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タケルは成長したい  作者: ほろほろ
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入学式と詐欺師

主人公タケルのよき理解者となる同級生ダイゴくんが登場します♪

 いやぁ、3月は引っ越しのバタバタであっという間に過ぎてしまいました。

 気がつけば4月。ついに大学の始まりです。


 入学式、母親が来ました。

 平日だったので父親は来れないって残念がってました。

 三男坊の僕にまで愛情を注げるとは、実はすごいことなんじゃないでしょうか。


 一人暮らしすると親のありがたみがわかるって誰かが言ってますよね、たぶんあれは本当でしょうね。

 もう2,3ヶ月すれば僕にもわかりそうな気がしますよ、根拠はありませんが。


 入学式は東京のキャンパスで行われました。

 僕のキャンパスは所沢の近くなんですが、本部は東京にあります。

 いやぁすごい人の数でしたよ、サークル勧誘っていうんですかね、先輩達がビラを大量に配ってました。

 僕も何枚か強制的に手にとらされました、あとで内容を確認したいと思います。


 大学に入る人たちって、僕も含みますが少し浮ついてますよね。

 今詐欺師に話しかけられても簡単に信じちゃう状態だと思いますよ。

 もしかしたらサークル勧誘してきた中に詐欺師がいたかもしれませんねぇ。

 えぇ、もらったビラはようく中身を確認してみます。いきなり騙されたら、幸先が悪いですからねぇ。


 入学式も無事終わり、さて家に帰るか……そう思うのは素人の考えです。

 僕は少し気合を入れて来てるんですよ実は。


「じゃあお母さん帰るから。これから勉強頑張るんだよ」

 駅で母親と別れた後、僕は近くの喫茶店に入りました。


 ここで何をするのかって?もちろん、さっきもらったビラを読むんですよ。

 大学生活はサークルが命、さすがの僕でも知ってますよ。

 高校時代は将棋部の人としかほとんど話していませんからね、友達も増やしたいですし。


 僕の好きなアメリカンコーヒーを注文し、奥の人気のない席に座ってビラを読み始めました。

 計23枚もあったので、読み応えは十分です。

 テニス、サッカー、フットサル、空手、広告研究会、ラーメン研究会などなど、僕の今まで全く触れてこなかった分野が僕に猛アピールしてきます。


 内容を見ると、どこのビラにも『新歓○月○日18:00〜』といった情報が載ってました。

 どうやら僕ら新入生を歓迎する会があるようですね。

 興味のあるサークルに直接電話をかけてサークル見学しようと意気込んでいましたが、この新歓ていうのに参加すれば雰囲気もわかりそうです。


 体育会系の盛り上がりにはついていけそうもないので、サークル内の雰囲気は重視してますよ。


 15分ほどビラを広げながらボケーっと考えてましたかねぇ。

 後から隣に座ってきた人が、急に話しかけてきました。


「新歓、行くの?」

 見ると、僕と同じでいかにも入学式に参加してましたというスーツ姿の男性が目を細めて僕を見つめていました。


「あ……はい。どこか興味のあるところに行ってみようかなぁと思ってます」

「そうか、俺はサークルなんて興味ないな。ただ群れてるだけの集団に属して、何の意味がある?」


 淡々と語る彼、一体何者なんでしょうねぇ。


 え、なに君新歓行くの?俺も行きたいから一緒に行ってみようぜ!ぐらいが新入生らしい温度だと思うんですけどね。

 そう思いましたが、とりあえず反対はせず


「そ、そうですね。僕はよくわかりませんが、サークルだけが大学生活ではないですしね。ところであなたも、皇武(こうぶ)大学の新入生ですか?」

 と会話を進めることにしました。

 そうそう僕の大学、皇武大学っていうんですよ。あまり大した情報じゃありませんが。


「俺?そうだよ。俺、河原 大吾(かわはら だいご)っていうんだ。学部は経済学部。君は?」

「僕は千葉タケルと言います。学部は僕も経済学部です。よろしく」


「そうか、君も経済学部か。これからよろしく……ところで今日、よかったら新歓一緒に行かないか?」

「え!?さっきサークルには興味ないって言ってませんでした?」

「興味はないけど、経験として参加するのもいいかなって。まだ大学のこと何も知らないから、先輩から色々情報収集したいし」


 ……どうも捉えどころのない男です。

 眼鏡をかけてるから頭良さそうに見え、コーヒーを飲むのも様になってます。

 僕のアメリカンはすっかり冷めてるからできればおかわりに行きたいのですが、それには彼との会話を一段落させなければいけないようです。


「わかりました。では一緒に参加してみましょうか。どの新歓に行きましょうか?」

 そう僕が聞くと、彼はコーヒーを飲む手を止め、じっと僕を見つめながら


「お笑い研究会に行ってみよう」

 と顔色を変えずに提案してきました。


「お笑い研究会ですか……うーんそんなサークルもあったんですねぇ。お笑い研究会ですか」

 10秒ほど考えた結果、まぁこの際どこでもいいと思いまして、彼の提案を受け入れることにしました。


 まさかいきなり一発芸を強制されるとは思えませんし、新しい世界に触れるいい機会ですからねぇ。


 そうして僕らは、夜の新歓に行くことに決めました。

 大吾君も僕と同じ所沢住まいだったので、夜に駅で落ち合い、新歓の開かれる東京の新宿へと向かいました。


 いやぁまさか、新歓があんなすごいものだとは知りませんでしたよ。次の章で話しますね。

ご覧いただきありがとうございます!

続きも近日中に公開しますので、また気軽に読みにきてください♪

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