといけどそこが逆にいいのかもな……


そのことを実際に藍に言ったら、「は?」とマジトーンで返されてしまった。

ほかの男にそんな姿見せたらだめだぞ。と言ったら、「そんなことするわけないじゃん。紅紫兄だけだよ」と答えてくれた。

その時俺は、マジかよ……このテンプレセリフを聞く日が来るなんて……しかも藍から……

その日は一日うれしくて終始うきうきしてた。

すると藍は「頭でもおかしくなった?あ、元からか」と言ってきたのだ。


……くっ!俺の頭がおかしいというのか!ちょっと妹と弟の言葉一つ一つに感動を覚えているだけなのに!


俺は両親と、弟妹の話をするととても話が合うので、親目線で二人を見てるともいえる。

つまり俺はシスコンやブラコンなどではなく、ただただ藍と黄が大好きなお兄ちゃんなのだ。

俺の友達はうそをつくなと言っていたが、俺は聞こえなーい!

私は一般的で模範的な兄貴だからな。

みんな真似していいんだぞ。

おっと、ちょっと話がそれてしまった。まあ、誰に向かって話しているのかは俺自身にもわからない。

何故か、藍と黄のことを解説しなければならない気がしたのだ。


ついこの間のことなのだが、藍がコスプレに興味を持った時は俺自身とても驚いた。

それ自体はとても喜ばしいことだが、一つ不満なことがある。

それは、コスプレ衣装を作ることに挑戦することを俺に言わなかったことだ。


藍は俺じゃなくて、千秋さんの方にアシストしてもらってたらしい。

……なんで俺じゃないんだぁ。せっかく頼れる兄の出番だったのに……。

確かに千秋さんは頼れる人で、優しいからつい甘えさせてもらっちゃうけど……。

それにしても最近、頼れる兄の出番が減ってる気がする……。

兄の威厳がどんどんなくなっていくぞ!


だけど俺の好きなことに興味を持ってくれて、実際に始めてくれるなんてそれだけでとてもうれしい。

はやく一緒にコスプレしたいぜ!



最近の藍のことをなかなかに語った気がするので、黄のことについても語っておくとしよう。


黄は俺の大切な弟だ。

藍はなぜだかわからないが、少し男っぽいところがあるやつだけど、黄はそれに比べて女子力が高い。

藍と違って食べることができるお弁当を作ることができるし、掃除、洗濯なんでもいけます。って感じなのだ。すごいと思う。

男とは思えない素晴らしく、キュートな姿は、兄である俺も羨ましく思うほどだ。

女装を嗜む紳士な俺だからこそ、他の人よりも激しくそう思ってしまう。

あれで男とかちょっと卑怯でしょ。反則だ!レッドカードだ!


こんなに可愛い黄が体育の時とかは野郎どもと一緒に着替えているとなると、心配になってしまう。

おのれ、黄のクラスメイト達よ、羨まし……けしからんな!

もういっそ専用の更衣室を作ったほうがいいんじゃないかと学校に申し立てしようか。

男子、女子、黄。完璧じゃないか!


そんな黄はよく、モデルとかにスカウトされる。

黄をスカウトしたスカウトマンはよく見てるなと感心してしまう。

ぜひ会って話をしてみたい。小1時間くらい話そうか。


そしてついに、何度スカウトされたかわからないが、黄がその話を受けるらしい。

いろんなことをやってみるのはいいことだなと思う。


これにより、世界中に黄の可愛い姿が発信されるとなるとそれはいいことだ。

だがしかし反対に、黄のことを、独り占めすることができる時間が減ってしまう事にもなる。

これは由々しき問題だな……。

うーん、どっちがいいんだろうな。


まぁ、黄が幸せなら俺はオールOKなんですけどね!


ぜひ黄には頑張ってほしいものだ。

成功することをお兄ちゃんは何時でも願っているぞ!


新しいことに挑戦する弟妹の姿を見るのは、ほのぼのしていい。

だけどちょっと、俺から離れてしまってきているな。と、兄弟なのにしみじみ感じる。


まだまだ話したりないが、そろそろ勉強を始めないとコス衣装の製作が間に合わなくなるから、ここまでにしとこうか。

受験勉強さえ突破できれば、趣味と藍と黄に囲まれた最高の大学生活が待っているからな!






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=537490908&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ