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Story18 母の般若。

 すいません、投稿できませんでした。

 その分と今日の分を投稿します。

「んぁ……知らない天井。……がついに無くなったぁ」


 この台詞を言うという事は、また気絶していたんだろう。

 でも今回は天井が無かった。その代わりにミッシェルの顔があった。

 ……へ? ミッシェル?


 「おはよう、ジン君。体調は大丈夫?」

 「それは俺の台詞だ……。ミッシェルこそ大丈夫か?」

 「え、何で私?」

 「ああ……後で話すよ」

 「それより、今の状態について何か反応は?」

 「ん? 今の状態?」


 俺は寝転がっていて、後頭部に何故かやわらかい感触。目の前には、ミッシェルの顔。

 後頭部と、ミッシェル……。


 「うわぁ!!」

 

 自分の状態に気づき、上半身を起こす。

 何とミッシェルに膝枕をされていたのだ。

 例え姉だとしても、転生前は高校生だったんだ。

 ……まぁ、十歳の女の子に欲情はしないが。 


 「ふふ、その反応が見たかった。」


 あれ、何故だろう? 一瞬、お母さんに見えた気が……。

 

 「あんまり、からかうなよ……」

 「ごめんね? ……でも何でそんなにボロボロなの?」

 「……後で親父と全部話すよ。……それよりミッシェル」

 「ん? 何?」

 

 俺はゆっくりと立ち上がる。

 その時、立ち眩みの様な感覚に陥ったが、すぐに何事も無かったかのように収まった。

 それに何故か、気絶する前よりも目線の高さが違う気がするが……気の所為か?


 「ジン君?」

 「あ、ああ」


 腰を曲げ、ミッシェルに思いを伝える。


 「ミッシェル。……俺の所為で辛い目に会わせて、ごめん] 

 「じ、ジン君! 私こそごめんね、あんな酷い事を言って。ジン君の所為じゃないのに……」


 俺がミッシェルに伝えると、ミッシェルが謝ってきた。

 ミッシェルは優しいなぁと、思うけどここは引けない。


 「いや、俺の所為だ。もっと早く、俺の所為で辛い目にあってるミッシェルに気づきたかった」

 「ううん。私の為に辛い修行をしてくれたんでしょ?」

 「はいはい、そこまでね。お父さんとジン君にはお話があるので、リビングに来て。ミッシェルも来たいんだったら、来ていいわよ?」

 

 横からお母さんの声が聞こえたので、横を見る。

 そこには猫の様に襟元をつかまれ、大人しくなっている親父。

 そして、顔は笑っているのに目が笑っていないお母さんがいた。


 「うん、私もお話聞きたいな」


 ミッシェルが曇りの無い笑顔でお母さんに答える。


 「は、ははは……」

 

 俺は自然と冷や汗が出るのだった。











 

 今俺はリビングにいる。

 俺の隣に親父、親父の前にお母さん。

 俺と向き合う様にミッシェルがいる。

 

 「成程、ミッシェルはキントくん達に苛められていて。その原因がジンにあると」

 「うん」


 お母さんに答える。

 

 「それでジンの事を、村の皆が『黒髪』って呼んでいると」

 「はい。そうです」


 今度は親父が答える。 

 親父がお母さんに敬語なのは、お母さんの後ろにいる般若の所為だろう


 「……この村を焼き払うか」

 「何であんた達はその考えに行き着く!!」 

 

 お母さんが暫く考えて出した考えに、思わずツッコミを入れる。

 この両親怖いよ……。

 

 「冗談よ。……冗談じゃなくなるかも知れないけど」

 「だめだからね!?」

 「それで? ジンは本当に転生者なの?」

 「大丈夫だよね、村焼き払わないよね?」

 「どうなの?」

 「うん、そうだよ」


 俺は顔を俯かせて答える。

 まだ、後ろめたさがあるのだ。


 「そう。じゃあ、次ね。何で『光聖龍』を倒せるほど強かったの?」

 「……え? 転生の話終わり?」

 「終わりよ」

 「何で? 俺はお母さん達を騙してた様なものなんだ!?」

 「何でって……ジンは転生者だからって、私達の事を家族じゃないと思ってる?」

 「ううん、全然!! むしろお母さん達が家族で良かった、って思ってる」

 「それと同じよ」

 「……え?」

 「ジンが転生者だって、私とこの人の息子には変わりないわ」


 お母さんが親父の手を取って言う。

 そして今度は、親父が笑いながら言う

 

 「だから言っただろう? ジンは俺達の息子で、ミッシェルの弟だって」

 「そうだよ!! たとえ私より年が上だとしても弟だよ! ……あれ? そしたらお兄ちゃんかな?」


 親父の次にミッシェルが答える。

 ミッシェルの答えに、思わず笑ってしまう。

 でも笑っているのに、何故か涙が頬を伝った。

 

 「お、何だ何だ。泣いてんのか? 嬉し泣きかぁ? このこのー」


 親父が肘で俺をつついて来る。

 

 「な、泣いてねぇし!?」

 「はいはい、終了」


 お母さんが手を叩いて、止めにくる。

 いや本当に泣いてないんだよ? ただ目にゴミがね?


 「というか、お母さんは俺が転生者って信じるの?」

 「だってこの人が『神様』だからねぇ」

 「お母さんは親父が神様って知ってたの?」 

 「結構前からね」

 

 ホヘー。冒険者時代の話かな?

 でもミッシェルは?


 「ミッシェルは何で?」

 「私は『ステータス』に出てるから。最初はお母さんが神さまかなって思ったけど」


 ああ、それは分かるわー。

 この筋肉マッチョな人が、医術の神って信じられないもんな。


 「いいよいいよ。どうせ俺は医術の神には見えませんよ」


 親父が拗ねた。筋肉ムキムキの男性が拗ねると面倒くさい。


 「それよりも。何でミッシェルの事話してくれなかったの」

 「そ、れより、も……?」


 お母さんの台詞に親父が物凄いダメージを受ける。

 おお、凄い。親父の周りが暗くなっている。


 「何で、教えてくれなかったの?」

 「えっと……お母さんに言うと、倒れちゃうと思って……」

 「確かに倒れちゃうわね。……相手が」

 「そっち!? お母さんってそんな感じの人だったの!?」

 「え、何だよ。ジンそう言う意味で俺に言ったんじゃないのか?」

 「普通ありえないでしょ!!」


 いつの間にか復活した親父にツッコム。

 マジか、お母さんってそんなに怖い人だったのか。


 「ふ、ふふふ」

 

 いきなりミッシェルが笑い出した。


 「どうしたんだ? ミッシェル」

 「また、こういうふうに戻って良かった、と思って」

 「クク、そうだな」

 

 確かにな、また仲良く暮らせるのは良いな。

 楽しいし、何より心が落ち着く。


 「でも、村の事は何も解決してないんだ。またミッシェルが苛められるかもしれない」


 お父さんが、椅子から立って喋り出す。  

 うん確かに、でもその事については一つ考えがあるから大丈夫。

 それに俺は今、気になっている事がある

 

 「なぁ、親父。『光聖龍』を倒した後から何か、身長が急激に伸びた気がするんだけど。これは、LVが上がると

共に体が戦闘に適した体になるとか?」

 「ああ、いや。そんな事は無い。身長が伸びたのは、俺がジンの年を五歳から七歳にしたからな」


 ……………はい?

 今なんと?

 五歳から七歳? ガチですか? 


 「……でもどうやって? 『神界』に行って『神の力』を使ったとか?」

 「いや調合した薬で。因みに薬を飲ませたのは、ミッシェルだから」


 俺はミッシェルを見る。

 見られた当の本人は首を傾げていた。


 「私そんな事したっけ……? ジン君に薬を飲ませたのは、体の中の見えない………ああ、もしかして!」

 「そう、そのまさかだ! 何かあってお父さんがジンに怒られても、飲ませたのはミッシェルって言って逃げられるからな!!」

 

 いや親父、それドヤ顔で言う事じゃないから……。

 自分で暴露しちゃだめだから。

 

 「お父さん、酷い!!」

 「はははー。大人は酷い生き物なのだよ。ククク」

 「……という事は、私も騙したって事? あ・な・た」

 「あ、いや、その。ちょっと待って! 来ないで! 般若で来ないでー!!」



  しばらくおまちください。



 「それで何で親父は俺の年を変えたんだ?」


 顔の痣を『光魔法』の『回復魔法ヒール』で治している親父に聞く。


 「ジンが、ずぐにぼうげんじゃに」

 「ごめん、何言ってるか分かんない」


 顔の痣が酷すぎて、何を言っているのかまったく分かんない。

 というか、神様って知ってるのにボコボコにしたお母さんが怖い。

 顔の痣を治し終えた親父が答える。


 「ジンが、すぐに冒険者になって、この村を出て行くって言っていたからな」

 「……どういう事?」

 「冒険者になるには『十五歳』からなんだ。だから早く冒険者になれるように、二年早くしてあげたと、思ってくれればそれで良い」


 そういう事か。

 でも果たしてこれは、感謝すべき事なのか?

 うーむ、それにこれは世界の法則を捻じ曲げてるよな。どんな薬なんだ? それは。

 そんな事を考えていると、ミッシェルが何かを決めた様な顔で、親父とお母さんに向けて話し始めた。


 「お父さん、お母さん。私もジン君と一緒に冒険者になって……良い?」


 ミッシェルが話したのは、俺と冒険者になるという事だった。

 はっきり言ってだめなんじゃないか? 冒険者は比較的危険な職業だし、そこに神様の娘と言えど女の子がなるのは……。


 「別に構わないぞ? なぁ?」

 「ええ、別に良いわよ」


 ずいぶんとあっさりしてるなー。

 流石、元冒険者。どんな仕事があるか分かってるから、簡単な物を受けさせるのかな?

 

 「だけどミッシェル。死ぬ様な物ばっかりだけど良いのか?」


 おおっと、死ぬ様な物ばっかりだってさ。

 俺はそれになろうとしていたのか。

 それよりミッシェルの反応は?

 

 「うん! 大丈夫、私はジン君と一緒にいたい!!」


 ……兄弟だよ? ミッシェルは兄弟として、弟の事が心配って事で言っているんだよ?

 別にミッシェルとの間には、何も無いからね?


 「そう、ジンも強いから大丈夫ね」

 「でもジンに守って貰ってばかりはだめだからな。これからミッシェルも修行をするぞ?」

 「うん! よろしくお願いします!!」


 修行仲間が増えました。

 でもミッシェル、親父の修行はスパルタだからね?


 「よし、じゃあこの後の事について話します。まずお父さんには、この村をーーーー」

 「俺に一つ案があるんだけど」


 親父の危険な考えを遮って俺の案を話す。


 「はい、ジンさん。発言を許可します」


 お母さんが俺に言う。

 何処の裁判長だよ……。


 「親父って奴隷館のオーナーでしょ?」

 「ん? そうだが」

 「だったら奴隷さん達と、村を作ったら?

 「ああ、いや、その。奴隷館には奴隷はいないんだよ。ジンが最初で最後の奴隷だ。そもそも俺は奴隷制度が嫌いだからな」

 

 ……はい?

 奴隷さんがいない、と。

 しかも、奴隷制度が嫌いなのに奴隷館のオーナーをやっていると。


 「じゃあ、何で仕事に出かけるんだ? 奴隷さんはいないんでしょ?」

 「それは出勤するふりをして、何時も愛してるお母さんとミッシェル、ジンを遠目から見守ってるんだよ」

 「あなた……」

 

 お母さんが頬を赤くしながら言う。

 でもすぐに、お母さん後ろに般若が出てきて、


 「後で仕事について、じっくり話しましょうね?」

 「はい……」


 うーん、じゃあどうしよう。

 他に良い案といえば……ヤバイ、本当に村を焼くしか無い気がする。


 トントンッ。


 そう、俺が考えていると。玄関の方からノックが聞こえた。


 「俺が行って来る」


 俺は席を立って、玄関に向かう。

 こんな夜中に誰だ?

 一応怪しいから、俺が来たんだけど。

 そんな事を考えながら恐る恐る玄関を開ける。

 

 「この度は真に失礼な事をしてしまい、申し訳ありませんでしたー!!!!」

 

 そこにはミッシェルの事を苛めていた、奴等。

 その家族、村長。

 そして、俺を黒髪と言っていた、村全員が土下座でいました。

 ……とりあえず、扉を閉める。


 「どうしたんだ、ジン。誰だった?」



 親父が心配になって、俺の所に来たらしい。





 …………どうでも良いけど、この世界にも土下座ってあるんだな。


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