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175.潜入 商業連合


 この街は我らが王都に比べればはるかに色々な商品があり、様々なインスピレーションを受けることができた。

 だが、毎年優勝のガラテア(人)の商会は見なければ真にりかいしたとはいえないであろう……ということでガラテアの話に乗ったのだが……



「なあ、この格好っておかしくないか?」

「いえ、とてもお似合いですよ。マスター……いえ、お姉さま」

「スカートってみっちゃすーすーして落ち着かないんだけど……」



 文句を訴えるがガラテアは楽しそうににやにやと笑うだけである。

 そう、ガラテアの提案にて俺は女装をさせられていたのだ。ちょっと上流階級っぽい人が着るようなワンピースを着せられたのだが、まあ、なんともおちつかないものである。



「では、お姉さまを頼みましたよ。エミリオさん」

「あ、ああ。任せてくれ。それにしても結構かわるものだな……」



 そりゃあ髪の毛はカツラだし、ガラテアのサラ直伝のメイク術(本来はノエルに使うはずだったらしい)で印象は変わっているからな。

 だけど、エミリオが顔を赤らめているのはなんでだろうな。想像するとちょっとこわくなったからつっこまないでおく。



「なにかあったらすぐに助けにいきますから、ご安心くださいね。お姉さま」

「そこはマスターでいいだろ……」



 突っ込みながらなにやらパシャパシャと何か光らせているガラテア。なんでも写真というもので、映像を記録できるらしい。

 なにそれ、すごすぎない? これを発表できればいいんだが異世界理解度がたりないんだよな。



「では、グレイス様いきましょうか」

「エミリオさん……くれぐれもお姉さまを頼みますね」

「あ、ああ。わかっている。俺だって、姉のやり方は納得していないんだ」


 最後にガラテアがダメ押しとばかりに確認すると彼は少しふるえながらも頷く。まあ、ガラテアが俺と二人で行動させるというのならば大丈夫そうだろう。

 



「これはこれはエミリオ様、お疲れ様です。こちらのかたは……?」

「ああ、外国の貴族の方でな。うちに興味を持ってくださったから、案内をしたいんだ」


 さっそく受付嬢と話しているとエミリオが視線をおくってきたタイミングで、軽くお辞儀と共に挨拶をする。



「私はノアと申します。家名は……お忍びなので勘弁してくださいね」


 はにかむように笑うと、なぜか受付嬢とエミリオが顔を赤くする。あれ、ガラテアの指示どうりにしているがなんか変な反応だ……



「お美しい方ですね……家名をいえない…なるほど!! エミリオ様頑張ってくださいね」

「いや、がんばるって何をだ?」

「いいから!! ガラテア様も自分より頭の良い男じゃないとダメだってお見合いを断りまくっているんです。ここであなたが頑張らなかったら私たちの商会は後継者ができるずにおわるんですよ!!」



 なんか変な誤解をされている気がするが……まあ、ちょうどいいか。俺はエミリオの肩を優しくたたく。



「その……こういうところははじめてですのでエスコートをしてくださいね」

「あ、ああ。わかっていますよ」

「ちがうでしょ!! そこはもっと自信たっぷりにいってくださいよ、エミリオ様!!」



 やたらとハイテンションな受付嬢に別れを告げて俺たちは商会の商品を見に向かうのだった。




「さっきのはなんだったんだ……?」

「気にしないでください……それよりもここが作業場となります。会議でどういうものを作るか決めたらここで職人たちが作成に入るのです」



 商業連合などというからもっと堅苦しい感じかとおもいきや意外とフレンドリーに接されて驚きつつもエミリオの案内についていく。

 そこは巨大な炉に、作業着の職人たちがあーでもない、こーでもないと話し合っていた。



「ほぉ……ドワーフもいるのですね。種族への差別意識はないのは素敵です」

「ええ、完全な偏見を取っ払うことは難しいですが、出自も種族も関係なく熱意があればだれも受け入れていますよ。かの先祖も、アスガルドに移住するものは熱意があればよしとしていましたからね」



 他人の目があるため、女言葉にもどして訊ねると。どこか誇らしげにエミリオが言う。それは素晴らしい思考だがちょっと危険すぎないだろうか?



「だが、それでは危険では? アスガルドにはロボットという抑止力がいましたよ。ここにもなにかあるのでしょうか?」

「ああ、それならば安心ください。異国のあなたにはなじみはないと思いますが、それだけ商業連合は力を持っているのです。それこそ、本気を出せば、商会なんてつぶせるくらいにね」

「なるほど……」



 まあ、アスガルドに手を伸ばせるだけの力をもっているのだ。ここら辺での地位は盤石なのだろう。

 だが、もしも、他国の王族や有力貴族が目をつけてきたらどうなる……? とおもったがそこまで突っ込む必要はないだろう。俺とエミリオは一時的に共闘しているだけにすぎない。


「それにしても立派な炉ですね……」

「ええ、最新鋭のものを用意してますからね。とはいえアスガルドやドゥエルのものには遠く及びませんが……」


 遠回しにだからこそガラテア(人)が狙っているのと訴えてくる。確かに優秀な人間をあつめ、ソウズィの遺物からヒントももらっているだろうが、技術力がたりていないのは歯がゆいのだろう。

 そんなことを思いながら俺はエミリオが案内する次の扉をひらく。


「おお……これは……」

「はい、ここが我ら商業連合の倉庫です」

「宝の山だぁぁぁぁぁ」


 様々な発明品が置いてある部屋に思わず素の声をだしてしまうのだった。

すいません、年末年始体調崩してて更新遅れました……

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― 新着の感想 ―
おかえりー。そりゃまた大変でしたね(汗) あと、唐突な女装で草w
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