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マコトの根回し?

 生徒達のために上位精霊を召喚する祭壇の下見を始める俺達。

 と言っても1番詳しいのはアスクレピオスでかなり専門的な感じなのでちょっと大変だ。


「ね~お兄さん。私暇だから町を散歩してちゃダメ?」

「土地勘のない町で迷子になる確率がかなり高いから止めてくれ。と言うか一応この国の王族に会うんだから一緒に来ておけよ」


 女性が言うには上位精霊を召喚するのに最も適した場所は王族が管理する祭壇らしい。

 なので王族に会って祭壇を借りる事を言わないといけないのだ。

 王様も俺を見極めたいと思っているらしく、なんにせよ会わなければ何も始まらない。

 という訳で会ってみた。


「貴殿が精霊女王様が言っていた男か……」

「初めまして王様。俺はタツキ、精霊を呼ぶ祭壇を借りたい男です」


 片膝をついて俺達は王様に言う。

 王様の肩になんだかちっこい妖精みたいなのが居る。

 王様よりもそのちっこい奴の方が俺の方をよりじっと見ている様な気がする。


「ふむ。精霊女王様、この男で間違いありませんか」


 精霊女王?

 不思議に思っていると王様の肩に居た妖精みたいなのが俺の周りに飛んで来た。


「間違いないね~。にしても酷いぐらい歪な生物。これを人間と認める神々がよく分からないわ!?」


 何と言うか翅虫が飛んでいる様なウザさがあったので思いっ切り息で吹き飛ばした。

 妖精は「ぴゃ~!」と言いながら飛ばされる。

 王様は慌てて妖精を両手で受け止め怒って言う。


「貴様!精霊女王様に何て事を!!」

「失礼。ただの妖精か何かかと思ったので」

「この方こそ全精霊の母であり、束ね司る精霊女王様であるぞ!!」

「そうよ!そうよ!私が精霊の中で1番偉いんだからね!!」


 匂うポンコツ臭。王様の手に平の上でない胸を張っているのはどこか痛々しい。

 見方によっては幻想的だとか色々あるのかも知れないが、俺のはどうもそんな風に思えない。

 とりあえず俺は精霊女王に聞いてみる。


「そんじゃ聞くが本当に王家の所有する祭壇なら確実に上位精霊を召喚する事が出来るのか?」

「聞き方がなってない!ちゃんと敬語を使いなさい!」

「……王様。失礼ですが街はずれの祭壇を使わせていただきます。俺の魔力量ならある程度質が落ちても問題ないと言う事ですので」

「なに?」

「へ?」


 俺はアスクレピオスに目配せして確認する。

 アスクレピオスは問題ないと頷く。


「王様のお言葉はありがたいのですが……その妖精の事が気に入らないので止めさせていただきます。それでは準備などもございますのでこれで」


 立ち上がって街はずれの祭壇に戻ろうとしていると精霊女王が俺の前でホバリングして止めた。


「ちょっと待ってよ!私が原因でこの話止めちゃうの!?それ創造神様から怒られちゃうからそれだけはやめてよ~!!」

「創造神?何でそこで創造神が出てくる」


 なんで急にマコトが出てくるんだ?

 そう思っていると精霊女王が泣きつきながら言う。


「創造神様から直接言われたのよ!気に入った子が近々来るから協力しろって!!私達にだって派閥はあるし、頭のあがらない相手はいるのよ!!来たのに協力しなかったと知られたら……!!」


 絶望した様な表情で言う精霊女王に俺は改めて聞く。


「そんじゃ祭壇は使ってやるから、王様がすんごく複雑そうな表情してるからこれ以上は止めようか」


 さっきから王様が困ったように俺達を見てる。と言うかあの顔は本気で困っている顔だ。

 俺は王様と再び向かい合って聞く。


「という訳でお借りします」

「ああ。それは構わないがいつ頃決行するのかだけは決めてもらう」

「我々の他に使用する者がいるのですか?」

「そうだ。近々勇者殿がこの国で精霊召喚を行う。その際王家の祭壇を使用するのでその後日に使用してもらう」


 ………………


「え~マジかよ。あいつこの国来るのかよ。まさか狙ってきた訳じゃねぇよな?」


 つい声に出てしまった。

 勇者ってユウガの事だよな?というかユウガ以外に勇者が居るって状況ありえるのか?

 とにかく分からない事は知っている人に聞くのが手っ取り早い。


「確認ですが勇者とは勇者ユウガの事で間違いないでしょうか?」

「当然だ。勇者ユウガの事だ」


 マジか~。あいつもここに用があるのかよ。


「ちなみにいつごろ来るんですか?」

「きょうを含めて4日後だ。その後1日置いて精霊召喚の儀式を行う。問題はあるか」

「ありません。その間に子供達を連れてきますので丁度いいです。ですが祭壇については今のうちに調べさせていただいてもよろしいでしょうか」

「構わん。しかし細工をされては困るので同行させてもらう」

「アスクレピオスはそれで大丈夫か?」

「問題ありません。早速調べたいのですが問題ありませんか」

「構わん」


 という訳でお許しが出たので早速調べに行く。

 精霊女王も祭壇をいじられたくないからか付いて来る。

 ちなみに祭壇はこの城の裏側にあり、毎日丁寧に整備されているとか。


 で、その祭壇に来たのだが思っていたのと違う。

 祭壇は透明で水晶かガラスの様に見えるし、その中に描かれているのか表面は凸凹してない。

 触った感じは冷たくもなく熱くもない。やっぱりガラスでも触っている様な感じがする。

 しかもその祭壇の内側に描かれている魔方陣は、立体的に描かれているのでとても複雑だ。


 これを解析すると言うがアスクレピオスはどうやって解析すると言うのだろう?

 アスクレピオスは祭壇の中心に立って魔方陣を展開した。

 その魔方陣の中心で作業をするアスクレピオスはファンタジーと言うよりSF的な感じすらする。上下左右の魔方陣で何かを解析する真剣な姿は子供らしさなどどこにもない。

 そして確かに彼女を女神と呼べるだけの美しさと神聖さを感じられた。


「ねぇお兄さん。アスクレピオスって何者?」

「突然どうしたジャック」

「だってあの魔方陣かなり複雑でしょ?見た事あるの平面の魔方陣だけだし」

「らしいな。一般的に使われている魔方陣は平面、カッコよく言うと二次元展開だな。その方が難易度も低いし扱いやすいそうだが……立体、三次元展開の場合難易度が一気に跳ね上がる。と言っても主に解析系や繊細なコントロールが必要な時だけの話で攻撃するだけなら必要のない技術らしい」

「そんなすごい魔法使えるんだ……でも何で今は使われないの?」

「主な理由は攻撃系にばっかり魔法が発展した事が原因って書いてあったな。相手を殺すだけなら繊細なコントロールなしで殺せるだけの威力込めてぶっ放す方が楽って事だな」


 そう言うとジャックは理解できたようで「あ~なるほど」っと呟いた。

 元々立体魔方陣は解析のためだけに使われてきた。簡単に言えば観測用だけの魔方陣であり、難易度が高い割には攻撃などの応用に活かせられないと言う事で自然消滅してしまった魔法だ。

 なので今ではこの立体魔方陣は古代魔法と言われてしまう程になってしまったようだ。

 ちなみにこの情報は全てスマホ調べです。


 5分ほど待っているとアスクレピオスは調べ終えたのか魔方陣を消す。

 そして戻ってきた。


「どうでした?」

「確かにここが1番いい祭壇のようです。ここで行えるのであれば召喚に成功する確率は10%上がります」

「たった10%か。まぁいいか。うん。良い事にしよう」


 10%という数字がどれぐらい大きいのか小さいのかは分からないが、上がると言うのであれば別にいいだろう。

 後は日程の問題なのだが……


「国王様。勇者が来たあとどれぐらい間を空けた方がいいでしょうか?」

「3日は必要だ。そうしなければ召喚士達の魔力が持たない。1体召喚するたびに3日の休憩を――」

「魔力に関してはタツキの魔力を使うので問題ありません。問題はタツキの魔力ですが、1日に3体の上位精霊を召喚しても問題はありません。と言っても強制的に召喚するとなると少々不安なので1日1体召喚すれば問題ないと観測出来ました」


 なる程。王様の言う時間を空ける必要があるのは召喚する人達の魔力が問題か。

 その辺は俺の魔力で支払うつもりだから問題ないと。


「そうであれば1日は空ければ問題ない。祭壇の準備はこちらで行う」


 よし。これで生徒達を助けるのはもう目の前だ。

 となると1度帰って生徒達を連れてこの国に連れて来る必要がある。

 校長先生とかに説明しておかないとな。


「ジャック、アスクレピオス。今日休んだ後俺1回学校に戻るわ。校長先生とかに話さないといけないから」

「あ~そっか。学校に居る子達だもんね。こっちに連れて来る理由は大丈夫なの?」

「元々生徒達を助けるのが依頼内容だ。連れ出すのは何の問題もねぇよ」

「ではわたくし達は少し待たせていただきます。どれぐらいかかりそうですか?」

「裏技使って往復2日かな?まぁ目立たない様にするさ」


 そう言うとアスクレピオスは不安そうな表情をする。

 さて、もう少しで助かるぞ。おチビ共。

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