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Side 王達

『では、勇者殿を含めた会議を始める』

『それで海王、そのタツキと言う男が黒い鎧で間違いないと言う事でよろしいか』

「恐らく。しかし証拠の方は何もないのが痛手だ。表立って動くのは難しい」

『海王の妻の寝室に殴り込んできたのだろう?1つぐらい証拠があってもおかしくあるまい』

「残念だが証拠として捉える事は難しい物ばかりだ。どれもすっとぼけられれば簡単に逃げられる」


『まだまだ甘いな、海王。ではその男、朕が捕まえてやろう』

『その男の話を聞く限り、随分と単純な様子。となれば次に来るのは我が国の真祖であろう』

『対策は出来ていると?』

『出来ておる。奴の持つ地質などを変化させる能力は樹木など使う事は出来ないだろう。さらに常に魔術的な警戒をしておる。人の数だけではない。いつまでも土の中に居る者共とはまるで違う』

『ふん。木に住まうネズミとは違うのだよ』


『問題はその後だ。勇者よ、次に西に来るか、東に来るか判明出来ないのか?』

「残念ですが分かりません。旅行後は実家に帰るとは聞いていますが、その後に関しては聞けていません」

『そうか……何にせよ最大の警戒を行うべきか』

『そうであろう。わが国でも最大の警戒をしておく』


『それで最北の。そちらからは何かないのか?』

『………………』

『相変わらずのだんまりか。とにかくこれ以上真祖の封印を解かれては世界が崩壊しかねない。今はまだ身体を休めているのか、狼の真祖は動き出していない様だが警戒を怠る事は出来ぬ』


『こちらの報告をしておこう。先日テュール様の右腕を発見した』

『再封印は可能か?』

『残っていたのは右腕のみだ。純魔銀の鎖もオーブも消失している。おそらくタツキと言う男が処分したのだろう』

『確かに、再封印が可能と思われる物を破壊、もしくは遠いどこかに捨てたと考える方がよっぽど自然か』

『それ故に再封印するための道具作成も進めている。問題は既に消失した技法、純正の魔石製作だ。現在は85%までは再現可能だ』

『仮に純正を作る事が出来たとして、どれ程の量が居る?』

『現在の予想では掌に収まる程のサイズであれば十分と予想されている』

『採掘可能か?』

『いざとなれば他の魔石を繋ぎ合わせて作る。それだけの危機だろう』


『しかもそれが複数となるのだから大事よな。海王も娘に業を背負わせたくはあるまい』

「当然だ。それを解決させるために今まで奮闘してきたのだから」

『しかし今回の事で意図せずに業を黒い鎧に押し付けれたのだからよかったものな。あのままであれば人魚姫が次の器に選ばれていたのは明白じゃな』

『ふん。相変わらず陰気なババアだ』

『何だとモグラ』

『やるかネズミ』

「これは私の失態だ。2人とも無駄な争いはよせ」

『そのように争う力があるのならタツキと言う真祖開放をもくろむ者に対して向けて欲しいものだ』


『ではこれにて定期連絡は終えるとしよう。エルフの女王よ、油断せぬようにな』

『分かっておる。奥の手もあるし、お前達は安心して吉報を待っておればよい』

『そして勇者殿には真っ直ぐこちらに帰ってきてもらう。『賢者』『聖女』が揃ったのであれば最後の『剣聖』を決めてもらう必要がある』

「分かりました。エルフの国に協力しなくてもいいんですね?」

『構わぬ。未熟な勇者の手を借りずとも事足りる』

『これ程自信にあふれているのだから手伝わなくても問題あるまい。聖女を連れて帰ってくるがよい』

「分かりました」

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