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合計百二点の告白

作者: げんげん

初めて書きました。一回読んでくれたらうれしいです、はい。


 僕が彼女に告白して一か月経っていた。告白の内容は完璧だった。僕のもてる限りのボキャブラリーを使って彼女の美しさを表した。いろんなサイトを見て、足りない言葉も補った。最近は告白文章ランキングなんて変わったサイトがあるのだとちょっとびっくり。言っててちょっと恥ずかしくなりそうだけどそこは大丈夫。なにしろメールだから!相手の顔見えないし!

 彼女からの返信は了解だった。いや、そのままの意味で<了解>だった。その一言。

……そこが彼女の魅力といえばそうなのだが、絵文字くらいつけてほしい。クールなのは文でもかわらず。

 一応了解をもらったので何か進展でもあるところなのだがこれがまた全くない。というか無視される。一緒に帰ろうとすると、いなくなっている。お昼をしようとすると、いなくなる。彼女と仲のいい子にきいてみると、彼女のほうは僕と付き合っていることを知らない聞かされていないという。それどころか、あんたなんかと姫野さんが付き合うはずないといわれた……

 確かに彼女は美人で僕なんかと釣り合わない。けど、恋愛は本人たちの自由だ!、そう言うと職員室に呼ばれた。すとーかーって何のこと?

 そして今日改めて<了解メール>を見て、これはもしかすると付き合えていないのかも、とか一人もんもんとしている晩に彼女からメールがきた。

 <了解しかし三点>

 三点は合格なのだろうか?つきあえてるのか?

 <今夜十二時学校の屋上集合>

 どういうことだろう?

 メールで聞いても答えてくれない。とにかく学園に行くことにする。親は最近仕事で忙しく東京の方にいったきりだ。ここの所うるさいセミの鳴き声が今日はしない。空にも何もない、月すらない。学校までの道の途中誰とも会わなかった。

 そもそもメールじゃいけなかったのだ、直接会わないと伝わらない。まず何を言おう?そうだ、もう一度あの告白をしよう。そして<三点>のいみを聞こう。

 屋上に彼女はいた。月明かりに照らされた彼女を見て言おうと思っていた言葉を忘れた。そしてしゃべれなくなった。

ていうか先を越された。

 

 「遠野君のことがすきだ!私が困っているときに助けてくれる王子様みたいなところが好きだ!高校一年生の時私が傘を忘れたとき、傘を貸してくれた遠野君が好きだ!中三のとき不良に絡まれている私を助けてくれた遠野君が好きだ!中二の頃ずっと飼ってた飼い猫が死んだとき、一緒になって泣いてくれた遠野君が好きだ!中一の頃引っ越してきた遠野君を軽くいじめてごめんなさい!一目ぼれだ、初めて会ったときから好きでした!初恋です!大好きです!だから……っ」

 彼女は教室でいつも凛としていて、口数が少ないけどたまに聞く声は澄み切ったよく通る美声を持っている。そんな彼女は今僕の前で顔を真っ赤にしてふだん聞かないような声で僕のことを言っていた。

 「だから、付き合ってください!」

 なんか告白された。

(あれ……)

 声だせるな。

 「確か僕姫野さんに告白したよね?」一応確認を取る。

 「なのにどうして?とゆうか色々と謎なんだけど……。」

 姫野さんは説明してくれた。なんで僕が彼女のことを好きになるずっと前から僕のことを好きだったらしい。なのに先に告白されて悔しかったのと、あんまりにもムードの無い一大イベントにがっかりしたのだそうだ。だから自分からやり直したんだと。だから〈了解しかし三点〉なのだそうだ。

 「完璧な告白とゆうのはこういうものなの。誰もいない、私たち以外誰もいない学校の屋上で幻想的な雰囲気をまとわせたまま静かに愛を告げる……。素敵だと想うわ。」

 いまいち事情が読み込めない。けどこれだけはわかる。

「ほれなおした。99点。」声うわずってたしなー。

 高得点なのに彼女は不満げだ。小ぶりな顔をちょこんと傾ける。

「あとの一点は?」彼女の黒髪が揺れる。

「僕が埋めるよ」、三点分のキスとかで。

 

感想とかなんでもいいのでお願いします。つぎは直しますんで、できる限り。

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― 新着の感想 ―
[良い点] タイトルがこの小説の感動を収斂してて素敵でした。恋愛は減点法じゃなくて加点法。無限に好きな所を見つけていく。ロマンチック。
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