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Story6 やり返します。1

 「それで? お前は誰だ?」

 「えっ……?」


 あれ? 何で? ばれてるの?

 何か、俺ヘマしたか?

 ……いや、面白半分でやっているのかも知れない。


 「お父さん、僕はジンだよ?」

 「……なるほど。お前の本名は『刃』って言うのか」

 

 あれ? 今の発音、日本語ぽかったような。

 き、気の所為かな?

 

 「んん? この感じ、『神の加護』がついてんな? オーラの形的に、『あけぼのの女神・アウロラ』か?」

 「……っ!」

 「ビンゴだな」


 どういう事だ? 何故アウロラを知ってんだ?

 ……いや、一つだけ心あたりはある。

 だけどそれは。……それは、余りにもできすぎていないか?

 

 「だ、だから何の事?」

 「おいおい、もうばれてんだよ。お前も、もう分かってんだろ?」

 「ははは……はぁ」

 「おお、諦めたか。じゃあ、まぁこうなった経緯と……自己紹介をしようか」

 

 完全にバレた。しかも俺の予想があってそうだ。

 そんな事を思いながら、俺はおっさんに説明した。

 俺が死んだ事。死んでから『女神・アウロラ』にあって、異世界に行き『十二神』に会う事。その為に転生しおっさんの息子になった事、等々を説明した。


 「成程。ふむ大体の事は分かった。……じゃあ次は自己紹介だな。俺はサム。本名は『医術神・イムホテプ』だ」


 やっぱりか。予想通り、この世界の『十二柱』の内の一人だったか。

 ううむ、しかし。『医術神』かぁ。

 回復魔法ヒールが得意なのかな?

 『アウロラ』が行ったとおり、この世界には勿論魔法がある。

 この前、ローレルさんが『火魔法』を使っていた。


 「俺はおっさんがつけた通り、ジン。本名は『刹那 刃』だ」

 「おお、凄いな! 本名と同じなのか」

 「あと、おっさん。『医術神』ってのは嘘だろ?」

 「いやいや、俺は本当に『医術神』だよ? 何故、疑う」

 「おっさんみたいなマッチョが、医術とか有り得ないだろ」

 「失礼だな!?」

 

 イヤー、そう言われてもなー。

 見た目と合ってないんだよなー。


 「はぁ……まぁ良い。それよりもだな、ミッシェルの事だ」

 「ああ。俺は強くなって、ミッシェルを守る」

 「……ちょっと待てお前、もしかしてもう自分は家族じゃないと思ってるのか? 先に言っておくと、お前は俺とローレルの息子で、ミッシェルの弟だからな? そこんとこ勘違いするなよ? だから、俺はおっさんじゃなく『お父さん』で、ミッシェルじゃなく普段通り『姉さん』で良いだろう?」

 「……っ!」


 いきなりだったけど正直に言って、この言葉は本当に嬉しかった。

 前から何時も、自分が転生者という事に負い目を感じていた。

 俺はこの家族を騙しているんじゃないかと。

 だけど今、そんな事は関係ないと言っているのだ。

 お前は俺の家族だと。

 あっぶねー、泣きそうになるじゃねぇかよ。コンチクショー!


 「ククッ、さっきから脱線しすぎだな。本題に戻そう」

 「あ、ああ」

 「それで、その糞餓鬼共くそがきどもが何処の子供か分かるか?」

 

 ん? 何故そんな事を聞いてくるんだ?

  

 「えーっと、確か。武器屋の所と、雑貨屋、服屋、ガルラさんの所。あと、村長かな?」

 「……なぁ、やっぱ焼き払うってのは?」

 「絶対にだめだ。そんな事して、お、お母さんが嬉しいと思ってるのか?」

 「う、うむ」

 「でも、何でそんな事聞いてきたんだ?」

 

 てっきり、その親を殺すのかと思ってたけど違うと思うし。

 まぁ、そこまで重大な事ではないだろうから、あんまり気にしてないけど。

 

 「ん? ああ、年が知りたくてな」

 「年?」

 「ああ。十歳になると『ステータス』が見えるようになるだろ? 『ステータス』が見えるようになると身体能力が大幅に上がり、スキルや魔法を覚える事ができるようになるからな」

 

 結構、重要な話だった!

 意外とちゃんと考えてんだな。

 このおっさん。


 「因みに、一週間後にミッシェルが十歳になる。村長の所は三日後、武器屋は二週間後、雑貨屋は五日後、服屋は半年後、ガルラの所は確か明日だな」

 

 ……あれ? これやばいんじゃね?

 一週間後に倒せるの? これ。

 というか、ここ一週間位に誕生日かぶりすぎじゃね?


 「糞餓鬼共をボコすのは、一週間後だろ? 少しきついな……」

 「何とかして、一週間以内に強くなれないか?」

 「『ステータス』が見える前なら、お前の体でもギリギリやれたんだけどな。恐らく無理だろう」

 

 おおっと。ここに来て大変な事になりました。

 俺はあいつ等を倒せるのか? 果たしてその運命は!

 ……的なね。

 

 「仕方ない。娘と息子・・の為だ。俺の……神の力を使うか」


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