第1部エピローグ_感慨深い魔法使いは考える。……冷酷な同僚って誰だっけ?
続けて2話更新しています。お読み逃しがありませんようにお気を付けください~!
ノースは呆れた気持ちでセルヒとルーツィアの二人を見つめていた。
(ルーツィアちゃんを迎えに行ったあの月の夜、こんな光景は想像もしなかったな~)
同僚である魔塔の筆頭魔法使い、セルヒは、いまやこれまでの彼の評判など忘れ去ってしまいそうに緩んだ顔をしている。
これまでは常に顔色をうかがい、いつも不安をその目に宿し、事あるごとに謝る言葉を告げていたルーツィアが、たった今、謝罪ではなく感謝を口にした。
この元冷酷な天才魔法使いは、そのことが心底嬉しいのだ。
セルヒも変わったが、ルーツィアも随分と変わったように思う。それはこの短い期間の中で、信じられない程の変化だった。
(ま、なんにせよよかった、よかった)
思っていた展開とは随分違うものの、やっぱり面白くなったな、とノースは心の中で笑う。
それに、セルヒは気が付いていないのだ。ルーツィアが、セルヒの前でだけ、誰の前とも違う顔をしていること。
「うぷぷ、これはまだまだ楽しめそーかな」
好奇心はますます刺激されるし、退屈な毎日は彩られた。
何せ、この小さな女の子自体がとても不思議な存在なのだ。
本人はいまいち自覚していないようだが、ルーツィアの才能は明らかに異質だった。
一番側にいるのが天才魔法使いとその師匠だから、そのことに気が付かないままでいる現状も、仕方がないと言えるが。
それに、ルーツィアに異常に懐いている魔獣の存在も面白い。ついでに言うならば、その魔獣に骨抜きになっている、同僚の『魔獣マニア』アルヴァンの大暴走も楽しくて仕方がない。
それに、まだまだこれから、一波乱も二波乱もありそうな予感がする。
(リゼット・リーステラ……どうにもきな臭いんだよねえ)
ノースは考える。
グレイスがルーツィアを見失ったことに関しても異常だった。あの時、ルーツィアの側にいたのはリゼット・リーステラである。
そもそも、聖女の娘などと言われているが、それにしては性格に難がありすぎる。
だって、聖女と呼ばれる女性魔法使いたちだけが代々使っていた『聖魔法』には特徴があって──。
「ノース?あなた、一人でニヤニヤしながら何をぶつぶつ言っているの?」
「いんや、なんでもないよー」
(まあ、それはこれから分かるだろ。今はとにかく、面白いこと優先だ)
どんどん人間臭くなる天才魔法使いも、どんどん素直になる興味深い新米魔法使いのこともずっと見ていたい。
ノースはこれからの魔塔の刺激的な毎日に思いを馳せて、にんまりと笑み作ったのだった。
しかし、この時はまだ、ノースをはじめ、この場の誰一人として知らなかった。
今回の魔獣騒ぎを功績として、リゼット・リーステラが正式に、教会に『聖女』として迎えられることを──。
これで第一部完結になります~!
少しお休みいただいて(原稿もろもろのため……!)第二部に続きます(*^^*)
第二部ではリゼットや両親との対峙はもちろん、セルヒが大迷走したり、ルーツィアが恋心だと気付かず大混乱したりの恋愛パートのじれもだも楽しく読んでいただけるようにできたらなと思っています♡(もちろん、絶対にすれ違いを許さないヒーローはブレません!!)
そしてそして、お知らせです!
おかげさまで本作、【書籍化・コミカライズ進行中】です~!!わーい!セルヒとルーツィアが書籍と漫画になります。やったー!!(のちほど活動報告も書きますね!)
これも全て読んでくださっている皆様の応援のおかげです(*^^*)本当にありがとうございます!
引き続き頑張りますので、第二部開始まで楽しみに待ってていただけると嬉しいです♡
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