プロローグ?違う、これは紛れもない僕のお話
たまに「他人」を観る、あの人はこれが得意でこれがすごい、けどこういうとこがダメな人、けどそれも含めその人で良いところ。そうやっていくと、次は自分を観る、ダメなところがボロボロとでてくる、まるで溢れて収まりきらない玩具箱を観ているようだ。もちろん良いところだって少なからずある、人間なのだから。少なくとも、そう、少なくとも。
けど自分のすべきこと、あるべき姿を思い描くと、自身が浅はかで愚かな人間ということに嫌でも再確認させられる。
そう、何ら変らない平凡で、顔が少しよかっただけ、ただ大きな夢を持っていたが、何もかも中途半端でちゃんと上手くいった試しのなく、ただ表立って己が可愛く愛でて、しかし自身のことが嫌いでいる、そう、この私は私自身は何者にもなれないでいるのだ•••
小学生の頃、母に言われるがままに始めたモデル、高校はじめまで一応続いていたが、メンズモデルのために必要な身長が足りず続けれなくなった。自身のせいでと思い詰めた母の目の挙動が、未だに忘れることができない。
夢ができた、大きな夢だ、音楽家になりたいと、音楽に関係した仕事をしたいと。子供らしい具体的なものも何もない夢。
中学生の頃、まだぼんやりしていた頃、母が僕にアイドルへの声が掛かったと話しかけてきた、生活も厳しいのに頭の悪い僕のために塾に通わせてくれてる母を喜ばせてあげたい、そしてそのアイドルは自分の夢だと自身で思い込ませていた。
全力だった、ダンスも習い出して、プロを目指す人がゲームしてる時間はないのだからとゲームアプリも全て、コーチの言われた通りにした。本気でやった、だけどダメだったんだ、僕は色んなことをやめ、ただ音楽家になりたいという気持ちと、一気に色んなことをやめた脱力感だけを抱きしめて、高校生になっていた。
なかなか継続ができない自分に嫌気がさしてくる。
ただ、自分のためにすることをするだけなのに、
部活の関係も悪くなり、バイトも失敗ばかりする、
友好関係も悪くなり、ネッ友ですら合わない。
家の外に味方がいるのは何も知らないオタク仲間だけ、まだいるのが嬉しいが、それもまた僕を不安にさせる。つまり僕に居場所などないということ、何者にもなれない僕には居場所などないということだ。
彼は、阿望 凛は、、嗚呼、僕はこの際何者でもいいからなりたいと、そう思ったのだろう。
だがその日
彼の大好きなおばぁちゃんが死んだ日、彼は思い願っただろう、何か一つだけでも、僕だけの「姿」をくれたって良いじゃないかと。
だが、、微笑むのは神や天使などではない、そして、決してそれはタダなどではない、その欲望を叶えるのは悪魔なのだから。




