Story3 やって来ました異世界
感想を頂いたので、一話と二話を編集しました。
感想ありがとうございます!!そして感想お願いします!
んぁ……知らない天井
……何か、どっかでこの台詞言った事があるな。
あぁ、女神様のところだ。
しかし今回の天井は普通でよかった。
寝転っている状態でよっくりと周りを見る。
天井は石でできていて、部屋全体も石でできている。
そして少しじめっとしている、どこかの地下だろうか。
そして目の前には鉄格子。
え、鉄格子?
……あれ? 声が出ない。
え、鉄格子? って言おうとしたのに、声が出ない。
そう思いながら、自分の顔を触る。
ふに。
けれど何か別の物に触れたらしい、それは人肌の様に温かくすべすべでもっちりしていた。
まるで赤ちゃんの肌だな。
生前は高校二年生だったから、近所の子のしか触ったこと無いけど。
まぁ良い、ちゃんと自分の顔に触ろう。
ふに。
……。
ふにふにふにふに。
いやまさか。そんな事は。
恐る恐る自分の体を見る。
そこには生まれてから数週間しか経っていないような赤ちゃんの体があった。
どうやら、赤ちゃんになったようだ。
んーそれもそうか、転生っていってたもんな。
つまり、生まれ変わったって事だろう。
ガッチャン
自分の今の容姿について考えていると、奥の方から何かを開ける音が聞こえた。
恐らく扉が開いたのだろう。
それにしても音からして、金属製だったよな。
厳重だな、ここの扉は。
今度は扉について考えていると、いつの間にか鉄格子の外に人が立っていた。
その男の見た目は四十くらいなのに、筋肉がてんこ盛りだった。
男は鉄格子の鍵を開けて、中に入ってくる。
そして、俺の目の前に来てしゃがみ、俺を抱きかかえると、
「よーちよーち、ご飯の時間でちゅよー」
そう言ってきた。
……はっきり言って気持ち悪い。
まぁまぁ強面の男の顔が、自分の顔の前まで迫り赤ちゃん言葉を使うのだ。
しかも結構汗臭い。
「今日のご飯は俺の娘と妻が作ったからな。娘はまだ四歳だからお手伝いって感じで殆ど何にもして無いけど、まだ四歳だぞ?四歳。俺も未だ娘のご飯は食った事が無いって言うのに……いっその事握りつぶすか」
見た目からして本当にできそうだからやめて!
誰か、誰か助けて!!
俺まだ死にたくない!
一人、心の中で誰かに『SoS』を送っていると、俺を抱えてるおっさんが可哀想な目を俺に向けて話しかけてきた。
「お前も可哀想にな黒髪ってだけで、生まれて三週間目に奴隷として親に売られるなんてな」
…………。
……………………。
んん? え、今なんて?
聞き間違えかな? 今奴隷として売られたって言ってたけど。
「俺はその奴隷館のオーナーで、親に売られた子供を何人か見てきた。だけども殆どが親に売られたショックで死んじまった……。勿論死なせるかと思って必死になっていろんな事をした。だけど無理だった。何人かは売られてったけど、ちゃんと幸せに暮らせてるのかは分からない。だからお前は、親の事さえ分からないお前は俺が……いや、俺と妻そして娘でしっかりと面倒見るからな」
何かちょっとシリアスな空気になってるけど。
おっさん良い奴なんだな。
「ってことで、お前は俺の息子だ。ククッ将来どんな暴れん坊になるかな。……良し俺がお前を最強にしてやろう! そして一緒に世界征服だ!! そうと決まれば、お前は四歳になったら俺と一緒に修行だ!! クカカカカッ!!」
あ、良い奴じゃない気がする。
四歳からこの筋肉マッチョと修行するなんて……俺は将来どんな体になっているのだろうか。
おっさんが一人俺に喋っていると目の前に重厚な扉が見えてきた。
恐らく出口だろう、おっさんが扉を開けると明かりが地下に差し込む、顔に明かりが当たって少し眩しそうにするおっさん。
そのおっさんが忘れてたように俺に言う。
「そうだ、お前の名前だがな。妻と一緒に考えたんだ。お前の名前は『ジン』だ」