Story22 王都・グラリアです。2
新ヒロインのにおい……
「冒険者ギルドってここだよな……」
目の前にある建物は、何処からどう見ても立方体の物で、横幅は一戸建ての家が三個分の大きさだ。
冒険者ギルドと言うからには、汚くボロボロな所を想像していたが違ったようだ。
とても清潔感があって、建物自体にヒビなど入っておらず隙間風は無さそうだ。
「うーん、予想とは大きく違うが兎に角入ってみるか」
「うん。早く済ませて、ご飯食べようねぇー」
「はいはい」
両開きの扉を開けて中に入る。
その中は外と同じで、清潔感があり。
小説などで出てくる酒でびしょびしょな床ではなく、綺麗な木目のある床だ。
奥にある本棚にある本は乱雑では無く、しっかりと整理整頓がされている。
しかし、冒険者ギルドだけあって中には何人もの屈強な男達、そして何人かの女性がいる。
恐らく冒険者であろうその人達は、左奥にある机と椅子に座っており、横には自分の得物が立て掛けてある。
俺と姉さんが入ってくると俺達に気づき、俺を一瞥した後興味無さげに視線を逸らし姉さんに視線を向ける。
姉さんが視野に入った途端、男達は目を大きく見開き頬を緩ませ、女性陣はチッと舌打ちをする。
「うわぁ。女性って怖っ」
「……? 何が?」
隣にいる姉さんに言うと、何の事と言う様に首を傾げる。
まぁ、良いか。と受付カウンターを探す。
受付カウンターは冒険者達がいる反対側、入り口から右側にあり窓口は五つある。
その内四つは何人かの冒険者によって列になっているが、一番奥の窓口だけは誰もいないで開いていた。
「お、あそこが開いてるな」
冒険者達の視線の中、姉さんとそそくさとその窓口まで行く。
窓口は至ってシンプルで、下まで板のある机と、隣との境に薄い木の板があるだけだ。
窓口を観察しながら、一番奥まで来る。
到着した後、受付の人を見て俺は固まった。
その受付の人は俺と同じ黒い髪で、前髪に少しだけ赤色のメッシュが入っておりとても艶やかだった。
髪の長さは完全に腰より下にあり、後ろの腰の辺りで一つにまとめてある。
目の色は、メッシュと同じ鮮血に似た鮮やかな赤色で、目元がややつり目で鋭いが整っており鼻や口も整っていた。
顔全体がシュッとしており、何処からどう見ても美人に当たる部類だった。
受付の人は全員、少し黒目のスーツの様なものを着ている。
俺がいる受付の人以外もとても美人だが、髪色が金髪やら青やらであまり似合っていなかった。
しかし、目の前の受け付けの人は黒髪だからかとても良く似合っており、良く映えていた。
美人だとしても黒髪だからか、冒険者は誰も近寄ろうとしなかった。
だが、この受付の人が避けられているのは黒髪だけでは無いだろう。
黒髪の上にある三角で尖っているが、もふもふとする黒いそれは犬耳の様なもので時折動くのだ。
俺は人がいっぱいいると言うのに、思わず叫んでしまった。
ファンタジー物のそれに。
「獣耳……しかも狐耳来たーーーー!!!!!」
黒髪は珍しいですね。




