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38.

「私塾……ですか」



 イースさんの言葉に俺は聞き返す。王都では貴族達を相手に、色々と教えている人間もいるが、平民たちに何かを教えると言うのはあまり聞かない。金にならないし、余計な事をするなと貴族に睨まれる可能性もあるからな。

 だけど、貴族の力がまだあまり影響のないアスガルドならばそれは可能だ……それに、俺の『世界図書館』によって、才能を見出した人間の長所を伸ばす育成をする事ができれば、相当すごいことではないだろうか? てか、異世界にも似たようなものがあれば参考になるはずだよな。



『学校及び塾がそれに当たります。』



 俺の疑問に『世界図書館』が答えると共に学校に関する情報が脳内に広がる。


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学校 一定の目的をもって、定まった場所において、(教育者 が児童、生徒、学生など に対し、一定の教材 を用いて組織的、計画的に、また継続的に、教育を行う施設をいう。義務教育などもあり、子供は全員通う場合もある。

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 なるほど……要するに一人の教師が何人もの生徒に教える施設って事か……しかも、場合によっては全ての子供にという事は、国の機関か何かなのだろう。もしも、それが可能ならば、アスガルドの領民の知識レベルは一気に向上するだろう。それが実現できるならという条件があるが……



「とはいえ、様々な課題がありますね。まずは物事を教える事ができる人材に、その方への賃金、及び教材が必要になります。そして、私塾の有用性を示さなければ入る人間はいないでしょう。労働力を奪われるわけですからね……」



 俺の指摘をイースさんも予想していたのだろう、その通りだとばかりに頷いた。



「はい、おっしゃる通りです。教師に関しましては最初は私が休日に教えようと思います。グレイス様には場所だけ貸していただければと思います。もちろん、あなたが当初募集していた魔法を教えるという仕事には支障を与えないと約束を致します」

「とりあえずはそれが現実的ですね……あとは、勉強といっても幅広いですよね? 文字の読み書きなどの一般教養などを教えるのは、イースさんにお願いするとして……農業や、大工など、そういった専門的なものに関しても教える事が出来るかなどは、俺の方で領民に当たってみます」



 せっかく学ぶ機会を作るのだ。それならば、様々な分野を学ぶ機会を作ったほうがいいだろう。。人によってはスキルに目覚める可能性のある人間もいるし、得意分野もある。

 なるべく自分の得意なものに触れる機会を増やしていけばスキルに目覚める可能性も増えるだろう。この国って兵士とか戦闘職の教育制度は整っているけど、他がてんでダメなんだよな。だからこそ、アスガルドが教育をはじめれば他へのアドバンテージを取ることができるだろう。



「ありがとうございます。それでだけでとても助かります。もちろん、教材などの費用は私の方で負担いたしますので、ご安心を」

「私財を投げうつつもりですか? 幸いアスガルド領は今は景気が良いので、先行投資という事でこちらで負担しますよ。もちろん、こちらで教育に適しているかは判断させていただきますが……」

「本当ですか……ありがとうございます」



 予想外の言葉に俺の方が驚く。いやいや、初期投資くらいはこっちで負担するって……この人はなんでここまで教育に熱意をかけようとするのだろうか? 

 もっと仲良くなったら聞いてみてもいいかもしれない。話がまとまったこともあり、俺は用意していた資料を彼女に渡す。



「納得してくれたようでなによりです。それでは、イースさんにはまずは衛兵の中で魔法の適性のある人間に魔法を教えてもらおうと思います」

「はい、もちろんです。ですが、先ほど貴族階級の方はいないと聞いていたのですが……どうやって、候補を絞ったのでしょうか?」

「あー、それは色々と方法がありまして……」



 イースさんの最もな質問を俺は濁す。魔法の適性は一般的にはある程度やらないとわからないからな。訓練もしていないのに何でわかったんだ? と疑問に思うのは最もである。

 さすがに俺の『世界図書館』が人間まで対象にしていることは言えないからな。これは俺の持つ奥の手のようなものだ。

 


「グレイス様は人を見る目があるんですよ!! 私の事も色々と見抜かれちゃいましたし……」

「いや、そういう問題ではないと思うのですが……」


 ノアのフォローになっていないフォローに怪訝な顔をしながらも、イースさんはとりあえずは追及をしないでくれるようだ。そして、話は進む。

 これで諸々の下準備はできてきたかな。



実際義務教育をとかって無茶苦茶恵まれてますよね……


アスガルドは知識で戦うんだよぉぉぉ

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