Story34 助けに来ました。
こんな時間にすいません。そして投稿遅くなりました、すいません!
「お、意外と早く来たなぁ? どうやってこんなに早く俺の場所が分かった?」
目の前にいる、ルナを攫った張本人のガルドがきいてくる。
頭の中の地図でルナのいる場所に急いで駆けつけると、ある洞窟についた。
そして、ガルドとルナどちらも洞窟内にいるらしく、中に入った。
洞窟内は意外と狭く、ガルド達に合うのは早かった。
そして今現在のこの状態になっている。
「企業秘密だ。それより、横にいるルナを返して貰おうか?」
「ク……ククク。はい、そうですかって返すわけがねぇだろうが。これから、最高のショーを見せてやるよ! 最初は耳を切って、その次に犯して犯して犯しまくってやるよ! お、まてよ? 他の奴等に回して、使えなくしてから返してやるのも良いな! キハハハハ!!」
正真正銘のクズだな、コイツは。
元ギルドのSランクとはいえ、死んでも良いんじゃないか?
そう思って横にいる、イレイラを見る。
イレイラの様子はまさに怒り心頭だった。
そして、その横の姉さんも久々に本気で怒っている様子だった。
姉さん達からルナに視線を向ける。
ルナは口に布を巻かれ、手足を紐で結ばれている。
ルナの姿に怒りを覚え、ガルドに視線を向ける。
「……お前に、それが出来る暇があると?」
「ククク、安心しなぁ。こいつがいれば、大丈夫だ! 来い『蛇竜ファーブニル』!!」
ガルドが右手を上に掲げ叫ぶと、ガルドの足元に紫色の魔方陣が浮かび上がる。
そして、魔方陣が一気に大きく広がり、洞窟内で眩しく光りだす。
次の瞬間、魔方陣から禍々しい紫色の鱗がついた長い尻尾が見え始め、そして細長い胴体と引き締まった足が出現し、蜥蜴の様な顔が現れ、その生き物の全体があらわになる。
見た感じ、全長は五十メートルはあるだろう。
黄色く光る鋭い視線を俺に向け、口から真っ赤な、蛇の様な長い舌をチロッとだす。
……蛇か、それとも蜥蜴か……まぁ、どうでも良いが、この狭い洞窟でコイツを召喚したのはだめだろう。
ファーブニル? がきつそうだけど。
「このファーブニルのランクはSSだ、俺より上とは言えSランクのお前には倒せねぇ!! いけぇ、ファーブニル! 痛めつける程度に殺せぇ!」
痛めつける程度に殺せって、結構難しいんじゃないか? ファーブニルもえっ!? って顔してるけど。
それにファーブニルは結構かっこいいな。召喚スキルでもとろうかな。
そう思いながら『無限倉庫』から『黒蝶』を取り出し、戦闘態勢に入る。
「俺がファーブニルを引きつけるから、イレイラと姉さんは何とかしてルナを助け出してくれ」
「分かったよ、まかせてねぇ」
「……絶対に助けてみせるよ」
俺は『黒蝶』を構え、今にも攻撃してきそうなファーブニルに突撃する。
狭い洞窟を活かして壁を走り、ファーブニルの頭上に飛ぶ。
そして、頭を切り落とす様に『黒蝶』を構え……切る!
確かな感触を手に、地面に着地する。
「SSとはいえ、傷位はついたよな」
『黒蝶』を構えながら、ファーブニルに向き直る。
姉さんとイレイラがルナを助けに行ってるから、ファーブニルはしっかりと引きつける。
だが、硬そうな鱗を持つファーブニルは微動だに動かない。
何か大きな攻撃の溜めをしてるのか? でも、魔力とかは感じられないな。
そう思いながら、ファーブニルを良く見る。
すると、俺が切った所から紫っぽい血が流れ出ていて、尻尾の先が黒っぽい光の粒子になって段々と消えていた。
「……あ、え? ……死んだ?」
「馬鹿な! こうも簡単にSSを倒しやがった!? くそっ! おい、話がちげぇじゃねえか!!」
ファーブニルが完全に消滅すると、ガルドが洞窟の天井に向かって叫びだした。
誰に向かって話してるんだ?
そう思っていると、どこから現れたのか、フードを深く被った女性とも男性ともとれず、人間なのかどうかも怪しい物体が何時の間にかガルドの後ろに立っていた。
「ふふ、安心したまえ。これも作戦の内だよ」
「そうか……で、これからどうするんだ?」
ガルドとフードが話し出す。
作戦と言う事は、どうやらグルみたいだな。
ちらりとガルド達の横に視線を向ける。そこには何も無い。
どうやら無事にルナを助けられたようで、俺の後方に避難していた。
これで心置きなく戦えるが、フードはどの位の強さか分からないが、二人を相手にこの洞窟で戦うのは無理だな。
そう、思っているとガルド達の様子が少しおかしくなっていた。
「ふふ、こうするんだよ」
フードがそう言いながら、針の様な物をガルドの胸辺りに刺した。
「グアッ!? な、何をしやがる!」
「ふふ、君は私を利用しようとしてたらしいけど残念。利用するのは私だよ。今君に刺した針の先には少し特殊なものを塗っていてね、それの実験とあわよくばそこのジンを倒して欲しいと思ってね」
「い、痛い!? 胸が、胸が熱い!! グアァ!! クッ、て、ててて、でめぇッ! こロス、ゴロじでやるがらなぁ!!」
ガルドがフードに向かって叫ぶながら、苦しく悶える。
しかも言葉もおかしくなっている。
そして、ガルドの肉体は段々と肥大化していき、皮膚の色も健康そうな肌色から赤紫色に変わり、肥大化しすぎたのか服は破け腫れたようになっている。
直感的にコイツはヤバイと感じ、後ろにいる姉さん達に向かって叫ぶ。
「逃げろッ!! コイツはヤバイ!」