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詩的な僕の恋愛的駄文

無関係に瞳を閉じて。

作者: 結雨空


「ねえ、キス、していい?」


 唐突に彼はそう言った。


 私の右手の爪を優しく擦りながら。


 だから私は頬にキスをした。


 

 次の日、彼は私の唇にそっとキスをした。


 その次の日、私は彼の唇にそっとキスをした。


 そのまた次の日、私と彼はセックスをした。



 いつまで続くのだろう。


 いつまで続くのだろうか。


 この関係が。


 何を変わらない、変わることのない'無関係'が。



 そんなことを考えては私はため息をつく。


 

 彼が揺らすベットの上で。


 彼の揺れる柔らかい前髪。


 彼の冷たい手。


 彼の細めたひと目。


 彼のパンみたいな匂い。


 

 その全てが愛おしくて。


 その全てが愛おしすぎて。


 

 そんなことを考えては私はため息をつく。


 


 次の日、彼に彼女ができた。


 彼女には涙袋があった。


 彼にも涙袋があった。


 私には涙袋は無かった。



 たとえ、彼に彼女ができたとしてもこの'無関係'は続いた。


 私達の関係がばれないよう、いつも二人で歩いた帰り道を一人で歩いて、彼の家に向かう。


 彼は私を愛してくれていた。


 セックス中は愛してくれていた。


 セックス中は私の名前を呼んでくれた。下の名で。


 彼は私の名前を呼んでは、私の胸に顔をうずめた。


「好きだよ」そう言って。


 


 次の日、彼は「好きだよ」そう言わなくなった。


 その次の日、彼は私の名前を呼ばなくなった。


 そのまた次の日、彼はセックス中、瞳を閉じた。



 好きだよ、そう言って。


 私の名前を、ただ言って。


 私の瞳を、ただ見つめ返して。



 私は瞳を閉じた彼にそう問いかける。


 

 そう言って。


 ただそう言って。


 ただ私を見つめて。



 そう言って私は、瞳を閉じた。

 


 

次作のお題がれば助かります。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 初めまして。 「お題」を書く前に作品の感想を書かせて頂きますね。 なんていうか、諦めの中にもまだ相手に縋り付きたい部分が語り手の中に残っていて、切なくもあるし、情というものの業の深さみたい…
2017/02/12 18:21 退会済み
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