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53.意外な再会

 俺とカイルが同時に息を飲み込む。仮面越しだが、相手が息を飲んだのがわかった。こいつのせいでアスガルドは……



「マスター、落ち着いてください。ここは他国です」

「ああ……ありがとう、ガラテア」



 俺の感情を感知したのか、ガラテアがカイルとの間に割り込んで宥めてくれた。そんな中沈黙を破ったのはメイド服のドワーフだった。



「おお、アインか、久しぶりだなー。ギムリ叔父さんから帰ってきたと聞いてうれしかったぞ。そっちの人が援軍か、私はルビー=ドゥエルよろしくなー」

「ああ、俺はグレイス=ヴァーミリオンだよろしく頼む」



 やたらとフレンドリーなメイドドワーフに俺は毒気を抜かれて、挨拶を返すと、仮面の男……多分カイルも便乗するとばかりにあいさつをしてきた。



「僕の名前はカイン……記憶喪失でさまよっていたところを助けられたんだ。今は彼女の護衛をしているんだ。よろしく頼むよ」

「記憶喪失……?」

「ああ、そうらしいんだ。こいつの事を知らないかー? 魔法がすごいうまいんだぞーー鉱山アリもガンガン倒してくれているんだ。おかげでミスリルが手に入ってなー、いろいろと助かってるんだぞー」



 怪訝な顔をしている俺にルビーの言葉のせいでさらに混乱させてくる。こいつが誰かを助ける? 一体どんな風の吹き回しだ。こいつの場合、『はっはっはー魔物に負けるなんて情けないなぁ」ってバカにしそうな勢いなんだが……



「マスター……今はドワーフ王との謁見前です。この場は話を合わせるのが良いかと……」

「そうだな……」



 耳もとでささやくガラテアにうなづいて、俺は自称カインにあいさつを返す。とりあえずは謁見の方が大事だろう。それにこいつはどうやったかは知らないがルビーの信頼を勝ち取っているようだ。今口論するのは得策ではないだろう。

 感情を押し殺しながら俺は挨拶を返す。もちろん、皮肉は忘れない。



「ああ、こちらこそよろしく。もしも少しでも思い出したら、教えてくれ。わかることがあるかもしれない。まあ、うちの領地はバカな魔法使いにボロボロにされたから力になれないかもしれないけどな」

「うぐっ」

「おー、よかったなー。グレイスもいいやつだ!!」

「ふふふ、ルビー様は相変わらず元気そうですね」



 満面の笑みを浮かべるルビーを見て、アインもクスリと笑った。まあ、カイルの事はあとで時間を見て詳しく聞くとしよう。まずはドワーフ王だ。

 俺たちが並んでしばらく歩くと、武装したドワーフのいる扉に行きついた。



「ようこそ、人間の客人にて、我らドワーフの友よ」



 そして、精緻な彫刻の施された扉が開かれ声が響く。謁見の間は人間たちのものとは違い、岩をくりぬいた洞穴である。そして、巨大な円卓が一番奥に立派な鎧を身に着けたドワーフが座っており、その右横にはやたらと立派な服を着たギムリも座っていた。

 なんであんなところに……と思っていると、ルビーが立派な鎧をうけたドワーフの左横に座り、その横に自称カインが立っている。



「われら王族も久々にそろったな。話はわが弟のギムリから聞いている。ボーマンが世話になっているようだな。まずはそのことに関してお礼を言わせてくれ。あいつは人質のような扱いで国を出てしまったからな……グレイス殿のおかげで楽しい人生を送っていると聞いて感謝をしているのだ」



 立派な鎧をつけたドワーフは深々と頭を下げた。



「我が名はアルヴィスこの国の王をさせてもらっている。グレイス=ヴァーミリオン、あなたをまっていた」



 そうして俺は無茶苦茶歓迎をされるのだった。いや、ギムリたちはどんな話をしたんだよ。


正体はばればれですねwww

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― 新着の感想 ―
[良い点] ドゥエル王アルヴィス。 まともな王様だわ。グレイスのここまでの実績の価値をちゃんと理解してるもんなぁ。 [一言] ぶっちゃけ、人間の王の方はいらなくね? よく考えたら名乗りすらしてないし。…
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