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新たなる世界へ。

 スマホに新しくダウンロードしたゲームの【キャラ設定】

 名前は本名でいっか……森 大翔……

 漢字使えないのか……じゃぁ「ハルト・モリ」で。

 いややっぱ「ハルト・フォーレスト」にしよう。

 年齢は27歳だけど、18歳にしちゃえ。

 種族?もちろん人間で。

 あ、人間じゃなくて人族なんだ……じゃぁ人族で。

 タイプは、農民・商人・職人などの「市民」と、戦士・狩人・魔法使いなどの「冒険者」のどちらかを選ぶのか。

 まぁ冒険者だろうな。

 何が悲しくてゲームで畑を耕さなきゃならんのだ。

 どうせなら俺は魔法使いになりたい。

 あと三年もすれば、自動的に魔法使いになれるけどな。


 え、いきなり課金要求かよ。

 今ならルーン十倍ボーナスゲット!?

 課金額の十倍か。悪くない。

 無課金者が悪いわけではないが、俺はどうせ遊ぶなら金を使ってでも有利な条件で遊びたい。

 そうでないと我慢する事も多いし、ゲームをやっていても決して楽しめているとは言えない事も多いからだ。

 それでも一昨日給料日だったからで、普段から課金ばかりしているわけではない。

 そう給料日あとの今だからこそ金がある。

 どうせなら一番高いやつでやってやろう。

 せっかく課金額の十倍のボーナスが付くんだ。

 この程度の金額じゃ首を吊るほどの金額でもあるまいし、課金しない方が勿体ない。

 それにこれは自分へのご褒美だよ、ご褒美。

 いつも文句も言わずに仕事を頑張ってるからな。

 呼ばれたら「はい喜んで!」と言わんばかりにすぐに駆けつけるし。

 そう、ご褒美なんだからいいんだよ。



 さて、ゲーム開始っと……ん?【データ引き継ぎ】?

 気のせいか。さっきまでなかったと思うが、課金したからかどうかわからないが、以前のゲームデータを引き継げるようになったらしい。

 おかしな仕様だな。

 引き継ぎなんて項目は普通ならゲームタイトル画面とかにあるだろうに。

 それとも単に俺が見落としたのか。

 名前だの年齢だのを設定してから以前のゲームデータを引き継いでしまったら、たった今設定した意味がなくなってしまうではないか。

 やはり課金したからなのだろうか。

 このデータ引き継ぎの項目はさっきまでなかったような気がする。

 課金しないと引き継げないってのはクソゲー以外の何ものでもないな。

 俺が今このゲームを始めても、いつか引き継ぐ時がきたらその時また課金をするハメになるのか。

 いくら以上の課金なら引き継げるのか、今の時点ではさっぱりわからん。

 引き継がずにこのままゲームを開始してレベル一からやるのが普通だよな。

 もちろん初めてやるゲームだから引き継ぐデータなんてないのはわかっている。

 そりゃ一からやるのも楽しいが、俺は金があるなら課金もする方だし、実際もうしちゃったし。

 そういえばよく知りもしないゲームなのにもう課金しちゃったんだよな。

 他のゲームに比べてグラフィックがリアル過ぎるし、女キャラは可愛いし。

 たぶん続けられると思う。

 それに何事であっても動機が不純な方が永く続けられるって何かで読んだ事がある。


 ちょっと試しに引き継ぎってのをやってみるか。

 課金ユーザーならぞんざいに扱われないだろう。

 引き継ぐデータがなければ勝手にデフォルトになるだろうし。


「おーい! 森ー!」

 やっべ、早く帰れば良かった。

 もうタイムカード押したのにな。

 行きたくないなー。

 腹も減ったし早く帰りてー。

 呼ばれて喜んで行くヤツなんかいねーよフツー。

 文句言わずに仕事するヤツなんかただの社畜だよ。

 あーもー、仕方ねーな。

 ちゃちゃっと行って終わらせるか。






 ったく、あれくらいの事で呼ぶなよ。


 さーて、続き続きっと。

 あれ、俺のスマホどこに置いたっけ?

 机の上にないって事は、カバンの中に入れたか、あるいはポケットの中か……


 あ! 踏んじまった!

 画面割れたか!?……え?


「なんだコレ!? うわーっ!」


 まさか床に置きっぱなしにしているとも気が付かずに踏みつけた右足の下のスマホの画面から、もの凄い光が溢れてきて俺を包み込む。

 咄嗟に右足を引き上げようとしたが、まるで落とし穴の如く、そこにはスマホどころか地面自体が存在しないかのように重力に従い、俺はスマホの中に落ちていく。

 一瞬の出来事だが、せめてもがこうと両手を挙げるも、無慈悲なまでにあっさりとスマホの中におびただしい光とともに吸い込まれていった。


 床に転がったスマホが放った全ての光を吸い込み終えて、事務所の一角の休憩室は静けさを取り戻す。

 そして何事も無かったかのように、スマホはただ静かに自らの電源も落としたのだった。

投稿せず保存だけしておくつもりでしたが、どうやら投稿されていたようです。

使い勝手がよくわかっておりません。

次話はいつ投稿するか未定ですが、途中で連載出来なくならないように、ある程度書き溜めてから連載を開始します。

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