【1話】夏フェス
「「「1!2!3!4!」」」
カウントが叫ばれる。
ステージ上はライトが照らされ世界が一気に眩しくなる。
軽快な音楽が流れ始める。
息のあったダンスを踊り始める。
私はこの瞬間が一番好きだ。
作り笑顔でない本当の笑顔で歌い、踊ることができる。
なんて楽しいんだろう。私の生きがい。
今日あった嫌なことだって全て忘れさせてくれる。
この時間だけは自分を好きになることができる。
私はあゆゆんこと胡桃沢愛結。
「みっくす!」というガールズグループで高校生アイドル活動をしている高校一年生。
今日は夏フェスでたくさんお客さんが入ってる。
「沢山の人に笑顔を届けられるよう頑張らなくちゃ!」
そう心のなかで呟きキラキラの笑顔で歌い出す。
あぁ凄く楽しいなぁ
この時間がずっと続けばいいのに…
ん?もしやあれは…
あ…見つけてしまった…
あいつの名前は不知火光。
「ひかりんって呼んで」って言われてるから「ひかりん」って呼んでるけどただのファンサ。
本人によるとひかりんは私のガチ恋勢らしい。
推してくれるのは嬉しいけどこちらとしてはかなり面倒くさい。
人一倍応援の声はでかいし、握手会の時も時間守らないし…他のファンの方にも迷惑がかかっているんだけど、沢山貢いでくれるから運営も声掛けにくいらしい。
ひかりんを見つけてからは憂鬱にライブを終わらせた。
如月笑夢です。
「アイドルの私とヲタクの僕じゃ不釣り合いですか?」をお読みいただき有難う御座います。
今回のお話はいかがでしたでしょうか。
私初の恋愛メインのお話です。
rewindとはまた違った雰囲気になっていますがどうでしたでしょうか?
感想・評価等あればしていただけると嬉しいです。
次のお話でお会いしましょう。