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アームサウルス

 鉱夫達の話を聞き、俺達はアームサウルスがいるであろう坑道に足を踏み入れていた。


 アームサウルス。

 見た目はデカいトカゲ型で大きいもので2m~3m、最大の特徴は身体の皮膚に鉱物をくっつけている所だ。

 アームサウルスの皮膚は鉱物をくっつける性質があるらしく、鉱物を身に付ける事により剣などによる物理攻撃が効きにくい相手なのだとか。

 その代わり魔法に対しては耐性は高くなく、魔法使いにとっては楽に仕留められる獲物だそうだ。

 と言ってもアームサウルスは爪の部分も鉄で覆われているため、鋭いので注意らしい。

 物理攻撃に対する耐久力の高い暗殺タイプって感じか。


 ただ問題はここが坑道である事。

 坑道内で炎の魔法を使った際に死の空気が充満するという事で炎の魔法は禁止。そして坑道のため光が入ってくる事はなく、自前で炎以外の光源を手に入れる必要があるという事だ。


 恐らく死の空気と言うのは一酸化炭素中毒か、酸欠による死亡だろう。

 ある程度、科学力があっても元素に関してはまだ解明されていない様だ。

 そして光源と言うが俺の目には関係なし。

 暗闇でも関係ない様に目を『変質』させているし、蛇を食った際にピット器官も手に入れておいた。

 これで目が見えない状況下であってもある程度は行動できる。


 狼の方はどうかと思って見るが、後ろ足で頭を掻いている。

 余裕そうなので問題ないのだろう。


 俺達は坑道に入り、アームサウルスを捜索し始めた。

 おおよその方向は鉱夫に聞いているし、アームサウルスの匂いが付いた布を狼にかがせて追うように言った。

 狼も早く終わらせたいと思っているのか、協力的だ。


 ただ……この暗闇の中でただ歩いているのは本当に暇だ。

 アリの巣のように鉱物を求めて上下左右曲がったり歪んでいる様な道を歩くのも楽ではない。

 体力的な部分では問題ないが、つまらないという精神的な部分で大ダメージだ。


 坑道の大きさはおよそ直径5m、機械で掘り出したようには思えないがどうしてこんなに大きいんだろう?

 天井の部分にはコウモリが居るが襲ってくる気配はなし。

 生物の気配は多くないな。

 鉱山に生物がいるとはあまり聞かないがそのせいか?


 なんて考えながら歩いていると……どのぐらい経ったんだろ?

 とにかく時間の感覚がおかしくなってきたぐらいに生き物の鳴き声が聞こえた。

 狼の方も少し警戒したように歩く。

 お互い音を立てないように歩みながら進むと、居た。


 ぱっと見は岩をくっつけた巨大なトカゲ。

 その身体には大小様々な鉱石が鱗の様にくっ付いており、中々に堅そうだ。

 だが鉱物を身に付けているせいか動きは鈍い。

 と言うかトカゲなら変温動物だろ?何で暗闇の中で生息しているんだ?


 丁度お食事中なのかモグラ?みたいな多分哺乳類を食べている。

 エサを食っているという事は油断しまくっているという事で早速襲う。

 アームサウルスは直ぐこちらの殺気を感じ取り戦闘体勢に入る。

 だがこいつは明らかに雑魚だ。


 俺は爪を変質、あの森に居た爪を持つ魔物達の爪を模倣、アームサウルスの首めがけて振り下ろした。

 首ちょんぱされたアームサウルスは直ぐ静かになった。

 吠える事もなく、ただ運なく強者狙われてしまったというだけの不幸な死だ。

 後でこいつの事も食べてやろう。


 さて、こいつが食っていたモグラ?と思われる魔物も『捕食』しておく。

 変質によって能力が判明。だがこいつではただ爪が穴を掘ったりするのに便利なる程度の能力だった。

 本気でこのモグラの能力を利用するとしたら体型も変化させる必要がありそうだし、1部分だけ利用するって意味ではあまり使えない。


 狼が吠える。

 これどうやって持ち帰る?っと聞いているように感じた。

 俺は切り落とした首と胴体を別腹にしまって戻る。

 その様子をじっと見ていた狼は何か考えている様に見える。


「帰るぞ。道案内頼む」


 狼に頼むのは道案内ばかりだったなっと思いながら帰る。

 坑道だと特に目立つ物などろくにないので目印が付け辛い。

 なので俺達が来た道の匂いを頼りに帰るしかない。

 他に生物は居ないのか確認しながら帰ったが、何度確認しても魔物の気配はない。

 真祖がいるかどうか確認した後、この国には2度と来るような事はなさそうだ。


 匂いを頼りに帰って来ると鉱夫達が駆け寄ってきた。

 別腹からアームサウルスを取り出し、依頼を完了させたことを伝えた。

 鉱夫達から依頼達成の判とサインをもらってアヴァロンに戻る。


 アームサウルスその物はあまり価値がないらしく、むしろ鱗の様にくっ付いている鉱物の方が売れるぐらいだそうだ。

 と言っても鉱物には不純物も多く含まれており、あまり人気はない。


 それなら遠慮なく俺がもらっても問題ないな。

『変質』で鉄から不純物を取り除く事は簡単だし、巨大なインゴット化も簡単だ。

 後はアームサウルスの特徴である鉱物を鱗の様に纏う力がどれほどのものか試してみたい。

 という訳で早速アヴァロンに依頼達成の報告をして報酬をいただく。


 ついでに今日の宿はどうするかアヴァロンの人と相談したら難しい顔をされた。

 理由は狼がいる事。

 昼間絡まれた時同様風習と言うものは根深い。普通に馬などと一緒に泊まれる宿はあるが狼と一緒に泊まれる宿はないだろうという。


 ならせめて狼と一緒に居ても問題のない野営地はないかと聞いたら、現在は使われていない鉱物を掘りつくした坑道跡地ぐらいだと言われた。

 仕方がないのでそこに行く事にした。

 それに人気はないとの事なのでそこでアームサウルスを調理して食う事にしよう。


 狼は何故か俺の周りをウロチョロとしていたが俺の事を気遣っているんだろうか?

 とりあえず狼が気にする必要はない。

 神殿で暮らしていた頃は必要な物などろくなかったし、野宿とそんなに変わらない。

 強いて言うなら……風呂に入れない事が不満か。

 日本人としてできれば毎日風呂には入りたいものだ。


 坑道跡地に着くとそこには本当に何もない。

 元の世界で言う炭鉱跡地とはこんな感じだったのかな~っと思うほどのもの寂しさだ。

 少し遠くでは街の明かりが眩しい。

 坑道を改良した国なので太陽の光に浴びる事はまずない。本当にモグラみたいな生活だと俺は思う。


 それはさておき今日の晩飯?だ。

 太陽が出てないと本当に分かんないな。


 狼にはいつも通り森で狩った肉を焼くとして、俺はアームサウルスの肉だ。

 それぞれ別のフライパンで焼き、レア状態で焼けたら狼に与える。

 狼はその肉に思いっきり齧り付く。一応2キロあるんだが……これって適正な飯の量だよな?今更だけど。


 で、俺のアームサウルスの方は……意外とイケるな。

 ちょっともさってしているが……鶏の胸肉?みたいな感じだ。筋肉付けたい人が喜びそう。

 肉の油をかけながらすべて完食。ごちそうさまでした。


 そんじゃ次はこれでどんな力を得たか実験と参りますか。

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