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問題発生?

 夜はキリエスに侵入する方法を探り、昼は子供達を他に救う事が出来ないか方法を探している。

 と言ってもおそらくマコトの言うように何かを憑依させるのが最も手っ取り早いので召喚術について調べていた。


 この国の図書館の本を借りて読む限り、召喚時に必要なのは魔方陣と魔力である。

 魔方陣には何を呼び出したいのかを描き、魔力は当然召喚に必要なコストを払うためである。

 何を呼び出したいのか描かれていないと何が出てくるのか分からないし、魔力が足りなければ召喚に応じてくれるかも知れない存在が出てくる事も出来ない。


 そして説明しておくと、もっと細かく召喚する存在を決める際には魔方陣を細かく書く必要がある。

 簡単に言えばすでに契約している存在を召喚するかしないか、契約していない場合何を召喚したいのか、どんな属性の存在を召喚したいのか、どれぐらい強い存在を召喚したいのか、そういった情報を魔方陣に描き込む必要があるらしい。

 これらを無視してとにかく召喚したいだけであれば円を描いて魔力を流すだけでも出来るそうだ。

 お手軽なのかそうでないのかよく分からない。


 ちなみに英雄召喚、異世界から勇者の様に異世界から誰かを召喚する方法と、悪魔を召喚する方法は探してもなかった。

 どうやら教会から圧力があるらしく、悪魔の召喚は教会を敵に回すのと同じ意味らしい。

 まぁその辺は前の世界でもあった事だ。


 魔法使い何て言うと魔法を使うだけのイメージの方が強いだろうが、教会が元気に活動していた時、魔女狩りなんてしていたのはこれが理由。

 魔女とは端的に言えば悪魔を召喚し、その知識を手に入れようとする集団だったからだ。

 だから教会から嫌われているし、サバトなんてもっての外だったのである。


 それにこの世界では悪魔とは空想ではなく実在する存在なので余計危険視されている。

 魔法を自在に操り、肉体を持たない存在は人間の脅威である。

 ………………本当に人間って弱いな。あっちを見てもこっちを見ても脅威しか居ねぇじゃねぇか。


 いざとなったら悪魔でも呼び出して憑依させる事も視野に入れていたが……その後の人生がとても厳しい物になりそうだ。

 ここは無難に精霊を呼び出す事にしよう。


 そんな生活を送っている間に半月が過ぎた。


 -


「先生難しい顔してる」

「ん?まぁそれなりにな。お前らを助けるための準備が必要かどうか今勉強中」

「それって俺達が助かる見込みがあるって事か!」

「ま~ね。問題はその準備なんだよな……」

「なにかこう、薬とか必要なんですか?もしくは特別な素材とか」

「そう言う意味じゃないんだがな、ちょっとした準備に手間取ってるんだよ」


 流石に半月も過ごせばそれなりに生徒達と話す事も多くなった。

 基本的に切っ掛けはヒカルが俺に勝負を吹っかけてくる事だったのだが、今では特にそう言う事以外でも話をするようになっている。

 助ける方法は既に教えてもらった。だが問題は蛇の真祖をキリエスからどう分捕るかが問題だ。

 調べれば調べるほど厄介な結界になってるんだよな……


 ドワーフの国ではあの宝物庫以外に結界などは張られていなかったが、キリエスの結界は国1つを覆う大結界の他に重要拠点には必ず小規模であっても結界が張られている。

 大聖堂や勇者を召喚した儀式場などがそれに当てはまる。

 それらは地面の中とか水中とか関係なく発揮され、ドワーフの国の時の様に穴掘ってこっそり潜入すると言う方法はできない。

 どこに蛇の真祖が居るのかは判明しているが、そこにも当然結界は張られている。

 どうやら一般的には資料室となっている場所に居るらしい。

 俺が真祖を解放しているから、再び封印できるよう研究中なのだろうか?


 ただ結界を壊すだけならどうとでもなるのだが、そこから侵入して蛇の真祖を分捕るにはちょっとな……


「どんな準備なの?」


 トキが聞いてくる。

 俺はどうせバレる事は最初から言っておく。


「簡単に言うと、精霊を召喚してくれる人の協力が必要なんだよ。その人と話をしたいんだが……どうも見つからなくてな」

「タツキ先生が助けるって言ったくせに人頼みかよ」

「仕方ねぇだろ?魔法に関しては不得意だし、しかも召喚するのは自我がある上位精霊だ。ちょっと魔法覚えたぐらいじゃ召喚出来るとは思えねぇよ。なら確実に召喚するために誰かの手を借りるのは常套手段だ」

「ヒカル。タツキ先生も真面目に僕達を助けようとしてるんだから見逃してあげたら?」

「おいカエル。もっと他の言い方はねぇのか?」

「ならいい加減そのイントネーションを直してください。僕はフロッグではありません」


 そんなに違うか?カエル?

 何てやり取りをしていたらヒノ先生がクスクスと笑っていた。


「どうかしました?」

「いえ、ただ生徒達とタツキ先生は仲良くなったな~っと思ったら微笑ましくなっちゃって」

「半月もほぼ一緒に居れば自然とこうなるのでは?なんだかんだで一緒に居る時間も多かったように感じますし」


 学校、しかも寮制の学校となると顔を自然と合わせやすくなるし、最初の内は何度も突然攻撃された。(ヒカル限定)

 それを避けたりいさめている間に、カエルやトキが自然と寄ってきて今の状態になった。

 それに助けるために図書館から本を借りて読んでいる所も目撃されているため、いつの間にか信頼が生まれていたらしい。


 そしてヒノ先生も聞いて来る。


「それで精霊召喚を手伝ってくれそうな人は見つかりましたか?」

「本命は捜索中、ギルドにも上位精霊を召喚出来る人の募集をかけているが……やっぱり難しい。せっかく大金はたいて依頼出したってのに」

「ちなみにいくら出したんです?」

「白亜金貨1枚」


 そう言ったら全員が俺に驚いた表情で見た。


「な、なんだよ?上位精霊3体確実に召喚しろって内容だからこのぐらいは要るってギルドの人が言ってたんだけど?」

「それポンと出したのか!?出せるぐらい先生金持ちだったのか!!」

「白亜金貨ってとんでもないぐらいの大金じゃないですか!!英雄だってそんなお金滅多に手に入りませんよ!!」

「先生。白亜金貨あったら本屋さんの本全部買える?」

「多分全部買ってもおつりがくるんじゃないかな~」


 混乱気味のトキにヒノ先生が答える。

 そんな事言ってもな……


「だって俺が狩ってくる魔物は全部極上品だ~ってアヴァロンの人達が言ってたし、結構レア度高いらしいぞ?」

「レアってどれぐらいの魔物を仕留めたんだ?」

「確か……ヘブンスパイダーだっけ?エルフの国で売ったら結構金になった」

「ヘブンスパイダー。確か糸壷だけで大金貨になるクモですよね?捕獲レベルは確かAランク。英雄級の人じゃないと仕留められないとか」

「よく知ってるな~カエル。そのクモ3匹綺麗に仕留めたら白亜金貨くれた。まぁ外骨格の状態の良さもあってその額になったって言ってたけどな」

「………………先生マジで凄かったんだ。俺もそのクモ仕留めて白亜銀貨と交換してもらう!!」

「止めとけ止めとけ、お前の実力じゃ食われてお終いだ。もっと強くなってからな」


 剣片手に飛び出そうとするヒカルの首根っこを捕まえて止める。

 あのタランチュラ見付けるの意外と大変だからな?巣を張るタイプじゃないからどこに居るのか見付け難いし、探すところから始めないといけないからな。

 俺とアセナの場合は匂いで探して仕留めた訳だけど。


「ぐえ!服掴んで止めるなよタツキ先生……」

「急にクモ倒しに行こうとするからだ。実力差を考えろ」

「タツキ先生?そのお金もう使っちゃった?」

「使った。今回の召喚者を呼ぶための資金と旅行でな」

「旅行、ですか?」

「そうそう。セフィロって言う亀の甲羅の上に国がある観光都市でな、そこで遊びまくった」

「うわ~いきなり使ったなタツキ先生」

「羨ましい」

「羨ましいと思うなら強くなれ。助けるから将来そこで思いっきり遊べるぐらい金稼げるよう鍛えてやる」


 何て言って笑っていると、どこからか甲高い音が鳴り響く。


「ん?今日は避難訓練かなんかあったけ?」

「違います。これは学園の警報ではありません。この国の警報音です」


 つまりこの国規模で問題が発生したって事か。

 一体どんな問題だろう?

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