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大体の予想

 オーナーが白亜金貨3枚を持ってきたので俺は魔石を渡した。

 そして俺は丁度良いと思って話を続ける。


「ところで武器屋じゃ魔石と鉄を混ぜて鍛えるって説明されていたが、魔石だけで作った鎧や武器って存在しないのか?」

「魔石100%の武器?そんな高価なもん普通は出来ねぇよ。ただでさえ魔石は他の鉱物と混ざって発見されるんだ。そこから不純物を取り除き、魔石同士を繋ぎ、武器にするっていうのはかなり難しい技術だぞ。鎧なんて言う量を作るとすればそれこそ膨大なコストと手間がかかる。もしできたとしたら国宝級になるだろうな」


 なる程、俺は国宝級の鎧を軽い感じで使用しようとしてたのか。

 姿を隠すって言うのとカッコいいんじゃね?という理由で。


「ちなみに硬度ってどんなもんなんだ?」

「当然鉄などに混ぜるより魔石だけの方が断然堅い。だがあまりにもコストがかかり過ぎる。だからこそロングソードの芯の部分を魔石と混ぜて少しでもコストを下げてるんだ。芯だけでも魔石だけを使った物の方が変化しやすいからな」

「剣の成長も純正の方が成長しやすいのか……」

「所詮不純物を取り除いてまた不純物に混ぜる行為だからな。粗悪品で言えば不純物を混ぜたまま作ったロングソードなんて物もある。それに関しては本当に酷い物だけどな。最近の量産品だとロングソードは普通の作り方をして、最後に魔石を振り掛けるってやり方の方がいいらしい。成長はしないが切れ味と耐久性だけは上がるそうだ」


 だから1度不純物を取り除く必要があるのか。

 勉強になるな。

 そして最後に俺は真祖の事を遠回しに聞く。


「ところでこの国は何で狼を嫌ってるんだ?」

「何でってどこの国でも狼は恐れられてるだろう」

「でもそれって大体は放牧してるとか狼に被害がある地域だからだろ?言い方が悪いのは分かってるが、鉱山の中に住んでいるドワーフ達にとって外で羊だの襲ってる狼とは何の関係もないだろ?」


 そう俺は考えていった。

 実際元の世界でヨーロッパ方面では狼が絵本などで悪役として書かれている事が多い、今言ったように放牧している羊などが襲われたからっと言う時代背景があったという説がある。

 仮にその説を前提として話を進めるとこの国に当てはまる気は全くしない。


「それなのに狼を連れているってだけで血の気の多いドワーフに邪魔された。この憎悪はどこから来るものなんだ?」

「……あんた、突っ込んじゃいけない所に突っ込もうとしてるよ。止めときな」


 オーナーは真剣な表情で俺に忠告する。

 その一言だけでこの国は真祖と何らかの関係がある事を悟った。

 アセナは特に何かに反応している様な事はないが、おそらく狼に関する真祖がこの国のどこかに居るんだろう。


 この国のドワーフには悪いが、とても面白そうだ。

 その真祖はどんな姿をしているのか、どんな力を持っているのかとても気になる。

 俺の中の好奇心がうずく。


「それじゃ大人しく下がっておくよ。買取ありがとね」


 そう言って俺達は部屋を出た。

 部屋を出るとあの店員がいる。


「外までご案内します」


 そう短く言う店員に俺は聞く。


「なぁ、本当に何で狼が嫌われているのかよそ者には言えないのか?」

「……私にはオーナーの意思は分かりません。私達も物語りでしか真祖の事を知りませんので」

「物語?」


 図書館で読んだ奴と同じ内容だろうか?

 聞き返すと店員は言う。


「はい。地域差はあるそうですがこの国では真祖は狼の姿で描かれている事が多いんです。そして最後はどの物語でも同様に封印されたと」

「狼で描かれる真祖……だからこの国は狼が嫌い?」

「そうですね。幼少の頃の寝物語としてはとても有名で私も幼少の頃はドワーフの英雄が真祖を倒す物語に憧れました。伝説の勇者は純魔石製の武具に身を包んだと聞いていますのでその憧れで魔石の研究をしているのですよ」


 そう店員が言うとアセナがくしゃみをした。

 俺はそれに気にせず言う。


「分かります。やっぱり物語の英雄ってカッコいいですもんね」

「そう言っていただけると助かります。他の者からは夢を見すぎだ、何て言われる事もありますから」


 そう言いながら店の外に出て店員が頭を下げた。


「あなたの持つ魔石は私の目標となりました。よろしければまた是非お立ち寄りください」

「俺のはスキルを使った不純物の取り除き方ですから、スキルなしでの不純物の取り除き、頑張って下さい」

「はい。今日はありがとうございました」


 そう言って俺達は店から離れた。

 そして行動を開始する。


 まずはこの国で数少ない書店を回ってこの国の真祖について調べた。

 書店にあるのはどれもこれも絵本か小説だけであり、資料というには心もとない。

 その後は地元の子供に串焼きを奢りながら真祖の出てくる物語について聞いて回った。

 結果共通している所が3か所判明した。


 1つはドワーフの英雄が狼型の真祖を封印した事。

 2つ目はその真祖は地下に封印された事。

 3つ目は真祖を封印するために鎖で手足と口を縛ったという事。


 この3か所だけは物語りでも子供達から聞いた話でも同じ。

 この物語が実在したものと仮定した場合、おそらく閉じ込めているのはこの国の地下。そしてこの国はその上に存在している。

 確かにこの仮説が真実なら真祖の封印が解けるのは大問題だな。

 もしかして国に入る出入り口が1つしかないのも真祖が出てきた際の脱出路を一点に絞り込むためか?

 しかも真祖の体長などは不明。子供達の話ではドワーフ何十人分と言っていたが具体性に欠ける。


 それに最近視線を感じる。

 どうやらお国の誰かに目を付けられたらしい。俺もアセナも気付いてはいるが潰すのも面倒臭い。

 殺せばもっと面倒になるのも目に見えているので手は出さない。

 ど~すっかな~


 そう思って早1週間?やっぱ太陽の光がないと時間の進み方が分かり辛い。

 見張られているのももはや普通に感じて来たのでいい加減行動に出る事にしよう。

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