Story33 攫われました。
すいません、今回は短めです。
あの会議の様なものの結果『峰山龍』が完全に復活した時、俺も含めギルドの精鋭達で討伐する事になった。
まぁ、俺も前よりは強くなってるし、しかもギルドの奴等と一緒にやるんだから楽勝だろう。
因みに『峰山龍』が復活する予想日時は二日後だそうだ。
意外と早くてびっくりしたが、そんな暇も無いとギルドの奴等は全員が戦いの準備をしている。
そして宿に帰り、寝て起きて今日も俺はギルドに来た。
「ルナはまだ来ないのかなぁ?」
「さぁね?」
今現在、ギルドの椅子に座りルナが来るのを待っている。因みにギルドの冒険者達は戦いの準備をしているのでギルドにいるのは殆どいない。
そして、かれこれ集合時間から一時間も過ぎている。
一時間も来ない事が心配になったイレイラは、さっきルナの家に行った。
「俺達も迎えに行くか? 姉さん」
「ルナの家、知ってるの?」
「家は知らないが、ルナの居場所は分かるよ」
ルナが奴隷になったことで、念じれば頭の中に地図の様なものが現れるようになった。
その地図には、人物が色分けされて載っている事が分かった。白色の点が俺、青色の点が奴隷のルナ、緑色の点が俺と関係のある人物。黄色が何も関係が無い者。そして、赤色が俺に敵意を持っている者だ。
なので念じれば、ルナの居場所はいつでも分かるのだが、それはプライベートを覗くと言う事になるのでしないと決めている。
とその時、ギルドの扉が壊れる勢いで開けられた。
「ジン!! 大変だ!」
「どうしたんだよ、イレイラ?」
「何かあったのぉ?」
ギルドの扉を開けたのはイレイラだった。
慌てたように、しかし何かに怒っている様に出てきた。
右手にクシャクシャの紙を持ちながら。
「どうしたんだ、イレイラ、そんなに慌てて」
「とりあえず、これを見てくれ!!」
そう言って、右手に持っているクシャクシャになっている紙を渡される。
大人しく渡された紙を開き、内容を見る。
『よぉ、元気にしてるかな? 俺だよ、ガルドだよ? 前置きとかは無しにして、ルナを拉致らせていただきました!! 早く俺の所に来ないと十二時になったら耳を切って、俺のものにしまーす! お前の目の前で楽しい事をしてやるから、早く来いよ!』
「つまり、ルナはガルドに攫われたという事だろ? しかも早く場所を見つけて、ルナを助けなきゃ! 十二時まで後、一時間も無い!」
イレイラが叫ぶ。
確かに早くしなきゃな、しかも『峰山龍』も復活するのが近いってのに、はた迷惑な奴だなガルド。
「そんな奴は一回、ボコボコにしてやるか!」
「おー!」
「ルナの場所は分かるのか?」
「大丈夫だ、すぐに助ける」
そう言って、俺達はギルドから飛び出しルナの所に走り出した。