表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

プロローグ

独り語りやどうでもいい現状説明が多めで、個々人のセリフはかなり少なめですが、なにとぞお許しください。

うすらぼんやりしている狭い空間。



一人何時間も布団に入り横になって目をつむっている。そして今、眠りから覚め目を開けた。



俺は顔を横にして目覚まし時計を見た。[17:32分]



外の景色は夕焼けになって窓から見える木々を紅色に染めている。



今は日曜日(だったと思う)アパートの路地の方から子供のはしゃぎ声が心地良く聞こえてきた。



これからますます暗くなってあっというまに深夜になるであろう。いや、ならなかったら困る。



そして当たり前のように朝になって太陽が昇り、正午になり、また今窓を眺めている景色になり夜になる。



このサイクルを死ぬまで、永遠に経験しなくてはならないんだろう。生き物は。“どんな状態・状況”であろうとも。



時間は無情にも待ってくれないものだ。







今の俺の状況を簡単に説明すると 社会問題になっている真性の“ひきこもり”だ


それになったのは半年前 なる前は某ホテルのアルバイトを5か月ほどつづけていた。 


丁度2か月目に入ると1人暮らしを経験したいという俺の意向を親はすんなりと許可してくれて実家のすぐ近く


詳しく説明すると実家から2km区間にある六畳一間のアパートを借りてもらった。


もちろん家賃は俺持ち。食費も当然、俺持ち。


4か月を過ぎた頃、俺の持病がとうとう出てしまった。


アルバイトの身分ではあるが人間関係がとても酷になりつつあり、先輩や上司に自分のミスを酷く罵倒され


自分も自分で、注意されてもミスを繰り返すことに罪悪感を感じて、自分という人間がいかにちっぽけで 社会に対し使えなくて


情けなくて駄目人間だということを改めて実感し、自認してしまったわけだ。


だからますます自信を無くしてしまい、どうせ俺は駄目な人間なんだって自分を責め、日に日に仕事をすることが嫌になっていた。


そしていつぞやにやってはいけない無断欠勤をつづけ かかってくる勤務先からの電話を無視しまくり


今の状況に至るわけだ。




新しいアルバイトを今後できるはずがなく やめてからずっとニートのままだ。


・・ニートならまだいいかもしれない 外にでてるからな。



しかしひきこもりは 外さえ出なく ずっと自室にひきこもっているのだ


ぐうたら生活もいいところか? これもこれで案外しんどいと思う。


たとえば 家の外に出ることを禁じられたスポーツ少年を意識してもらいたい。


どうだ 苦痛だろ?


俺は体育会系ではないが、スポーツ全般は好きだし、球技ならやってみたい気もする。


だが今やこうやって常日頃病んでいる。外に出てみんなと戯れたいのに、それができない。



…メンヘラーもいいところだな。



そうまさに俺の持病、メンヘラー。



改善方法もあるっていえばある、その要素を治そうとする意欲があったらメンタルクリニックやら精神病院やらへ受診するし


なんだかんだ今の現状や将来の不安などなどをカウンセリングのおばちゃんに打ち明けたら心境はスッキリするかもしれないし、


医師から処方箋をもらい 時間をかけて持病を治していけるかもしれない。


だが ひきこもりは、他の人々が普通にしている外出というごく当たり前な行為がとても怖いのだ。よってなかなか病院にたどりつけない。まさに今の俺だ。



ひきこもりにもいろいろ原因はあるが 具体的に何が原因なのか自分で自分を問い詰める。



他人の視線。



自意識過剰野郎というニュアンスにきこえてしまうかもしれないが、全然違う。



外に出たら、他人が俺を見下して笑っているような気がするんだ。



いや ここ笑うところじゃねーぞ。病気だからな。



そして、それだけじゃない。



目にもしたくない 魔物に位置付けている“カップル”と出くわすのが一番嫌だ。俺はね。



なに、その幸せ自慢。 永遠の1人者の俺からしてみればとんだ嫌味だ。



嫉妬… そんな風に片付けてもらってもいい。正直、すべてそれなのだから。




だけど だけど 他人の幸せを根本から祝福できない俺だから、殺意を抱いてしまうのも当然。



こんな絵に描いたような人生最凶の構図の中でもしぶとくも生きているわけだから こうやって普通に幸せにしているやつらを見ると


どうしても 「なんで俺はこうじゃないんだ」 「なんでなんだっ」 ってな感じになってしまう。



・・まぁ、これも俺が今悩んでいる いや抱えている病気なのだから。



全世界の人間に問いただしてみても、これほどまでにカップルの糞野郎どもを嫌っているのは俺くらいなものだ。




「俺が糞野郎だな ったく」



とりあえず 外に出たくない。



人の顔を見たくもないし、見られたくもない。



自分を他人と比べて劣等感を感じるのも嫌だ 他人の視線を浴び見下されるのも嫌だ



だったら 自分だけの空間、部屋に閉じこもっているのがベストだ。




「っだあぁぁぁぁああああ!!!」  「くそばかやろー!!!!」




そんなこんなを常日頃考え 過去に経験した恥ずかしいこと、嫌な思いをしたことを唐突に思い出し大声だして発狂している馬鹿な人物は



俺 内田雄一 22歳 ♂ ひきこもり歴1年3か月(蓄積含む)彼女いない歴=年齢 童貞 


対人恐怖症、 PTSD、 虚言壁、 情緒不安定  感情失禁(詳しい病名は不明)自意識過剰    



22歳の夏 蝉の鳴き声と子供のはしゃぎ声を聞きながら 俺はベッドから起きた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ