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Story26 奴隷だそうです。

 「「……は?」」


 俺とルナールの声が重なる。

 また冗談かと思ったが、イレイラの表情は真剣なものだった。


 「ルナールは見たとおり獣人だ。だからこの王都では奴隷として生きていくしか無い。今は私の奴隷となっているが、私と本人のルナール以外はこの事を知らない。私の家族という事になっている」


 いや、獣人と家族で納得するのか?

 案外皆、獣人の事好きなんじゃねぇの?


 「それでも、何で俺なんだ? イレイラの奴隷ならそれで良いんじゃないのか?」

 「確かに私はこの王都では一番強く、ランクはSSだ。だが君は私よりも強いだろ?」


 王都の中で一番強いのかよ。

 しかも俺の方が強いって何で分かったんだ?

 

 「それに、ルナールは唯の獣人の狐族の女性では無い。狐族最後の巫女だ」

 

 狐族の巫女だとぉ!?

 奴隷にしたら巫女さんの姿見れるかな?


 「ってか、それと何が関係するんだ?」

 「ルナールの力を狙っている」

 「その力って?」

 「……固有『無限魔力』。その名の通り無限の魔力を保有しており、かつそれを他人に譲渡する事ができる」


 そ、それって結構凄いんじゃないのか?

 魔力はMPの事で、魔法を使うにはMPを消費する。

 つまり無限に魔力があれば、いくら魔法を使っても枯渇しないって事だろ?

 しかもそれを他人に譲渡できると。ま、マジですかい。


 「これを狙って色々な組織やら、国がルナールを狙っている」

 「よ、良くここにいるってばれないな」

 「いや、恐らくばれている。だから、ルナールを守って欲しい」


 成程、そう言うことか。

 でもだから奴隷って……。


 「何故奴隷に? という顔をしているな。王にルナールは私と行動させて欲しい、と言ったら交換条件としてそうなったんだ」

 「……はぁ、分かったよ。ギルドマスター直々の護衛依頼と思えば良いんだろ?」

 「ああ、すまない。そう言うことだ。因みに期間は無く、破棄は私が許さない」


 おい。

 ……まぁ、そこまでルナールの事を大切に思っているという事か。

 

 「それにしても、あって間もない奴を信用するなよ。俺がルナールを利用するかもしないだろ?」

 

 俺がそう答えると、ルナールが俯く。


 「言ったろ? 私の目に狂いは無い! それにジンは獣人を普通の人間として見ているしな。逆に好意的に見ているだろう? 主に耳を。だからだ」

 「……さいですか」

 「因みに報酬は私を妻にでき―――」

 「依頼を受けるか受けないかはまだ決められるよな?」

 「……冗談です」

 「……ルナールは俺の奴隷で良いのか?」

 「ああ、イレイラの認めた男だ。問題ない」

 

 そっか……。信頼してるんだな。

 ……それにしても奴隷にするにはどうすれば良いんだ?


 「奴隷にするにはどうすれば良いんだ?」

 「奴隷にするには、スキルに奴隷にするスキルが無ければいけない」


 スキルか……久しぶりに創ってみるかな?

 えーっと、奴隷にする固有ユニークスキルっと…………出来た。

 さぁさぁ皆さん、お待ちかね……かな? 俺のステータスだ!

 

  LV 63

 HP 8825/8825

 MP 4756/4756

 攻撃 6382/6382

 防御 7329/7329

 俊敏 9396/9386


 

 スキル  『剣術(極)』 『弓術(極)』 『槍術(極)』 『妄想力(極)』 『体術(極)』 『忍び足(極)』 『捕縛(極)』 『投影(極)』 『遠投(極)』 

 固有ユニークスキル 『固有ユニークスキル創造クリエイション』 『最強』 『武器創造ウェポンクリエイション』 『魔法創造マジッククリエイション』 『無限倉庫アンフィニハウス』 『取得ステータスアップ』 『レベルアップ補正』 『世界図書館ワールドライブラリー』 『素材完全回収』 『完全鑑定』 『完全隠蔽』 『倍化』 『奴隷化』


 魔法 『火魔法(極)』 『水魔法(極)』 『風魔法(極)』 『土魔法(極)』 『光魔法(極)』 『闇魔法(極)』 

 固有魔法ユニークマジック  『究極魔法』 


 固有 『あけぼのの女神の加護』 『医術の神の加護』



 皆さんは『光聖龍』との闘いで『光聖龍の逆鱗』を破壊したのに『光聖龍の逆鱗』が『無限倉庫アンフィニハウス』に入っていた事を覚えているだろうか?

 あれの仕組みは固有ユニークスキル『素材完全回収』を使ったからだ。

 

 『素材完全回収』……この固有ユニークスキル保持者が倒した対象の全ての素材・アイテムを『無限倉庫アンフィニハウス』に自動転送する。


 ついでに新しいのも。


 『完全鑑定』……対象のステータスを全て閲覧できる。対象の隠蔽を無効化し閲覧できる。


 『完全隠蔽』……自分に鑑定をかけられたとき、設定したステータスを閲覧させる。この『完全隠蔽』を如何なるものでも相手は無効化出来ない。 


 『倍化』……十五分間全ステータスを倍にするが、終わった後激しい嘔吐感と筋肉痛に襲われる。


 『奴隷化』……承諾を得た対象の者を永久に奴隷にする。承諾を得た対象の動物・魔物・モンスター・竜・龍・を奴隷にする。奴隷になった者とは念話が使え主人の方は奴隷の場所が分かる。また、奴隷は主人に絶対服従を誓い、裏切れない。


 ……え、まって? 『奴隷化』の神を奴隷にするってどういう事?

 固有ユニークスキルだからなのか? 普通の奴隷にするスキルより強いのか?

 ま、まぁ、深くは考えないようにしよう。


 「という訳で、用意した飯がきたら奴隷館に行こう」

 「あ、いや。俺、そのスキルを持ってるから大丈夫だぞ」

 「……意外とそういう趣味があるのか。え、Sで鬼畜だったんだな」

 「一人も奴隷はいないし、固有ユニークスキルだからたまたま持っていたんだ」

 「そうか、お前は奴隷を持つ運命だったんだな」

 

 もうヤダこの人。

 はぁ……まぁ、良いか。

 ちゃっと奴隷にしましょう。

 ……べ、別に嬉しくなんか無いんだからねッ!?


 「じゃあ、ルナールこっちに来て貰えるか?」

 「あ、ああ」


 俺は席を立ち、部屋の少し開けた所に来る。

 そうするとルナールも俺の近くの場所に来る。


 「いいか、ルナール。俺の奴隷化スキルは固有ユニークスキルで、永遠に俺の奴隷になってしまう。それでも良いか?」

 「……ああ。よろしく頼む」

 「……分かった。いくぞ?」

 

 俺はルナールに右手を翳す。

 

 『奴隷化』!


 心の中で叫ぶと、ルナールを中心に足元に魔方陣の様なものが浮かび上がる。

 それと同時にルナールの体が淡く光る。


 「……んっ……あ……!」


 ルナールが右手を押さえながら、苦しそうに悶える。

 よく見るとルナールの右手が紅い様な色で強く光っていた。

 そして次の瞬間、足元の魔方陣がルナールに向かって収束する。


 「あああ……っ!!」


 ルナールに魔方陣が収束した後、ルナールが糸が切れたようにその場に倒れる。

 

 「お、おい。大丈夫か!?」

 

 俺はルナールに急いで駆け寄る。

 それに続く様に姉さんとイレイラも後を追う。

 

 「だ、大丈夫だ」

 

 荒く息を吐きながらもそう答える。

 少し体が火照っているように思える。


 「良かった。それよりもジン、これは成功なのか?」

 「俺も初めてだから分からん」


 うーん、どんな感じになれば成功なんだ?

 ……そういえば、『奴隷化』に居場所が分かるってなってたよな。

 目を瞑り、ルナールの事を考える。

 すると頭の中に、地図の様なものが出てきた。

 その中央に白い点があり、重なる様に青色の点と緑色の点が二つある。

 ……白い点が俺かな? それで緑色がイレイラと姉さんかな?

 という事は消去法で青色がルナールか。青色は奴隷って事か。

 

 「どうやら成功しているみたいだ」

 「そうか。……では、ルナールの事を頼んだぞ」

 「ああ、任せろ。……って事でこれからよろしくな、ルナー……ル?」

 

 イレイラに任せられ、改めてよろしくと言おうとルナールの方を向くと、未だ顔を蒸気させながら何かを呟いているルナールの姿があった。


 「永遠に奴隷という事は一生傍にいるという事で、一生傍にいるという事はけ、け、結婚という事になるのではないか? そうすると接する時に少し恥ずかしいというか……別にいやという訳ではない、むしろ嬉しいからそれは奴隷としても、つ、つ、つ、妻としてもこれから支えていく訳で……」

 「る、ルナール……さん?」

 「ひゃい!? こ、こ、これから末永くよろしくお願いしましゅ!」


 何故、三つ指をつく!?

 そして、キャラが変わりすぎでしょ!?


 「そ、それと私の事はルナで良い。……あ、主」

 

 上目遣いでしかも潤んだ目で見るのは反則だぁ!!

 

 「よ、よろしく。ルナ」

 「御姉さんもよろしくお願いいたします」

 「? よろしくぅ」


 若干姉さんを呼ぶニュアンスがおかしい気がしたが、気のせいかな?


 コンコン。


 するとドアをノックする音が聞こえた。


 「お、どうやら。飯が来た様だな」

 「やっと、ご飯だよぉ」


 姉さんが歓喜のあまり涙を流している。

 何か惨めだからやめて姉さん。

 ドアを開けて入ってきたのはコック帽を被った女の人だった。

 

 「お料理をお持ちいたしました」

 

 そういって、料理を机に並べていく。

 結構な量があるな、四人前じゃない気がする。

 まぁ、良いか。 


 「じゃあ、姉さん食べようか」

 「食べようかぁ」

 「「いただきます」」

 「いただきますとは?」

 

 イレイラとルナが首を傾げて聞いてくる。

 なのでもう既に、口いっぱいに料理を入れてる姉さんに変わって説明する。

 

 「ご飯を食べる前の礼儀みたいなものだよ」

 「成程。では私達も」

 「「いただきます」」


 そういってイレイラとルナも料理に手をつける。


 「……ジン君が作った料理の方がおいしい」

 「姉さん……。それ思ってても、作った人の前で言っちゃだめだからね?」

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