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Story24 ギルドマスターです。

 ブックマーク五十人いきました! ありがとうございます!

 これからも読んでいただけると、幸いです!!

 ギルドの奥から出てきた女性は、茶髪のセミロング、胸まで髪を伸ばしているが、さっきまで寝ていたのだろう酷い寝癖がついていた。

 瞳は深海のようなそれでいて、透き通っている蒼色だった。

 見た目は十代後半か二十代前半で、唇は色っぽく艶があり、大人の魅力を持っていた。


 「まったく、私だって早く結婚したいのに。真昼間から告白しやがって」


 まだ、眠そうに欠伸をしながら俺の方に近づいてくる。

 そして完全に傍まで来ると、俺を一瞥ししゃがむ。

 

 「ぎ、ギルドマスター!?」


 ガルドがしゃがんだ女性を見て、目を見開き、驚いたような声で叫ぶ。

 え? ギルドマスター? この人が? 

 俺はギルドマスターって、筋肉ガチムチのおっさんだと思ってた。

 そのギルドマスターは俺から視線を逸らし、ガルドを見る。

 そしてゆっくりと語りかけるように話す。  


 「なぁ、ガルド。良く聞け。お前は、このギルドなら三番目に強く、王都全体なら四番目に強い。……けどな? 強いからって何でも許される訳じゃないんだ。お前がした事は犯罪だ」

 「俺は知らないな」


 嘘付け、コラ。

 お前ルナールの事ストーカーしてるだろうが。

 ストーカーは完全に犯罪ですよ?


 「ほう? ならお前宛の被害届の内容を教えてやろうか?」

 「ぜひ」

 「まず、獣人の狐の女性からだ。仕事中に事ある毎につまらない話をしてきて仕事に集中できないとの事だ」

 

 ルナールの事じゃね? ルナールの事だよね?

 名前伏せてるようにしてるけど、全然伏せられてないからね?

 何か、ルナール俯いてるし。


 「まだあるぞ? 次も獣人の狐の女性からだ」

 

 次もルナールかよ。

 ってか、ルナール以外いるのか? 全部ルナールだろ。

 ……まって? 何かギルド内暗くない?

 何で、ギルドマスターは光魔法で下から照らしてるの?

 姉さんが怖がってるから、やめて欲しいんだけど。


 「ある日仕事が終わり、宿への帰路についていると後ろから足音が聞こえた」


 ホラー系、きたぁぁーー!!

 姉さんが本当に怖がってるから、やめてあげて。

 そして、冒険者の男共は姉さんを見て和むな。ギルドマスターの話を聞け。


 「その女性は不審に思い、歩く早さを早めた。しかし、後ろの足音は一向に離れない。むしろ、近づいて来る。

女性は意を決し、後ろを振り向いた。しかし後ろには誰もいなかった。その事に安堵しホッ、と胸を撫で下ろした。足音は気の所為だったのかと思い、宿に行く進行方向に向き直ると…………変態ガルドが目の前に!!!」

 「「「「きゃあぁぁぁーーーーーー!!!!!」」」」

 「うるっせぇよ!! 話をしたギルドマスターと犯人のガルドが女の子みたいな悲鳴を出すんじゃねぇよ!! それに抱きつくな! ……ってかガルド、何時の間に俺の下から出たんだよッ!?」

  

 悲鳴を出した四人。

 一人はずっと怖がっていた姉さん。被害者のルナール。

 そして、何故かこの話しをした本人。ギルドマスターとこの話の犯人。ガルドが悲鳴を出したのだ。

 しかもガルドは何時の間にか俺の下から出たのか、俺に抱き付いていた。

 勿論姉さんも俺に抱きついている。

 更に言えば、ギルドマスターはルナールと抱き合っている。


 「はぁ。何で話をした本人と犯人が怖がるんだよ……」

 「すまない。怖い話をすると、自分も怖くなって。あるだろ? そんな事」

 「いや、まぁ。あるけどさぁ……」

 「お、俺も怖いのは苦手なんだ」


 もう良いよ、分かったからとりあえず離れるよ。お前……

 

 「ゴッホン。まぁ、良い。次に行くぞ」


 いや、良くなけどね?

 

 「最後も獣人のきちゅ……つぅ」

 

 あ、噛んだ。盛大に噛んだ。

 うわぁ、メッチャ痛そう。

 しかも、結局全部ルナールかよ。


 「……最後もルナールの被害届だ」

 「結局、名前言っちゃったよッ!!」

 「その日は仕事が速く終わり、宿に戻って風呂に入ろうとした」

 「はい、無っ視ッ!!」

 「そして、風呂に入り体を洗っていると、何処からか視線を感じた。まさかと思い、窓がある後ろをゆっくりと振り返る。そこには何と……変態ガルドが!!」

 「……それはぁ、流石にだめだと思うのぉ」

 「だろ? もう、本当に寒気がして」

 「ああ、本当だな。そんな変態がこの世界にいるとは。見つけたら俺が、ボコボコにしてやるよ」

 「ねぇ?」

 「だろう? その時は頼むよ」 


 …………。


 「あれ!? これ、俺がおかしいの!? ねぇ、俺がおかしいの!? 普通に犯人の変態が被害者と会話してるんですけど!! え、ガルドだよね!? 犯人の変態ってガルドだよねッ!?」 

 「何か。大変だな。ジン」

 「お前らの所為だからな!?」

 

 はぁ……はぁ……。

 何か俺、ツッコミばっかだわ。

 本当はボケが良かったんだけど。

 

 「ふぅ、まぁ。冗談はこの位にして。……ガルド、捕まるよりはましだろう? ギルドマスター権限だ違う町に行け」

 「でもッ!!」

 「ほら、ルナール。お前も何か言ってやれ」

 「わ、私か!? ……お前みたいな弱い奴より、えーっと……ジンの様な強い方が良い!」

 「……クッ! 覚えておけよ! この野郎」


 そう言って、ガルド全速力でギルドから出て行った。

 何か言うからって、俺を巻き込まなくても良いだろ……。

 ま、いっか。 


 「……さて、姉さん。ご飯でも食べに行こうか?」

 「うん、行こぉ! あと、疲れたからぁ、ご飯食べたら宿とってぇ、早く寝たい」

 「はいよ」


 俺と姉さんはギルドの出口に向かって歩き出す。

 しかし、後ろから俺と姉さんを呼び止める、ギルドマスターの声がした。


 「二人共、待ってくれ。私とルナールと二人で、少し話がしたい。奥に来てくれないか?」

 「いや、別に良いんですけど……」


 そう言いながら、俺は横の姉さんを見る。

 案の定イライラを通り越し、ご機嫌斜めの様だ。

 頬をぷっくりと膨らませている。

 俺は姉さんから目を逸らし、ギルドマスターを見る。


 「しょ、食事はこちらで出すから、奥で話しながらでどうだ?」

 「だってさ、姉さん。ギルドマスターが用意したご飯だぞ絶対おいしいぞ?」

 「…………うん」

 「はぁ、ハードルを上げるな……」

ガルドの強さを三番から四番にしました。

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