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初期練習作(短編)

最高の素材とは

掲載日:2015/06/16

 パーツの内部が曇っている。

博士は注意深くコードをいじった。

人形からはあらゆる機械が飛び出て、

内部の機構も丸見えになっている。


 「おじいちゃん、早くしてよ」

人形が声をあげて急かす。

「お客さんが来たらどうするの。

恥ずかしいでしょ、何とかして」

泣きそうである。

しかし博士も泣きそうになっていた。

全部をきれいにするには、

数時間はかかりそうだ。


 「ピンポーン」

インターホンが鳴る。

人形が悲鳴を上げる。

博士は玄関を開けた。

「集金でーす」

「ありがとう、いつもすまないね」

「どうもありがとうございました!」

やりとりが終わって博士が戻ると、

人形がいない。

あいつめ、どこへ行った。

まだ半分ぐらいのパーツは外にある。


 「おじいちゃん……もういい?」

かぼそい声が聞こえる。

博士はベッドの下を覗き込んだ。

そこには見るも無残な光景が広がっていた。

猫が空っぽの人形のお腹の中で丸くなっている!

大変だ!

毛が入ったらどうしよう!!

ただでさえ手がつけられないのに!!!


 人形が這い出てきたが、

やはり様子がおかしい。

自分の身体をペロペロ舐めだした。

やはりダメか。

しかし女子中学生の髪の毛よりはましかもな。

博士はため息をついた。


 2年後、博士は外出していた。

あの人形も一緒に歩いている。

人形はこぎれいな格好をし、

礼儀正しく人々と接している。

やはりこの素材が一番だ。

博士はおおいに笑った。

ヤマアラシの毛。

失敗が多いほど学習し、利口になる。

人形でも人間でも同じだ。


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